皆さんこんにちは。
冬とは思えないほど温かい日が続いたり、急に10年に一度の寒波が来たりしていますが、皆さん体調はいかがでしょうか。
インフルエンザが猛威を振るい、警報級の地域も増えてきているようですからお互いに気を付けたいところですね。
さて、今回紹介させていただきますのは偉大なるブルゴーニュの世界。
先月の奈良ワイン会で「ブルゴーニュを諦めないで」という内容の紹介記事を書かせていただきました。
その記事ではまだまだ手の届くブルゴーニュにフォーカスして紹介してまいりましたが、
今回は幸運なことに自力では飲めないくらい素晴らしいワインを味わう機会を頂戴しましたので記していきたいと思います。
一度はコム兄ごときの陳腐な言葉で表現するのが申し訳なさ過ぎて筆を置いたわけですが
(それで更新が遅くなりました)
でもでもうまく表現できないのも、うまく感じ取れないのも含めて現在のコム兄の現在地という事で
今後の自分のためにも備忘録として残しておこうと考えた次第であります。
当日もメモがメモの意味をなさない感じがいたしましたので途中からメモる事すら放棄してしまったので
写真を頼りに思い出すという事になりますので思い違いや勘違いもあるかもしれませんが恥を忍んで書いていこうと思います。
それでは早速いってみましょう。
いざ深淵なるブルゴーニュの世界へ。
ちぇけら。
舞台はコートドール
今回の偉大なワインを味わう舞台はJR奈良駅直結のビルの1階に佇むワインバー。
その名もラ・コート・ドール。
コート・ドールといえば、地球を代表するようなワインを産出するフランス・ブルゴーニュ地方の生産地。
その名を冠したお店という事でこれ以上相応しい場所はないですね。
約束の時間の少し前に到着いたしますと主催者の田口さんがシャッターの閉められたお店の前でポツンと待っておられました。
聞くところによると今回の会のために他のお客さんが来ないようにするためにシャッターを閉めて準備を進めてくださっているとの事でした。
この日はなんか急に寒くなった日で武者震いも手伝ってかぶるぶる震えながら待っていた気がします。
それくらい素晴らしいラインナップのワインが待っているわけでございます。
お席に案内されましたら、役に立つか分からないけど一応メモ帳を準備。
いよいよ始まるなーって感じでニヤニヤが止まりません。
ちなみに本日の参加者はこちら。
田口さん(主催者)
さくちゃんさん
コム兄
以上の5名でございます。
まずは偉大なブルゴーニュの世界に踏み入れる前にシャンパーニュで乾杯でございます。
こちらは乾杯の準備を進めてくださっているの図。
乾杯
まず頂きましたのはこちら。
Louis Roderer Collection 242
ルイ・ロデレールといえば「世界で最も称賛されるシャンパーニュ・ブランド」に4年連続で1位に選ばれ、
名実ともに世界一のシャンパーニュメゾンなんだそうです。
いやぁ、たまりませんね。
ということで無事に始まり始まりでございます。
コム兄はコレクションになる以前のプルミエクリュとかのバージョンも含めても初めて飲んだんですけど、
えいじさんや田口さん曰く、以前のものは綺麗に造っているなという印象だったのが
力強さが加わって品質が向上したと思いますとの事でした。
コム兄は細かいことはよくわかりませんがとっても美味しいシャンパーニュでした。
さすがは世界一。
スタートから素晴らしいシャンパーニュで幸せでございます。
店主からは2皿目に合わせてるからシャンパーニュは大事に少しずつ飲んでねと口添えを頂きました。
美味しすぎて飲み干す勢いだったので忠告感謝いたします。
お料理紹介
幸せ過ぎて浮かれておりますが提供されましたお料理もしっかりと紹介していこうと思います。
写真が上手に撮れていない点についてはご容赦くださいね(いつもの事やないかいw)
アミューズ
生ハムのブルスケッタ
中心までガリガリとしたタイプではなく表面サクサク系で中心にはフワッとした部分もあって食べやすいバゲットに
生ハム、トマト、モッツァレラ、キウイがバゲットの上にひしめき合っていて、
その上にひと際目立つ鮮やかなバジルの葉が添えられています。
