お世話になっております。
自宅の冷凍庫に保存されているのが
鶏、鹿、イノシシ、アライグマの肉というラインナップで
猟師やってるなー
なんてしみじみと思った今日このごろ。
どうもコム兄です。
さて、今回紹介いたします内容は先日行われました
スペシャルコラボワイン会の紹介記事パート2
ということで提供されましたお料理やペアリングされたワイン、
そこに込められた思いなどを紹介してまいりたいと思います。
ちなみにパート1の道程編はこちらから。
参加してくださった方は復習やさらなる余韻に浸っていただきまして、
残念ながら不参加の皆様方に置かれましても会の雰囲気を味わっていただきながら脳内ペアリングをして頂いて、
存分によだれを垂らして頂ければと思います。
そして次回以降の参加の意思を強くしていただく機会になればいいなと勝手に思っています。
と、まぁふざけた事ばかり言っておりますが
何はともあれ楽しく読んでいただければ嬉しいです。
早速行ってみましょう!!!
ちぇけら。
開宴
パート1の道程編では
コラボするに至ったきっかけ、
会場変更を余儀なくされた話
なとなど紹介してきた訳ですが、いよいよここからが本編と言っても差し支えないと思います。
(ここまでちゃんと読んでくださった読者に謝れ)
ここからはお料理とペアリングされたワインの紹介をさせていただこうと思います。
ペアリング1 アミューズ
まずトップバッターを飾るのはこちらのお料理。
担当してくださったのは宝塚の美麗女子ことななさん。
美味しいのは言うまでもないんですが何と言っても見た目が美しいですよね。
説明書きまで添えられる丁寧な仕事っぷり。
最高です。
今回ご用意したお料理に用いた水は全て布引の湧水を使用しました。
ちょうど立春のでの開催でしたので寒い中足を運んでくださる方々に少しでも春を感じていただけるように試行錯誤しました。
御馳走の序奏として、飲む血液とも言われるビーツをポタージュにし淡路産玉葱麹で優しく仕上げました。
リピートオーダーも多い、誰もが大好きな黒トリュフのドレスドエッグは、蘭王の卵を使用しています。
玉葱のチュイルは奈良までの持ち運びや、盛り付け時に割れないか。。。
ただただ心配な手のかかる子でした。
チュイルの上にはそら豆のムースを絞り、直前に炙って香ばしさをプラスしたお刺身用の帆立を。
全体に言えることですが、味わいや見た目はもちろんの事、栄養のバランスを考えて野菜を沢山使う事を意識しました。
紹介文からゲストへの配慮や元気になってほしいという気持ちが伝わってきますよね。
その他にも玉葱や銘水といった地元の名産品を使って仕上げるなどこだわりが凝縮されたお料理でしたね。
こちらのお料理がサーヴされると、皆さん夢中になって写真を撮られている様子でした!
ワイン
そしてこちらのお料理に合わせましたのがこちらのワイン。
Dominique Massin Cuvee Speciale Demi-Sec
ドミニク·マサン キュヴェ·スペシャル ドゥミ·セック (ブラン·ド·ノワール)
青野さんのコメントを引用してみましょう。
ななさんの前菜がアソートという事だったので、ピンポイントのペアリングというよりも広く受け止めてくれるような、楽しんでもらえるような1杯を意識してブランドノワール(黒ブドウから造られる)のシャンパーニュのドゥミセックを選びました。
ドライ過ぎない味わいが見た目にも美しいお料理と相まって華やかな開宴となりました。
美味しいシャンパーニュなんですが、お料理に合わせていただきたいので料理が来る前に飲み干さないように気を付けてくださいね
と仰っていたように思います。
飲み干し注意のウマウマシャンパーニュ、最高。
だいたい自分で選んで飲むときには辛口のキリっとしたシャンパーニュを頼みがちなので
こういったチョイスは驚きも含んでとってもいい提案だったと思います。
さすが青野さん。
皆さんいかがですか?
エアーペアリング捗っていますか?
