Zum wohl!! 大田黒氏も参戦 オーストリアワインを知るin奈良ワイン会

コム兄とワイン

皆さんこんにちは。

春の温かさが日を追うごとに増して、鳥のさえずりも耳に心地のいい季節になってきました。

濃淡様々な桜の色を見ているとやはりロゼワインが飲みたくなってしまいます。

ロゼはやっぱり夏でしょ

って言われちゃいそうですが、春にだって飲みたくなります。

いや、いつだって飲みたくなります。

どうもコム兄です。

今回は3月8日に行われた奈良ワイン会の様子を紹介させていただこうと思います。

仕事の合間にコツコツ(ちまちま)書いている間にほぼ1か月たってしまいました…

テーマは「オーストリアワインを知る」

でございました。

グリューナー・ヴェルトリーナーとホイリゲ、最近覚えたゲミシュターサッツくらいしかあまりイメージのない残念なコム兄。

今回はヘレンベルガー・ホーフさんの大田黒さんをゲストに迎えて、

講義部分はyoutubeでライブ配信もされました。

という事で今回も学びの多い時間となりましたので、皆さんと共有させていただきたいと思います。

今回はどんなお話が聞けたのでしょうか。

どんなワインが、どんな料理が登場したのでしょうか。

早速行ってみましょう。

ちぇけらっっ!!

オーストリアってどんなとこ?

みなさんオーストリアってどこにあるか知っていますか?

言語もワインの法律も似ていることから、ドイツとセットにして覚えている方もいらっしゃるかなーなんて思うわけです。

なんとなくコム兄もそんな感じの認識でした。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

実際に地図を見てみましてもドイツの南東に接しているので

ドイツとセットで覚えていてもあながち間違いはなさそうです。

緯度を見ると

でもそれではまだまだ理解しているとは言えません。

今回はもっと解像度を上げていきましょう。

オーストリアを緯度で見てみますと、ドイツの主要産地というよりはブルゴーニュに近いことが分かります。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

大田黒さん曰く、

ドイツのワインとは酸の感じ方も違うし作っている品種も違います

との事。

なので、言語やワインの法律は似ているけれども

ワイン産地としてみた時にはしっかり区別しなければいけません。

との事でした。

ふむふむ。

オーストリアのワイン産地

さらにオーストリアのワイン産地を見てみると国土の東側に集中していることが分かります。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

これは中央から西側にかけてアルプス山脈(茶色で示されているエリア)があって標高が高く、

寒すぎてブドウの栽培に向かないため東側でのみ造られているのだそう。

ほらやっぱり寒いんじゃん。

結局ドイツと一緒なんじゃないの?

なんて思っちゃったあなた。

もう少し落ち着いてください。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

東はワインを造るところ、西はスキーをするところ

とオーストリアの人が冗談で言うそうですが、それほど寒暖差のある国なんだそうです。

さらにエリアごとに見てみましょう。

ニーダーエスタライヒ

奈良ワイン会オーストリア編資料より

「ニーダー」が低い、低地、という意味で「エスタライヒ」がオーストリアという意味なんだそう。

直訳すると低いオーストリア、下オーストリアってところでしょうか。

先ほどオーストリアの西側がアルプス山脈があってという話が出ましたが、

それに比べて標高が低いというのが由来の産地なんだそう。

ニーダーエスタライヒはオーストリア最大のQualitätswein(高品質ワイン)の産地で

Wachauなど8つの特定産地があります。

という事のようです。

ふむふむ。

8つの特定産地についてはとっても大事なところですが、今回は割愛させていただきますね。

ウィーン

奈良ワイン会オーストリア編資料より

言わずと知れたオーストリアの首都。

先ほど紹介したニーダーエスタライヒに囲まれるようにして存在しているのがウィーン。

国の首都にワイン産地があって、しかも行政区分の中でブドウが育てられてワインが作られているというのはオーストリアだけなんだそう。

首都ってことで都市部と畑が近いところにあるというのもこの産地の特徴なんだそう。

2013年のDACに認められたヴィーナー・ゲミシュター・サッツはウィーンワイン産業のシンボル的な地位を確立しているんだそう。

ゲミシュターサッツはホイリゲ(ワイン居酒屋的な)でも人気で、地元住民に愛されるにとどまらず

観光客も含めた多くの人を惹きつけているんだそう。

そんなこともあってか、2019年には「ウィーンのホイリゲ文化」ユネスコの無形文化遺産に登録されたんだとか。

愛が止まりませんね。

コム兄もいつかはウィーンに行って頭にネクタイ巻いて楽しく飲んでみたいですね(そんな飲み方する奴日本にもいねぇよw)