シャンパーニュと合わせると塩気、甘み、酸味などの要素が引き立てられてとっても美味しい。
パンの香りとシャンパーニュの酵母感も相まって至福の余韻に
最後にバジルの香りが爽やかに吹き抜けていきます。
素敵な仲間と素敵な料理、素敵なワインを楽しむ。
何とも贅沢な時間であります。
とか何とかそれっぽい事言うておりますがキウイを使うという発想がコム兄にはなかったので
定番のお料理の中にも新鮮さがあって嬉しくなってるコム兄なのでした。
1皿目のお料理
天使の海老と野菜のグリル
頭の先からしっぽの先まで見事なまでに香ばしく焼き上げられた海老さん。
立ち上る甲殻類独特の香ばしさとプリプリと歯切れのいい食感がたまりません。
シンプルにグリルされた野菜にはバルサミコが添えられていて野菜の甘みが引き立っています。
海老の香ばしさも野菜の優しい甘みもバルサミコの熟成された酸味をも優しく受け止めてくれるシャンパーニュ。
まさに天使のようなペアリングでございました。
2皿目のお料理
天然の鯛と白子のポワレ
表面をカリッと焼き上げれてカリフワな鯛と香ばしクリーミーな白子さん。
白ワインの軽やかなソースにトマトのコンカッセ(角切り)が添えられております。
軽やかなソースとトマトの優しい酸味が調和してとっても美味い。
こちらのお料理のためにシャンパーニュをグビッと飲み干すのを我慢してよかったです。
綺麗なシャンパーニュの酸味が濃厚気味になっている口内をリフレッシュしてくれてとっても心地よかったです。
ほのかな苦みも良いのよね。
ありがとうございます。
本日のメインイベント
今回のワイン会は銘柄を事前に明かしたうえで、どれがどのワインか分からないようにブラインドで提供し、
それぞれの地域や畑の特徴を舌の上で確認し理解を深めようといった主旨。
勉強会的なノーヒントのブラインドでもなければ、情報をすべて開示されてただ楽しむだけのワイン会でもない。
これは経験値が上がってしまいそうな予感しかしません。
今のこのご時世にブルゴーニュだけの、しかもすべて1er Cruの比較という何とも高貴であり
神々の戯れのような会なのでございます。
しかもコム兄が結婚した11年と長女が生まれた12年という思い入れの強いヴィンテージ(誰が興味あんねん)
コム兄にとっては踏み入れてはいけない、
開けてはいけない扉に手をかけてしまったかもしれない。
そんな境地。
今日を境に
これまでの人生には戻れないかもしれないんじゃないか
という不安すらあります。
本題に入る前にお料理を頂いたりシャンパーニュを飲みながら
デスマフィンの話題やそれぞれの出身地について雑談しておりましたが
それらの話題が頭に入ってこないほどにこの比較が気になって仕方がなかったわけです。
そりゃあ武者震いだって止まらなくなるわけですよ。
(ただ寒かっただけかもw)
とはいえコム兄が議論を交わせる程の知識も経験も持ち合わせているはずがなく
深淵なるブルゴーニュの世界の一端を味わって、皆さんが話している内容を最前列で鑑賞させて頂くような会になりました。
つまりはいつも通りヘラヘラしながら美味しい美味しいと言って飲んでいただけなんですが・・・。
有名どころのワインが登場してくるわけですが、ろくに言語化もできませんので気楽に読み進めていただければ幸いです。
ラインナップ紹介
という事で改めて本日のワインナップの紹介。
写真右側から
Domaine Frédéric Esmonin/ Gevrey-Chambertin 1er Cru ’Estournelles Saint Jacques’2011
写真中央
Domaine B.Serveau & Fils/ Chambolle-Musigny 1er Cru ‘Les Chabiots’2012
写真左
Louis Jadot/ Vosne-Romanee 1er Cru’Les Suchots’2012
泣く子も黙るラインナップなわけですがコム兄の嬉しそうな笑顔の奥に潜んだ
こんなん分かる訳ねーだろ顔(どんな顔だよ)
を察したドードーさんが自然と救いの手を差し伸べてくださったのでした。
「それぞれの特徴を確認してもいいですか?」
そうそう、そういうの大事!