ペアリング2 鰆の大理石仕立て
二皿目では青野さんがお料理もしてワインの提案もしてという
奈良にいながらblue_noを疑似体験出来てしまうというスペシャルなペアリング。
まずは気になる料理がこちら。
中央のマーブル状のものが鰆で、クリームチーズを纏わせて結着するという手の込んだ一皿。
柑橘のスライスや何やら得体のしれない紫の何かが添えられていますね。
早速青野さんの説明を引用してみましょう。
僕は愛媛から来ているので愛媛らしい皿を出したいなというのは毎回意識してます。
ということで今回は地元産の鰆をご用意いたしました。
少し粗めの塩を振ってバーナーで炙り香ばしさをプラスしました。
スライスされた柑橘はポンカンで、紫色のものは紫カリフラワーのピュレです。
後ほど仕上げをしますのでお待ち下さい。
料理が運ばれた後に目の前で紫カリフラワーのピュレに赤ワインビネガーが回しかけられ、ピンク色に変わる様はなんとも鮮やか。
映えてます。
ワイン
合わせましたのはこちらのワイン。
Charles Noellat Nuits-Saint-Georges Blanc 2007
シャルル·ノエラ ニュイ·サン·ジョルジュ ブラン 2007
受けの広い料理なので赤ワインとでも楽しいのですが、ワインの程よい厚みが鰆といい感じにマッチしてくれると思い、今回は熟成したシャルドネをチョイスしました。
脂ののった鰆とチーズのクリーミーなコクを酸味のあるポンカンが引き締め
添えられた紫カリフラワーのピュレに仕上げにかけた赤ワインビネガーが若干揮発酸の香りが出ているワインとうまく馴染んでくれる、といった組み立てです。
赤ワインビネガーはただの演出ではなくて
ペアリングの要素としても大事な役割を果たしていたんですね!
白ワインビネガーよりも赤ワインビネガーのの方が酸味が柔らかくて…ということも仰ってたと思います。
なんとも立体的で料理もされている方らしいペアリングですよね。
レシピとかを公開しちゃってもなかなかお家では再現しきれない、さすがプロのペアリングといったところでしょうか。
ペアリング3 苺のパルマンティエ
こちらも青野さん考案のお料理。
クリーム色の絨毯の上に苺が散りばめられたような
一見してデザートのような一品ですよね。
考案された青野さんの説明が気になりますね。
ちょっと待って、
”パルマンティエ”ってなに?
っていう方のために簡単に捕捉させていただきますと
パルマンティエっていうのはフランスで一般の人にじゃが芋を広めた農学者さんのお名前で、
そこから転じてじゃが芋を使った料理をパルマンティエ風と呼ぶようになったとか。
現在ではじゃが芋とひき肉を使ったクラシックで定番なグラタンのようなお料理のことを指すことも多いと思います。
詳しく知りたい方は以下Wikipediaを参照ください
そんなパルマンティエにイチゴを合わせてくるところが青野さんらしさが爆発していて面白い。
早速どういった狙いがあったのか青野さんの説明を引用してみたいと思います。
バレンタインが近いということでバレンタインっぽいものをひとつ。
じゃがいものピュレにカカオバターを使い、ホワイトチョコの風味のポムピュレに仕上げました。
砂糖は入ってないのであくまで甘くない。香りがカカオなのです。
ここに牛乳を練り込んで滑らかに。
じゃが芋は1ヵ月前に買って冷蔵庫で寝かせることで自然な甘みが増しています。
そこにペコリーノチーズとパルミジャーノを半々に合わせたものを散らして、
カットした苺、ホワイトペッパー、オリーブオイルで仕上げます。
イタリアンパセリは彩りではなく、青い風味を少し入れたかったので使いました。
通常の思考でしたら
「バレンタインっぽいのを」
と考えた場合にデザートに仕立てるのが一般的なんでしょうけど
それをお料理として提供しちゃうなんて。
しかもサラッと言ったけど芋を1か月も自家熟成にかける・・・?
みなさん付いてこれてますか?
味の想像が難しいと思う方もいらっしゃるかと思いますので、
一応食べた感想をコム兄的に解説してみます。
イチゴのフレッシュでチャーミングな味わいにチーズの塩気と旨味。
熟成することで甘くなって、丁寧に裏ごしされて滑らかな芋の食感。
これが咀嚼していく程に芋中心の滑らかな中にイチゴが潰れてジューシーになって爽やかな着地。
鼻から抜けるのはカカオバター由来のホワイトチョコの香りとパセリのほのかな青さ。
うん確かにデザートじゃなくてお料理だ。
ワイン
既に驚きに満ちた世界観を放っておりますが、こちらに合わせたワインはこちら。
Gabriel Liogier / tavel rose 1997
ガブリエル·リオジェ タヴェル·ロゼ 1997
ワインのペアリングポイントも説明頂けました。
こちら合わせるのは熟成タヴェルロゼ。
苺とロゼはもちろん鉄板ですし、カカオの仄かな苦味とコクがよく合います。
鉄板な組み合わせって案外やらない人も多いんじゃないかなと思いますし、
鉄板だけでは面白くないので楽しんでいただけるように仕立てました。
見た目はスイーツっぽいですがあくまでも食事としてのひと皿です。
定番の組み合わせの一歩先を行くペアリング。
ここまで来たら何となくお気づきの方もいらっしゃるかもしてませんが
青野さん変態なんですよ(最大級の賛辞です)
この青野さんの世界観を存分に味わうためにはやはりお店に伺うしかないでしょう。
興味のある方は是非!!