シュタイヤ-マルク

奈良ワイン会オーストリア編資料より

オーストリアにの中では一番南にあってスロベニアとの国境に位置しているという生産地域。

その中でも西側に位置するヴェスト・シュタイヤ-マルクという産地は標高400m~500mという高地にあって、急斜面にブドウが植えられているんだそう。

オーストリアのトスカーナと呼ばれるほど風光明媚な丘陵地帯であるため

木も生い茂っているしパッと見温暖なイメージを持ちがちだが、実は冷涼な産地なんだとか。

やっぱりアルプスからの冷たい風の影響なんでしょう。

ブルゲンラント

奈良ワイン会オーストリア編資料より

何となくオーストリアと言えば冷涼なイメージも手伝って白ワインのイメージですが、

ブルゲンラントの東側はハンガリーとの国境に接しており

パノニア平原からもたらされる乾燥した暖気と地中海からの湿度を含んだ温かい風の影響で黒ブドウが完熟するため素晴らしい赤ワインが産出される。

との事。。

一方で西側にあるアルプスから冷たい風も吹くので過熟も抑えられる。

ふむふむ。

さらに夏のノイジードラーゼ湖の水温は30℃近くまで上がるそうで

ブラウフレンキッシュやツヴァイゲルトなどの赤ワインが有名だけど、

湖から湿度で発生する霧の影響で貴腐ワインも有名なんだとか。

ふむふむふむふむ。

ラインナップ

1.Oh when the saints Petnat 2021

最初のワインはこちら。

乾杯ワインという事で発泡性のワインでございます。

Zum wohl!!(ツム・ヴォール)

いきなりどうした感が半端ないですが、

ドイツ語で乾杯を意味するんだそうです。

とても爽やかでキレイで美味しい。

さぞかし高級なオーストリアン・ゼクトなんだろうと思いました。

これまたするする飲めちゃうの。

グビッと飲み干しちゃわないように我慢するのに必死ですよ。ホンマに。

美味いっすねー。

いうて講義を聞いていましたら、こちらなんとペット・ナットなんだそう。

ぺぺぺぺ、ペットナット!?

目ん玉が飛び出そうになりました。

一般的なペットナットと言えば

C.Cレモンくらいの微炭酸のイメージしかありませんでしたから聞いて驚き。

こちらのワインは5.5barというシャンパーニュに匹敵するようなガス圧。

もはやペットナットって何ですか?

ってくらい衝撃のワインでした。

こちらのOh when the saintsという名前のペットナットですが

「聖者の行進」という意味らしいです。

名前の由来としましては、

ワインに使われているのはSt. Laurent(ザンクト・ローレント)という品種で

ドイツ語でザンクトというのは聖なるという意味があるらしく

品種の名前のSt. Laurentとかけて付けられたといいます。

ちなみにローレントの方には「自由」を象徴するような意味もあるようですね。

オシャレですねー。

今日からコム兄もローレントコム兄に改名したいと思います。(は?)

ちなみにエチケットのデザインも手掛けたマッツ・グスタフソンさんのアイデアなんだそう。

マッツさんは世界的ファッションイラストレーターなんだそで、

エチケットに描かれたイケおじは誰なのかは不明です。

聖者の行進ってどんな曲だっけ?って方のためにエチケットにちなんでサックスバージョンを張り付けておきますね。

もう一つ小話を加えさせていただきますと、

ザンクト・ローレントという品種はかつてシトー派の修道僧が

ブルゴーニュからオーストリアにピノノワールを持ち込む過程で他の品種と交配しちゃってできたものなんだそう。

コム兄的には面白い話だなーって思ったんですけど、そうでもなかったですかね?