これまで秘密結社の重要な会議にでも紛れ込んでしまったと思うくらいに
場違いさを感じていたコム兄でしたがこの一言のお陰で
分かんないことは分かんないって言ってもいいんだ
と、やや気持ちを落ち着かせることが出来ました。
本当にありがとうございます。
この質問に「特徴は分からん」と言いつつ、優しくかつ簡潔に説明してくださったのが主催者の田口さんでした。
「男性的と例えられるのがジュヴレで、女性的と例えられるのがシャンボール。様々な要素が球体のように感じられるのがヴォーヌ・ロマネかなと一般的にはよく言われるところですね」
「ヴィンテージを完全に揃えられなかったのが残念なんですが、まずは情報にとらわれずに香りを嗅いで味わってみましょう。」
という事でレッツテイスティングでございます。
どのグラスが何番のワインなのか迷子にならないようにテイスティングの時によく用いられるシートというかマットというかを用意いただいたわけなんですが
ワイングラスが大きすぎて枠に収まらないという事態に。
それでも2番のグラスの種類を変えるという店主様の細やかな配慮のお陰で迷子にならずに済んだのであります。
まずはそれぞれの外観をチェックしてまいりましょう。
ワインNo,1
3つのワインの中では一番濃い色調だったでしょうか。
これがエリアの違いなのか、作り手の違いなのか、ヴィンテージの違いからくるものなのかはコム兄には分かるはずもありません。
という事でサクサク参りたいと思います
ワインNo,2
外観はこんな感じ。
香りを嗅いだ第一印象は「おや?」といった感じ。
ハッキリとしたものに遭遇したことはなかったのですが、これがもしかしてブショネと呼ばれるものなのかしらといった感じでした。
恐る恐る飲んでみると果実味も感じることが出来たので、違うのかな?なんて思ったり。
コム兄には分からないので評価は皆さんにお任せしようという事で次に参ります。
ワインNo,3
香りがとっても華やかで美味しいという事実がそこにはあるんですが、何とも表現しにくいワインだなぁという印象。
ワインの存在感に圧倒されるといった方がいいんでしょうか。
なんというか味わいというよりも余韻の方が味が濃いというかボリュームを感じやすいっていうか、
そんな不思議なワインだったように思います。
詳しい事はコム兄には分かりませんので皆さんのコメントを待ちたいと思います。
議論開始
一通り皆さんがテイスティングが済んだ後に田口さんが情報を追加してくださいました。
「よく言われるのがシャンボールは赤系果実、甘やかさや酸味。」
「ジュヴレはちょっと黒系果実が多めで鉄っぽいニュアンスが出やすいと言われたりもします。」
「ヴォーヌ・ロマネは両方あるけど赤系果実が結構多めな印象です。それ以外の特徴っていうと中々難しいですけど、色んな要素がある中での球体というのがまさに特徴なのでしょう。」
ふむふむ。
シャンボールがなぜ女性的と例えられるのか理由が何となく分かる気も致しますね。
ジュヴレに関してはタンニンがあって強いイメージがありましたが、それ以外にも男性的と例えられるのには理由があったんですね。
面白いぜ。
ヴォーヌロマネに関しては何かが突出しているわけではなく、高いレベルで調和がとれているという事なんでしょうか。
分かるようで分からない。
というか言葉にするのが難しい。
ヴォーヌロマネに出やすい特徴として「昆布だしとか、磯っぽい香りがするなんてことも言われるみたいですね」
なんてことも仰っていたように思います。
まじか。
おもろすぎるな。
というか何を聞いても
へぇー!