↓↓ブルーノのお店情報はこちら↓↓
ペアリング4 海老旨味凝縮パスタ
こちらはコム兄が担当いたしましたお料理でございます。
どんだけセンスのないメニュー名なんだよ。
こんな漢字まみれのメニュー見たことないわ。
言うとりますけれども。
許してください。
こちらに関しては味の想像が付きやすいのかなと思います。
想像していただいた味を2割ぐらい凝縮していただいたら良い感じに想像通りの味わいになるんじゃないかと思います(説明ちゃんとせい)
仕上げにパルミジャーノを削って、
青野さんが使った残りのイタリアンパセリを頂いてぱらりぱらり。
みんな海老好きだし、そんな味のパスタなんて美味いに決まってるじゃないですか。
という安易な考えで提供いたしました。
ななさんのこだわりとかを聞いた後だと恥ずかしくなっちゃうし、
青野さん的立体感も無いわけですが。。。
これもコム兄の現在地という事でご笑納ください。
これからも頑張りますので。
ワイン
続きましてペアリングいただいたワインの紹介をさせていただこうと思います。
Angelo Negro Barbaresco Basarin 2019
アンジェロ・ネグロ バルバレスコ・バサリン 2019
こちらのワインはワイン界隈みんな大好き風土さんのワインですね。
青野さんのコメントを見てみましょう。
コム兄のビスクソースにはバルバレスコを。
強烈な海の旨味とネッビオーロはドンピシャで合うと確信して赤で合わせます。
これが良かった!
海の旨味にネッビオーロ…メモメモと。
単体ですんごく美味しいワインですからワインに助けてもらった感すらありますね。
こんないいワインをペアリングに選んでいただきまして光栄でございます。
ありがとうございます!
ペアリング5 コム兄が仕留めて捌いて料理したジビエの三種盛
さっきからクセの強いメニューでごめんなさい。
これ以上でもこれ以下でもないという説明書のようなネーミング。
誰か僕にセンスを下さい。
コム兄が初めて自分で捕えた鹿とイノシシをそれぞれの調理方法で盛り付けました。
今回使わせて頂いた鹿を捕獲した際の様子はこちらから↓↓
イノシシに関する記事はまだ紹介できておりませんが、こちらもコム兄が捕獲したイノシシ。
一応証拠に捕獲した際のイノシシの写真を載せておきますね。
喜んでもらえるように精一杯料理頑張りました。
せっかくですので一種類ずつ紹介したいと思います。
こちらはイノシシのバラ肉をシンプルにローストして
いろんなスパイスをミックスして作った自家製スパイス塩を振りかけました。
こちらのイノシシは小さな個体で脂の乗りと肉のサイズが小さかったですが、
その分身は柔らかくてそのままで美味しいと思ったので
なるべく手をかけずにシンプルに調理して
そのままの味を楽しんでもらいたいなと思ってこのような仕立てにしました。
こちらは鹿のすねの肉、ふくらはぎの部分をホロホロに煮込んで芋のピューレと。
硬いので一般的に低需要部位と呼ばれる部位ですが、オーブンでコトコト煮込むことで柔らかく仕上げました。
独特の風味とコラーゲンたっぷりの味わいはクセになる味わいですね。
こちらは同じく鹿ですが、その中でも一番高級な部位と言われる背肉を使ったロースト。
オリーブオイルやタイム、ローリエで3日前からマリネしておきました。
ソースには鹿の骨や筋などを煮込んで作った出汁とか赤ワインとか
色んなものを入れて煮詰めて、エイっ!ってしておきました(雑)
ピリッと感じた辛味は黒コショウを潰したものを煮詰める工程の時に加えていたからなんですね。
ちなみに専門的にカッコよく横文字で言うならソース・グランヴヌールってやつです。
(王室に仕える)狩猟長風っていう意味らしくて、鹿肉には定番のソースとして知られています。
ワイン
合わせて頂いたワインとペアリングポイントはこちら。
Albert Bichot / Chateau Nouf Du Pape 2013 (Demi-bouteille)
アルベール・ビショー / シャトー・ヌフ・デュ・パプ 2013 (ハーフボトル)
言わずと知れた厚みのあるボディと幾重にも重なるハーモニーを誇る銘醸ワインで
長命なワインとしても知られていますよね。
エチケットをよく見ると鹿さん?があしらわれていますね。
鹿に合うに違いない!…はず!!!