ごめんなさい。

味わい

ペットナットながら澱引きされているという事で濁りもなく、非常にクリアな印象。

リンゴ、洋ナシ、柑橘類のフレッシュな香りに酵母由来のビスケット感。

ペットナットとは思えないしっかりとした、それでいてクリーミーな泡が

幸せな気分へと誘ってくれます。

クリーンでほんのりと感じる甘さが親しみやすさを感じさせます。

ペットナットの常識を覆してくれる一本だと思います。

2.Grüner Veltliner Federspiel J&G 2021

出ましたグリューナー・ヴェルトリーナー。

やっぱりオーストリアと言ったら的なところはありますよね。

こちらはニーダーエスタライヒでヘーグルという生産者が作るワインだそうです。

大田黒さんはこちらの生産者さん、とてもストイックな方なのだと言います。

ニーダーエスタライヒの中にWachau(ヴァッハウ)という渓谷沿いに広がる産地があって

多くの生産者が川に面した斜面でブドウを作っています。

そんな中ヘーグルさんは川沿いから離れたしかも寒いアルプス山脈側でブドウを育てているのだそう。

辺鄙なところでブドウを育てる理由はよりドライで繊細なスタイルのワインを造りたいからなんだそう。

こちらのヘーグルさんの醸造所は世界の美しい醸造所100選にも選ばれているんだそうですよ。

行ってみたいですね。

ワインの名前の「J&G」は親子の名前が由来になっていてヨゼフ&ゲオルグという意味で

スーパーマリオのようなお父さんと爽やかな息子さんが造っているのだそうです。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

味わい

リンゴや洋ナシなどのフルーツの香りと、白いお花や白胡椒のような香り。

フルーティ過ぎず、柑橘の爽やかさと後味にやってくる春野菜にも似た苦み。

単体で飲むのももちろん美味しいわけですが、一緒に食べるもので化けるような

そんなワインだろうなと感じました。

実際に一緒に頂いたフリットと最高のペアリングだったと記憶しています

3.Wiener Gemischter satz

こちらはウィーンで造られたゲミシュターサッツ。

アルザスやドイツ、オーストリアでは昔からリスクヘッジの文化として混植混醸があったそう。

やっぱり寒い地域ではブドウの出来不出来が生活に直結しますからそういったことも影響しているのしょう。

生産者のヴィーニンガーさんはおじいちゃんからゲミシュターサッツの良さを昔から聞かされていたんだという。

でも彼は

リスクヘッジの文化から生まれたワインの作り方で最高のワインができる訳おまへん!!

と、ゲミシュターサッツをあまり良く思っていなかったのだとか。

アメリカでの修行から帰ってきたヴィーニンガーさんは

世の中は単一品種だ!!

という事でピノ・ノワールシャルドネ頑張りますってな感じの方向性でワイン造りをスタートさせました。

実際に今でも有名なのだそうなんです。(コム兄は知りませんでした…)

そんな中ニュスベルクという、ウィーン市街に臨む畑を手に入れる機会に恵まれました。

購入したのはいいものの、植わっているブドウを見るとまさかの混植。

ゲミシュターサッツだったんです。

彼にとっては最悪。

それでも単一品種でのワインを造りたい彼は、ブドウの樹を一本一本ペンキで色分けして、

別々に収穫して、別々のタンクで醸造して…

ヴィーニンガーさんの単一品種にかける思いが伝わってきますよね。

最後に残ったブドウでゲミシュターサッツを申し訳程度に造ってみたんだそう。

幼少時代におじいちゃんから言われていたことを思い出したんでしょうかね。

そしたらなんとビックリ。

ゲミシュターサッツが一番おいしいという結果になったんだそう。

その日からこれからの時代はゲミシュターサッツだ

という事で一生懸命造っていくわけです。

美味しいゲミシュターサッツが造れるとわかったヴィーニンガーさんはクオリティをどんどん上げていきました。

2013年にWiener Gemischter satz DACという法律が制定されるわけですが

そのきっかけになったのがヴィーニンガーさんなのだそうです。

ミスターゲミシュターサッツと呼ばれるようになり、ワイン業界でもとても権威のある生産者なんだそうです。

コム兄もおじいちゃんの言いつけは守りたいと思います。(なんか言ってたかな…)

奈良ワイン会オーストリア編資料より

味わい

11種類ものブドウを使っているという事でとても複雑な味わい。

熟度の異なるブドウを一気に収穫して醸造しているという事で、

青っぽさから完熟したフルーツのニュアンスまで混在している。

温度帯や時間の経過によっても様々な表情を見せてくれるようなワインだと思いました。

単一品種では出せない複雑さ、楽しさ、食事との親和性。

こちらのワインは品質がとても高いですが、まさにホイリゲに無くてなならない、

地元民にとっても無くてはならないワインなんだろうと思いました。

ホイリゲにちなんでこんな楽しい盛り合わせをお出し頂きました。

チーズはアオカビのものから左回りにブルーディ・ブッファラグリュイエール、最後の白っぽいのは朝搾乳したミルクを使った山羊のチーズでマティネ

(まどかさんチーズの情報ありがとうございます!!!!)