が止まらないのと、ただただ美味い。
2番だけ本調子じゃないのかなというコンディションでしたが、
1,3番に関してはどれだかわからないけどただただ美味い(何回言うねん)
手探りというか当てずっぽうですが田口さんの追加情報を照らし合わせたうえでのコム兄の第一印象としては
1番がジュヴレで2番がシャンボールで3番がヴォーヌ・ロマネかなといった感じ。
もしかしたらボトルがその順番に並んでいたからそう感じただけかもしれません。(影響されやすいタイプw)
皆さんの第一印象を聞くと1番がシャンボールで3番がジュヴレと仰っていて、
自分の考察がかすりもしなくて恥ずかしくなったので一生黙っておこうと決心したコム兄なのでした。
田口さんがさらに理解を深めるためにブルゴーニュ地方の畑の位置や斜面に関しても書いてある本を持参くださって
今味わっているワインに使われたブドウがどんな所で育ったのかを解説してくださいました。
ここが丘になっていて斜面の中腹辺りにグラン・クリュがあって
とか、
ここは谷になっていてこの辺りを風が抜けるので出来るワインは酸が引き締まった印象
とか、
この辺りは平坦な畑で比較的ボテッとした印象の仕上がりになる事が多いです。
といったようにエリアごとに丁寧に教えていただきました。
今までは正直畑ごととか生産者ごとの特徴なんて言われても全く分からない世界だったわけですけど、
丁寧に解説頂きながら、しかも実際に味わいながら照らし合わせることで
コム兄みたいなもんでも”理解した”とは言えないにしても、若干解像度は上がったんじゃないかなと思います。
プルミエだけどグラン・クリュ扱いされているような畑があるよ
とか、知らん事ばっかり聞けたので本当に面白かった。
そりゃ皆畑単位だったり生産者単位で会話するわけだわ。
斜面大事だし、面している方角大事だし、ヴィンテージも造り手さんの個性も、樹齢も大事ってことが分かりました。(今更w)
正解発表
脳みその構造上ブラインドでは正しくワインを楽しめない
という情報をえいじさんから頂きましたので、
せっかくの素晴らしいワインを楽しむためにも正解発表をしていただく事になりました。
ちなみに生産者の傾向とかヴィンテージの情報なんかも加味して参加者全員で相談しながら決めた感じだと
さっきも言っていたように1番がシャンボール、
2番は残念ながらブショネでしたがヴォーヌ・ロマネ、
3番がジュヴレなんじゃないかという事になっておりました。
正解は
1番がジュヴレ
2番がシャンボール
3番がヴォーヌロマネ
という結果となりました。
ブラインド難しいbutワインは楽しい。
3品目のお料理
ワインに含まれる要素を分解して分析する作業が
銘柄を明かされることで終わり、単純に楽しめる時間になったところで鴨肉のお料理が運ばれて参りました。
やっぱりピノには鴨ですねぇ。
マグレ・ド・カナール(フォアグラをつくるために肥育された鴨)だったと思います。
美味い美味い。
えらいもんで分析タイムが終わったとたんにワインの表情が変わったように感じました。
例えるならぶつ切りにして探っていた要素が溶け合ったかのように一段と華やかで美味しくなったような。
果物や花などの映像しか思い浮かばなかったイメージが、
まるでグラスの中で舞踏会が繰り広げられているような、
幾重にも重なるハーモニーを奏でる演奏を堪能しているかのように、
とても滑らかで芸術的な液体に昇華したように思いました。
脳みその構造上って仰っていましたが、なるほどなぁーって思うとともに実感いたしました。
スキルアップのためのブラインドは大事かもしれませんが
美味しいワインの時こそ情報を公開して造り手さんや産地に思いを馳せながら
楽しく飲みたいなと改めて思いました(勝手にせいw)
代打ヴォルネイ
田口さんがさすがなのは、万が一ワインのコンディションが良くなかった場合の為に
予備のワインを持参くださっていたという事。
畑の解説のための本やもしものためのピンチヒッターのワインなど
指が引きちぎれるほどの荷物を持参されるホスピタリティには本当に感謝しかありません。
という事で残念ながらコンディション不良のシャンボールの代わりにと開けてくださったのがこちらのワイン。