ジビエの三種盛りにシャトー・ヌフ・デュ・パプ。
この組み合わせは鉄板ですね。
2013とはいえハーフボトル、熟成は進んでいて、獣っぽさが出てきています。
これとジビエが最高に合う。
試食して、コム兄と顔を合わせて
「よし!いいね!」
と頷きました。
実はペアリングするワインを考えていただく為に事前に打ち合わせをしてたんですが
急遽仕立て方を変えたんですよね。(勝手なことして本当にごめんなさい)
簡単に言えば元々は鹿とかイノシシをミンチにしてパテみたいな仕立てにしようかと考えていたんです。
でも、せっかくならそれぞれの味わいを楽しんでほしいと思ってこんな感じの仕立てにしたんです。
そんな急な変更にもキチンと合わせてくれる素晴らしいワインだったと思います。
ヌフパプといえば強いイメージのワインですが、あえてハーフボトルを使う事で熟成感を上手く引き出してて
この辺りからもワインバー店主ならではのテクニックだなと感心いたしました。
苦手な方もいらっしゃるかなと思って全体的に少なめに盛り付けていて、
「まだ食べられそうな方がいらっしゃればお代わりしてくださいね」
という感じで提供させていただきました。
ありがとうございました。
ペアリング6 ブルーチーズのタルトタタン
こちらは名残惜しくもこの日最後の一皿。
デセールも青野さんが担当してくださいました。
3層構成のタルトタタンです。
林檎のキャラメル煮の層、しっとりしたサブレ生地の層、その間に、ゴルゴンゾーラを練り混んだテリーヌフロマージュの層があります。
このゴルゴンゾーラがいい感じに効いてきます。
ソースは林檎の皮とスパイスを煮出して作ったコンフィチュールと、
清見とレモンのカード(柑橘の入ったカスタードソースみたいなもの)を添えました。
参加者のたかしさんからのお土産で頂いた高畠ワイナリーのワインケーキも急遽添えて皆さんに召し上がっていただきました。
これがまたしっとりふわふわで美味しくて、マスカットのような芳醇な香りが豊かで気が付けば無くなっているという蒸発系ケーキでございました。
改めてたかしさんありがとうございました。
ワイン
合わせていただいたワインはこちら。
Signature de Colmar Grand Cru Pfingstberg Gewürztraminer 2012
シグナチュール・ドゥ・コルマール グラン・クリュ フィングスベルグ ゲヴェルツトラミネール 2012
ゲヴュルツトラミネールはあえて極甘口にせず、量をしっかり飲んでいただいてデザートの強めの余韻に重ねていこうという具合ですね。
チーズをタルトタタンに挟むなんて聞いたことないですが、これがまた絶妙な塩気が美味いんですよ。
そして余韻に鼻から抜けるブルーチーズの香り。
そのブルーチーズの風味残るうちにワインを口に含むと一気に華やかで甘美な余韻に。
添えられたコンフィチュールもレモンカードもただの飾りではなくてちゃんと役割があるんですよね。
てか、リンゴの皮のコンフィチュールなんてコム兄は聞いたことないし。
食材へのリスペクトも地元愛も存分に込められた素敵な一皿でした。
パート2の最後に
いかがでしたでしょうか。
よだれは分泌されましたか?
もしよだれが垂れていなくてもコム兄の文章力の問題ですので
病気とかじゃないんで病院行かなくても大丈夫ですよ。(ったりめぇだよ)
なにはともあれ会の雰囲気をなんとなくでも味わっていただければ嬉しく思います。
それにしても本当に楽しかったなぁ。
コラボして頂いたみなさんの料理が美味しいし、美しいし、自分にはない発想だったりで
本当に刺激になりました。
きっとゲストの皆さんにもお楽しみいただけたものと確信しております。
今回参加できなかった皆さんも次回の開催を楽しみにしていてくださいね。
さて次回の記事ではパート3という事で、青野さんとえいじさんの対決形式で提供されました
南アフリカワインvsスペインワイン
の紹介をさせていただきたいと思っています。
どれも美味しかったなぁ。。。。
皆さんも楽しみにしていてくださいね!!
ではまたっっ!!!
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