どれもこれも美味しくてワインも会話も止まらない、

そんな素敵な会。

奈良ワイン会最高。

4.Schilcher Hochgrail

こちらのワインはシュタイヤーマルクで生産されたワイン。

シルヒャーというのは世界一酸度の高いロゼワインのことです。

使われている品種はブラウアー・ヴィルトバッハー。

ブラウアーは青いという意味だそうです。

このブドウからは濃厚で野性的な赤ワインも造られるそうですが

粒が小さく皮が厚いたことから濃厚になりすぎて何年も寝かせないとまともに飲むことが出来ないので

早摘みをして酸のしっかりしたロゼとして造るようになったんだとか。

ふむふむ。

オーストリアのグリーンハートと呼ばれる地域で造られているそうで、360℃見渡す限り全部緑でとてもキレイな地域なんだそう。

今回のワインはホッホグレールという急斜面の畑から造られたワインなんだそうです。

一般的にロゼワインというのは酸度が低いのが特徴なんだそうです。

白ワインは酸度は高いものが多いですけど、赤ワインとロゼワインは酸を高くしにくいんだそう。

ふむふむ。

そんな中で、ドライに造られていて、なおかつアルコール度数も13%あって、酸度も高いというのは

やはり特筆すべきポイントでしょう。(ですよね?)

ちなみにどのくらいの酸度かというと、白ワインで酸が特徴の品種と言えばリースリングがあげられると思いますが

そのリースリングと同等の酸度を有しているというのには驚きを隠せません。

非常にいいバランスで造られています。

との事でした。

このワインを造っているのはラングマンさんという方で、ユーモアあふれる人柄だそうで

こんなエピソードを紹介してくれました。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

ラングマンさんは少しお腹が出ているそうで、

大田黒さんが彼のお腹をポンポンたたきながら

「結構(お腹)出てるよね」

と言ったそうです。

すると彼はオーストリアにはこんなことわざがあるぞと笑いながら教えてくれたんだそう。

「男のお腹にお肉が無いのは夜空に星が一つも無いのと同じだぞ」

と。

素敵。

きっとこんなことわざないんでしょうけど、

怒るでもなく、恥ずかしがるでもなく、

自分のお腹の肉と夜空の星を対比させるというユーモアと器の大きさと、機転の利き方。

ワインの味もそうですが、この生産者さんの人柄込みで

コム兄一発で好きになっちゃいました。

味わい

比較的濃い目の色合いのロゼワインです。

プロヴァンスよりはタヴェルかなって感じの色合い(ちゃんと表現しろ)

レモンやラズベリーのような酸味を連想させる香りにハーブっぽいグリーンなニュアンス。

お話にもあったように鮮烈な酸が印象的。

しっかりボディーで酸味もしっかり。

コム兄きっと酸っぱいワイン好きなんだと思いす。

でももしかしたら、説明を聞かずにいわゆるプロヴァンスのロゼのテンションで飲んだらビックリするかもしれませんね。

コーヒーくらいの酸味だと思ってポン酢飲んでしまったら噴き出すのと同じでしょう。(なんか違う)

出会ったことのないワインに出会うのってとても楽しいですし、

ちゃんとワインについて説明を聞きながら味わえるので

イメージとのギャップが無いから個性をすんなり受け入れられる。

改めて奈良ワイン会最高なんじゃないでしょうか。

5.Rotertraminaer Freyheit 2021

こちらのワインはブルゲンラントで造られたワイン。

使われているロータートラミナーという品種はゲビュルツトラミネールの事だそう。

ちなみにRoterはドイツ語で赤を意味するそうです。

ライチなどの華やかな香りが特徴の品種ですがこちらはアンフォラで熟成されたオレンジワイン。

生産者のハインリッヒさんが畑を始めた時は1haほどの広さしかなかったそうですが

現在は100haもの広さの畑を有しているんだそう。

まさかの100倍。

その裏話も聞かせていただきました。

もともとブルゲンラントは濃くて重たいワインが隆盛を誇っていたんだそう。

そんな中ハインリッヒさんはエレガントなワインを求めてワイン造りをスタートしました。

石灰質土壌で重たいワイン造りに向かないような

人気がなくて多くの人にとって価値のない土地を買い進めて、その結果100haにもなったんだそう。

現在は濃くて重たいヘビーなワインよりもエレガントなワインの需要が高まるにつれて

今ではものすごい価値が付いているんだとか。

先見の明がすごいですね。

ミスター先見の明。

ワイナリーもとても洗練されていて、三層のグラヴィティーフローになっているんだそう。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