Domaine de la Pousse d’Or/Volnay 1er Cru ‘Clos des 60 Ouvrees’2012
所有する畑のほとんどが特級畑と一級畑が占めるというプースドールが手掛けるモノポール。
なんか知らないカタカナの単語ばっかりで勘弁してよ
っていう方のためにモノポールという単語をchatGPTの力を借りまして説明させていただこうと思います。
モノポールとは
特定の畑を一つの生産者が独占的に所有していることを意味します。
承知の通りワインの世界では畑の土壌や気候などの条件がワインの品質に大きく影響します。
そのため優れた畑は多くの生産者が所有権を争います。
モノポールの畑はそのような優れた畑の多くを占めています。
そのためモノポールのワインは高品質で希少価値が高いことから高価で取引されています。
例えばフランスのブルゴーニュ地方にはロマネ・コンティやラ・ターシュなどの有名なモノポールの畑があります。
これらの畑で造られるワインは世界最高峰のワインとして知られています。
ということで要約しますとモノポールは以下のような特徴になるかと思います。
* 特定の畑を一つの生産者が独占的に所有している
* 優れた畑の多くを占めている
* 高品質で希少価値が高い
* 高価で取引されている
外観
これから味わおうというワインがどれだけ希少で素晴らしいワインなのかなんとなくでもお分かりいただけたのではないでしょうか。
という事で外観から見てまいりましょう。
こちらのワインのコンディションがまた素晴らしいのなんのって。
また田口さんがオシャレなのが
「シャンボールの代わりにヴォルネイ。良いじゃないですか。」
なんて言ったりして。
なんかもう凄すぎてバグってしまいます。
60ウーヴレについてですがこんな感じで仰っていたように思います。
ヴォルネイはグランクリュの区画は無いものの、半分以上が1erクリュに指定される優良な産地として知られていて
そんな中でも頭一つ抜き出た評価を得ている区画としてカイユレがあげられます。
そんな評価の高いカイユレの中でも上部に位置するクロデ60(スワサント)ウーヴレと呼ばれる、特に優れた区画からとれたブドウから造られたワイン
なのだそう。
それにしてもこのワインの開き方というか、コンディションの良さが凄かった。
もしかしたら香りを取る前に銘柄というか情報を開示頂いたからかもしれませんが。
いやぁ、本当に美味しい。
ブルゴーニュっていうと開く開かない問題があったりして、完全な状態に出会うことが中々難しいなんて言うことも言われたりしますが、
なんというか滋味深くて人のぬくもりをじんわりと感じるようなそんな素晴らしい、美味しいワインでした。
完全ブラインドお楽しみワイン2種
会費的にはここまでのラインナップでも既にオーバーしちゃっている会なわけですが、
さらにお楽しみワインを2本も用意くださっていたのでした。
こちらの2種に関しては完全にブラインドで提供され
みんなでディスカッションして正解にたどり着こうではありませんか。
という趣旨。
これまたコム兄は見当もつきませんので、時々
やばい
とか
美味い
とか
これヤバいな
といったように狂ったように同じ様な事ばっかり発しておりました。
音飛びするCDかよ(世代w)
それにしてもとんでもないグラスで登場して雰囲気からしてとんでもなさが溢れだしているワインの登場。
お楽しみAがこちら。
外観は褐色がかっている感じ。
大ぶりのグラスだったことと、まずはスワリングもしないままの状態で香りを取りましたので
まだはっきりとしたものは捉えられません。
ただ、こもっているような静けさの中には新鮮な果実やフレッシュなお花とは違って熟成のニュアンスが感じられます。
果実味とは違うような、なんとも言えない甘やかなような雰囲気も感じられたように思います。
これから開いてどんな表情を見せてくれるのか楽しみであります。
続きましてお楽しみBがこちら。
こちらはオレンジがかっているものの輝いていて生命力を感じるような外観。
まずは先ほど同様スワリングもしない状態で嗅いでみる事に。
こちらも同様穏やかな印象でした。
ただ穏やかながらも色んな香りが詰まっているなって感じ(さっきも同じこと言ってたw)
恐る恐る口に含んでみると両方すんごいの。