果汁を送り込む際にポンプを使うと酸素と必要以上に触れてしまうため

それを防ぐためにも果汁が自重で移動させるようなシステムになっているんだそう。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

そんな細やかに造られたワインがまずいわけないんです。

そうそう、1本目のペットナットを造っているのもこのハインリッヒんさんですね。

味わい

トラミナーに代表されるような香りはほとんど見られません。

コム兄はオレンジワインについての経験が乏しく語彙も少ないため

えいじさんに香りのコメントをしていただきました。

ビターオレンジやオレンジの皮。そんな苦みを伴ったような香り。

次いでバラや生姜のようなエキゾチックな香りといったコメントもしていたように思います。(やっぱメモしなきゃだめだな)

確かにそのコメントを聞いてから実際に香りを取ってみると

混然一体となって何とも表現しにくい香りだったのが

ゆっくりと解きほぐされるようにそれぞれの要素を感じ取ることが出来ました。

経験が少ないのと、言語化できていないことも手伝って苦手意識があったオレンジワインでしたが

お陰様で小難しいイメージから脱却することが出来たように思います。

苦手意識がなくなると一気にワインの感じ方も変わったように思います。

フローラルでタンニンがあって余韻が長い。

苦手なんじゃなくて知らないだけだったんですねきっと。

知るって大切!!!

ちなみにエチケットに描かれているお花はモクレンだそうです。

こちらもまどかさんが教えてくれました。

恐竜が暮らしていた1億年前には存在していたとされ、変わらず美しい花を咲かせることから

花言葉は「持続性」。

その他にも「自然への愛」といったものもあるんですって。

このワインに込められた思いにぴったりですね。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

6.Hausmarke Solera NV

こちらはローランド・フェリヒさんがブルゲンラントで造る赤ワイン。

お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、赤ワインなのにノンヴィンテージ。

とても珍しいですね。

それもそのはずこちらのワインは

名前にもある通りシェリーにみられるソレラシステムを採用して熟成させているのだと言います。

ホントにザックリ分かりやすく言うと継ぎ足し継ぎ足しすることでワインの品質を均一にするシステム。

だから特定のヴィンテージという事ではなく、ノンヴィンテージという事になるんですね。

安定感抜群。

カンナバーロがいるときのカテナチオくらい安定感抜群。(説明省略)

やや脱線しましたがワインの話に戻ります。

こちらのワインは2020年のワインをベースに、21年、19年、18年、17年、16年、14年のワインが使われているそう。

この生産者はブラウフレンキッシュが得意だという事ですが

こちらのワインはツヴァイゲルトをメインの品種に使っているのだとか。

ツヴァイゲルトはあんまり好きじゃないけど、混ぜることでブラウフレンキッシュを面白くしてくれるのだそう。

この生産者が造るワインは固いワインが多いようですが

いくつかのヴィンテージを混ぜているからか柔らかいタッチが特徴なんだそう。

実はこのローランドさん、フェリヒ醸造所の長男で後継予定だったそうです。

しかし、彼は弟に後継を任せて醸造所を飛び出してしまします。

彼は自分が生まれ育った醸造所の濃いワインのスタイルではなくて

エレガントで、なおかつその土地の表現をできるワインを目指したい!

というのが理由だったのだそう。

ローヌやイタリアの有名生産者のもとで修業し帰国。

そして彼は間借りした畑と、間借りした醸造所でワイン造りを始めます。

当時はまだ濃いワインが流行っていたので、いろんな人に叩かれたそう。

そんな中、コペンハーゲンにあるノーマというお店(世界のベストレストランで5回も1位を獲得した名店)でフルラインナップでオンリストされ

その当時からエレガントな嗜好の方には響くようなワイン造りをされていたといいます。

間借りした畑から始まった彼のワイン造りですが、現在では自分の畑や醸造所をもってワインを造っているそうです。

ミスター信念とでも言いましょうか。

今から遡る事200年ほど前、かつてオーストリアハンガリー帝国時代にブルゲンラントから素晴らしいワインが造られていたそうで、アメリカなんかにも輸出されていた時代があったそうです。

彼はその当時の名声を取り戻すべく、土地の個性を表現されたワイン造りを目指しMORICというプロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクト名がワインの名前になっているんだそうです。

志のスケールが半端ねぇです。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

味わい

この辺りに来ますと、メモを取っていないことをガチめに後悔いたします。

うろ覚えですが、洗練されつつも素朴な印象だったように思います。

チェリーのような酸味や熟したダークチェリーのような熟度も多層的に感じられます。

バニラや熟成を思わせるキノコやなめし皮のようなニュアンス。

柔らかくて滑らかでアーシーな感じが素朴さを演出しているのかもしれません。

きっとソレラシステムの効果なんじゃないかと推察されますが、

その情報に引っ張られてそう感じただけかもしれません・・・

とはいえ、パーカーポイントに翻弄された多くの生産者たち(濃いワイン)と真逆に価値を求め

その土地らしさを表現しようとした結果なんだと思います。

ボルドーやスーパータスカン、ブルゴーニュのマネなんかしなくてもいい。

ブルゲンラントらしさを表現するんだ!!

そんなメッセージが伝わってくるようでした。

そのためのブレンドであり、そのためのソレラシステム。

すべては土地らしさの表現のため。

郷土愛に乾杯です。

なんて言うてますけど、全く違うコンセプトだったらマジでごめんなさい。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

こちらは一緒に頂いたグーラッシュ

柔らかく煮込まれたお肉とパプリカの効いた味わいがワインにぴったり。

純日本人で顔デカめコム兄にとってはどう考えても家庭的な味では無いはずなんですが

なんか家庭的で素朴で力強い、そんなお料理でありペアリングだったように思います。

本当に最高。

7.スペシャルワイン(Rudolf Fürst Spätburgunder Tradition 2020)

奈良ワイン会オーストリア編資料より

この日は大田黒さんとえいじさんからの企画でプチブラインド大会が行われました。

優勝者には豪華景品もあるという事で、舌馬鹿、鼻アホで有名なコム兄も勇気を振り絞って挑戦してみました。(全員参加だよ!)

いくつか設問がありそれぞれに選択肢があって

正しいものを選んでいた人が次の設問への挑戦権を得られるというような

ビギナーでも比較的参加しやすいゲームだったように思います。

設問と選択肢は次の通り。

①どこの国のワインでしょう

  1. オーストリア
  2. ドイツ
  3. ハンガリー
  4. フランス

②品種は何でしょう

  1. ピノ・ノワール
  2. ゲミシュターサッツ(赤)
  3. ポルトギーザー
  4. ガメイ

③ヴィンテージ

  1. 2018
  2. 2019
  3. 2020
  4. 2021

まず色調は比較的淡いワインでした。

香りはコム兄が好きな香り。

オーストリアがテーマだし、オーストリアかな?なんて思ったりしたけど

ドイツを選択。

品種もピノかガメイで迷ったけど

ピノ・ノワールを選択。

ヴィンテージも2018は暑かったとかそんな情報を参考にしつつ

果実味とタンニンの具合から推測して2020年を選択。

めっちゃ美味しいワインなのに、どんなワインなのか分析している間に無くなってしまい

あんまり味わうことが出来ませんでした。

テイスティングスキルをもっと向上させたいもんです。

でも、奇跡が起きました。

選択肢があったお陰というのが大きいですが、

一つ一つ要素に注目して分析することが出来たので何とか全問正解。

こちらがその時のワイン。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

見事豪華景品をゲットすることが出来ました。

ちなみに景品はヘレンベルガー・ホーフさんのロゴが入ったグラス用クロス。

めっちゃ嬉しい!!!!!!