香りから感じられた静けさというか穏やかさとは一転してとんでもないボリュームで口中を襲ってきます。
なんていうかデカいんですよ。
広がりが凄いからそう感じるのかもしれません。
Aの方に感じるのは
円熟した丸みと妖艶さと凄み。
Bのワインに関しては、
すでに超絶美味しいんだけどまだ熟成のポテンシャルを秘めているような味わいで
まだ強さがあると言っていたような気がします。
もう少し置いておくとエキス転嫁?されてきて甘やかな印象になるんだとか。
そんな世界があるんですね。
ブルゴーニュのジャスト飲み頃を味わったことのないコム兄には正直なんかよくわかりませんが
どちらも超絶美味しかった。
口の中に鼻が出来たかと思うくらい味わいだけじゃなくて口の中でも香りがするっていうんですかね。
上手く言語化できませんので割愛しますが余韻もすごく長くて。
その余韻が残ったまま香りを嗅いでみると、先ほどの静けさとは一転して爆発的に香る芳香。
余韻が香りをブーストさせて、それによって味わいのボリュームも格段に大きくなっていくような。
無限状態。
これが花束でぶっ叩かれたようなって事なんでしょうかね。
でももっと品がある印象な気もして。
言葉にできないもどかしさ。
でも美味いからそれでいいやってなる。
きっとすげぇワインだぞこれ。
紅茶とか、腐葉土とか一般的に用いられる言葉を当てはめられる気もするけど
そんなんで片づけちゃいけないような気もして。
甘やかで官能的で・・・
なんなの?
っていうくらいに幸せ。
何ていうかスーパー美味い(語彙)
セレブたちがこういったワインをコレクションしたくなる気持ちが何となく分かった気がいたしました。
お楽しみワインと聞いていたのでおまけ的なポジションもしくは〆シャンかな?くらいに思っていたんですが
なんのなんの。
発狂するレベルのヤバいワイン。
本当にありがとうございます。
最後のお料理
偉大なワインを永遠にクンクンして悦に入っておりますとお料理が運ばれて参りました。
さっきの鴨の料理で終わりだと思っていたからとっても嬉しかったです。
こちらも王道中の王道。
ブッフ・ブルギニョン(牛肉の赤ワイン煮込み)でございます。
まずもってソースのツヤがきれい。
煮込みすぎず程よい肉感が残っていて噛むほどに旨味が溢れだしてくる感じがたまらない。
添えられた芋のピューレも美味い。
丁寧な仕事が透けて見えるようです。
定番中の定番のお料理だがけど、やはりクラシックは美しい。
熟成して円熟した甘美なワインととても良い組み合わせでございました。
お楽しみワイン考察
どちらのワインも刻一刻と香りの表情が変わり
グラスの中に吸い込まれてしまうんじゃないか
という感覚すら抱かせる妖艶なワインですが、
地域はどのあたりなのか、ヴィンテージはそれぞれ何年くらいなのか推察してみようという話に。
「飲んだことはないんですけどね」と前置きを置いたうえでえいじさんが考察を披露してくださいました。
Aの方は充実感があるしシッカリ熟成した果実感が乗っている感じで言うとエシェゾーかコルトンなんじゃないか。
Bはまだ完全な飲み頃じゃなくて味わいは若いんですけど香りのボリュームが凄い。
それらを総合して考えると飲んだことないけどもしかしたらこれがミュジニーなんじゃないか。
熟成したミュジニーはこうなるんじゃないか、こうなってほしいというイメージに近いものをこのワインから感じられますね。
飲んだことが無いのに分析したうえで候補がすぐに出てくるのがヤバい。
コム兄なんて飲んだことるワインでも忘れてしまっているほうが多いですからね。
他にも年代はどのあたりだと思う?なんていう議論もされていたようですが、
コム兄はその話題にも入っていくことが出来ず、ただただ大きなグラスから漂う香りを嗅いでいたのでした。
お楽しみワインの正体
という事で正解発表。
お楽しみワインAはこちら。
Domaine Comte Georges De Vogue/Chambolle-Musigny 1er cru 1996
生産者は田口さんが大好きなヴォギュエさん。
実はこちらのワインですが「プルミエ・クリュ」と記載されているものの
区画はグラン・クリュであるミュジニーで、その中の若木のブドウから造られたワインなのだそう。
なので、樹齢は若いものの、実質グランクリュという事になります。
小型版ミュジニーってとこでしょうか。
ヤバいやん。
お次はお楽しみワインB。
Maison Joseph Drouhin/Musigny Grand cru 1996
先ほどのAは若木から造られた小型版ミュジニーでしたが、こちらは正真正銘のミュジニー。
という事でミュジニーの水平飲み比べという何とも高貴な飲み比べとなりました。
同じ畑で、同じヴィンテージで、違うのは生産者と樹齢。
こんなにも熟成のピークも感じるニュアンスも違ってくるもんなんですね。
めちゃくちゃ面白い。
Aは若い木から造られているから熟成のピークを早く迎えたという事なんでしょうか。
一方でBは今飲んでも充分おいしいけどまだまだ寝かせてられる、飲み頃が長いワインだ
ってどなたかが言っていたように思いますがこれが本来のミュジニーのポテンシャルという事なんでしょうか。
それが分かっているからこそヴォギュエさんはグラン・クリュとしては造らず、格を下げてリリースしているという事なんでしょうか。
いったい彼らは何年後を見据えてワインを造っているのだろうか。
この日は初めに飲んだシャンパーニュを除いて全て同じ品種で、少し乱暴な言い方をすれば同じ地方なのに
こんなにバリエーションがあって、それぞれに個性があって・・・。
本当に素晴らしい世界を堪能させていただきました。
改めて畑の地図を見ながら解説頂きましたが、
ブドウを作るのにあまり適していないような所に住宅ができているんじゃないか、
畑先行で出来た集落なんじゃないかと思いました。
ワインを生み出すブドウを育てるためだけに存在しているかのようなエリアなんじゃないかとも思いました。
違うかもしれませんが。
本当に素晴らしいワインを生み出して下さってありがとう。
そして何よりこんな素晴らしい会に呼んでくださってありがとうございます。
最初の3つの飲み比べもとっても素晴らしいワインたちでしたが
それすら霞んでしまうほどのお楽しみワイン。
圧倒的なヒエラルキーが存在するのがブルゴーニュだという事を身をもって体感させていただいた気がしました。
食後のデザート
「デザートはワインの味を壊してしまうかもしれないのでもうワイン飲まないっていう方からお出しします」
というお店の方からの配慮があり、
そのお言葉に甘えまくってゆっくりゆっくりワインを楽しんだので
デザートを頂いたのは終電ギリギリになってしまいました。
むしろ逃していました。
バナナのブリュレ
キャラメリゼされてパリッとした食感と香ばしさ、滑らかでねっとりした口当たりと鼻から抜けるバナナの香り。
美味しいけど確かに個性が強いので”今日のワインのラインナップでは壊れてしまう”というのも納得のデザート。
このワイン会が開催されたのがボージョレヌーボーが解禁されて数日後という時期だったので
そのあたりに向けてつくられたデザートなのかもしれませんね。
それにしても美味しかったです。
遅くまでありがとうございました。
最後に
いかがでしたでしょうか。
グラン・ヴァン(偉大なワイン)とはよく言ったもので、そんな偉大なワインの世界を堪能させていただいたおかげで無事にJR線の終電を逃したコム兄でございました。
10キロほど徒歩での帰宅を覚悟したコム兄でしたが
一応念のためもう一度調べてみたら1キロほど歩かなければいけませんが
近鉄からならなんとか間に合いそうという事で難を逃れることが出来ました。
悪あがきしてよかった。
という至極ローカルで誰も興味ないコム兄の帰宅事情は置いといたとして
本当に素晴らしいワインの数々を堪能させていただきました。
生きている間にこんな経験ができるとは思っておりませんでしたので正直処理が追いついてないですが
まさに筆舌に尽くしがたい体験でございました。
もっともっと精進してとらえきれなかったであろう味わいも堪能できるような大人になりたいなと思いました。
一生叶わないかもしれませんがね。
楽しく飲むことも忘れずにコム兄らしく一歩一歩ボチボチと。
そんなコム兄と飲みたいぜっていう方がいらっしゃったらとても嬉しいです。
あなたと乾杯できる日を楽しみにしていますね。
ではまたっっ!!!
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