お恥ずかしい話ですが初めてブラインドで正解にたどり着けました。

ソムリエ試験の時には必殺中間点狙いの合格だけを狙う作戦だったし、

資格取得以降も、そんなコム兄に分かるわけないって決めつけちゃってたからほとんど思考停止状態。

本当に情けないソムリエでございます。

この成功体験をこの時だけのものにせず、しっかりと脳でテイスティングできるイケオジになりたいと思います。

そうそう、なぜブラインドでこのワインを出されたのかというのにも理由がありました。

この日ゲストとして参戦されていた大田黒さんですが

4月からドイツにあるフュルスト醸造所に1年間研修に行くことが決まっての事だと言います。

奈良ワイン会オーストリア編資料より

フュルストを自分のものにして(細部まで理解をして)今まで以上に営業に熱を入れていきたいという動機からだと言います。

カッコいいですねぇ!

奥様も小さいお子さんも連れての滞在という事のようで、きっと大変なことも沢山あるんだろうと思いますがコム兄も陰ながら応援させていただきたいなと思います。

インスタでライブ配信もされる予定のようですので、気になる方は要チェックですね

Masa-taguro まさたぐろ(@tagmassa) • Instagram写真と動画

スペシャルワイン番外編

この日はスペシャルワインが2本もありました。

1本はえいじさんからで、ヴィーニンガーさんのゲミシュターサッツのええやつ。

言い方がやらしかったですね。

ごめんなさい。

上級キュベどころかトップキュベを振舞ってくださいました。(キュベキュベうるさい)

「コム兄は前にも飲んでるから今日は無しね」

なんて言いつつもしっかりコム兄にもサーヴしてくれる優しいえいじさん。

素敵です。

爽やかで声もいいし、ユーモアもあるし、その上ディプロマですからね。

たまらんっす。

こちらを紹介した時の記事も貼り付けておきますのでどんなワインか気になる方は読んでみて下さいね。

そしてもう1本は1985年のリースリング。

こちらのワインなんとコム兄の先輩です。

ワインは熟成していくにつれて色が濃くなっていく

なんて書籍で読んだことがありますが、ほんとなんですね(なんともアホっぽいコメントで恐縮)

うっすらとぺトロール香のヴェールに包まれていたかと思うと

グラスをひと回しふた回しするにつれてヴェールの印象は和らいでいき、

まだまだ現役でっせーと言わんばかりの活き活きとした酸と蜜を伴ったリンゴに蜂蜜をマシマシしちゃったような味わい。

でもべたつくような甘さではなくて、酸がしっかり残っているから素晴らしいバランス。

好き。

っていうかコム兄にとっては高嶺の高嶺の、もう一つおまけに高嶺の花子さん。(何言ってんの)

語彙が乏しくて本当に申し訳ないんですけど、これやべぇしか言ってなかった気がします。

本当に貴重な体験をさせていただきました。

田口さん本当にありがとうございました。

というかいつもありがとうございます。

最後に

いかがでしたでしょうか。

オーストリアについて理解が深まったんじゃないでしょうか。

なに?コム兄の余計なコメントのせいで全然入ってこなかったですって?

それはもう、あの、ごめんなさい。

今回は初めましての方も含む4人でテーブルを囲んで楽しませていただきました。

みんなソムリエ資格持ってるし、4人中2人は酒Diplomaでもあり、

現在WSET Lv.3を受講中という何ともレベル激しめ。

あのスクールはクセが強いとか、リモートで受講しているとか

とても大変そうでした。

でもスクールに通った事すらないコム兄は少し憧れたりもします。

中にはヘレンベルガーホーフの(社長さんの)ファンという方もいらっしゃって、

思いの詰まったエピソードやきゃぴきゃぴした笑顔。

ラインナップの写真を撮るのかと思いきや、

コム兄が景品でいただいたヘレンベルガーホーフのロゴ入りのグラス用のクロスの撮影を始めるくらいにヘレンベルガーホーフ(の社長?)に夢中。

といった方もいらっしゃいました。

推しがいるって尊いです。

改めて、今回も本当に多くの学びの機会になりました。

ワインって本当に教本読んだだけでは分からないですよねほんとに。

何ならコム兄はドイツとひとくくりにしていましたからね。

こんな素晴らしい環境にいられることに感謝して次回も謹んで参加させていただきたいと思います。

奈良ワイン会マジでやばいですよ。

次回のテーマは気候とワイン

昨今温暖化が叫ばれていますがどんなお話が聞けるのか、どんなワインに出会えるのか、どんな味わいを見つけることが出来るのか。

今から楽しみで仕方がありません。

皆さんも要チェックですよ!!!

ではまたっっ!!

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