【猟師コム兄の狩猟記】season.2 イノシシ捕獲の挑戦とその裏話

コム兄と猟師

みなさんこんにちは。

祝日がない事で社会人を絶望させることでおなじみの6月。

いかがお過ごしでしょうか。

梅雨入りも間近に迫っているようで鬱陶しさに拍車がかかってスパークリングワインが捗りそうです。

さて、早いもので2年目の猟期が終わって2か月余り。

まとめよう、まとめようと思いつつ気が付けばこの始末。

別に忙しかったわけでもないんですが中々進まなかったんです。

そう、シンプルにやる気の問題ですw(おい!)

コム兄狩猟ファンの皆様大変お待たせいたしました。(そんな人いねぇし、別に待ってねぇよ。)

ちなみにルーキーハンターだったコム兄の奮闘記はこちら。

罠を作るのも、仕掛けるのも、そもそもポイントを探すにしても

何をするにも初めてだった事を思えば鹿6頭、イノシシ1頭というのは頑張った方なんじゃないかと思います。

2年目に突入した今期は気持ちの余裕が生れたからか木から木へ移り渡るリスを目視出来たりしています。

去年の経験を生かして成果を上回るのはもちろんのことですが

調子に乗ってケガなどしないように気を付けたいと思います。

そうそう、今期は調子乗って普段のエリアよりも奥深くに探検したことで危うく遭難しかけました。

年度も改まり5月に入ってからではありますがクマが出たなんて言う情報もありましたから

来期はよりいっそう気を引き締める所存でございます。

Season2初回の今回の記事ではイノシシを捕獲した時のことにフォーカスして紹介していこうと思います。

前回イノシシを捕獲した際の様子はこちらから。

ビギナーズラックで獲れた去年。

比較的小さいイノシシだったのに支部長に助けてもらった去年。

コム兄は成長できたのでしょうか。

早速行ってみましょう。

ちぇけら。

season.2 初イノシシの場合

今シーズン初めてのイノシシが掛かったのは猟期が始まって3週間たった日の事でした。

コム兄は見回りに行くときには基本的に「掛かっていない」と思って行くんです。

だって期待して見に行って掛かってか無かったらなんか寂しいじゃないですか。

だから見回りに行って掛かっていなかったとしても平常心で帰れるんです。

良い、悪いは棚の上にそっと置いときます。

でも別に「無」で帰るわけじゃなくて

罠に変化はないか、

獣道に変化が無いか、

サインが増えていないか、

などなど周辺をチェックしてから帰ります。

雨を狙え

コム兄の体感ですが獣に動きがあるのは大体雨の翌日。

寒いし濡れたくないんでしょうね。

だって動物だもん。(違うかもしれません)

そんなこんなでこの時期は天気予報を見る機会が増えます。

どうせなら動く前に仕掛けたいですから雨の前日に都合が付けば仕掛けに行くわけです。

だから雨が降った翌日は珍しく期待しながら見回りに行きます。

もし掛かっていなかったとしても雨の翌日には足跡が残りやすいからトレースしやすいから

新たなポイントを探る絶好の機会になるわけです。

こんな感じだからコム兄はしょっちゅう泥んこになっちゃうし、

夢中になりすぎて10メートルくらい滑落したりするわけですw

そんな雨の翌日に足跡をたどって仕掛けたポイントにイノシシが掛かりました。

この写真どのくらい離れたところから撮ったんだったかな。

これでもかってくらいに精一杯にズームしてこのくらいの大きさですから

かなり離れたところから撮ったんだと思います。

写真では分かりずらいかもしれませんが

山の谷間の斜面の中腹くらいの罠にかかってて不安定極まりない状態。(立ってるのもやっとって感じ)

上級ハンターになれば捕獲の時のことも考えて安定したところに罠を設置するんだと思います。

とにかくそれっぽいところにノリで仕掛けちゃうコム兄はこんな感じになって、

いざかかった時に後悔しちゃうわけ。

まだまだペーペーですわ。

右往左往 in the Forest and throw a 小石

そんなことはどうでもいいんですけど、いざかかってるとやっぱり動揺しちゃうわけです。

youtubeなんかで見る猟師さんは電気止めさし機や鼻取りと呼ばれる器具を駆使したり、

中には素手で生け捕りにしちゃうなんていうレジェンドもいます。

が、しかし。

しかしですよ。

コム兄の装備品はとっても貧弱で園芸用の小さいスコップとか名札を木に括りつけるための紐くらいのもん。

しかもほとんど100均w

こちらが土に負けて折れてしまったスコップ。

鹿ならその辺に落ちてる枝で太刀打ちできちゃうわけですけど、イノシシともなるとそうもいかない。

イノシシ狙っているとは言え、正直捕れてるとは思っていないのよ。

意味わかんないですよね。

すみません。

だって、あいつらめちゃくちゃ鼻が利くから罠に気が付いてよけて歩いたり、凄いやつは

「こんなんに掛かるわけないやん」

って罠を掘り起こしてくるやつもいて。

イノシシとコム兄の知恵比べみたいな感覚でしょうか。

ほんと試行錯誤の連続。

それがまた楽しいんですよね。

いつまでも現実逃避してる訳にはいかないから近づいてみるじゃん。

10メートルくらいまで近づくとその辺の土を鼻で掘ってかけてきたり、

枝やら根っこやらをバッキバキに噛み千切ったりして凄い威嚇してくんの。

ワイヤーで固定されて行動範囲が限定されてるから

「こちとら人間やで!!」

って一応威嚇してみる訳。

意味がないのは分かってるけどさ。

精一杯に自分を大きく見せるために春日みたいに無駄に胸張ってみたり。

いうても一応ワイヤーで動きが制限されているから恐る恐る近づくじゃん?

そしたら助走しながら突進してくるのよ。

ワイヤーを固定してる木が折れたりするんじゃないかってくらいすんごい衝撃なわけ。

とりあえず逃げるよね。

うん。

他の罠の見回りに行ってる間に弱ってくれないかなと思って

見回りに行こうと思って移動してみたらさ、

そっちはそっちで鹿が掛かってやんの。

一日に2頭かかるなんてコム兄史上初めての快挙なんだけど、

やっぱり雨の後は動くよねーとか思うけど、

なんかもう頭バグりそうになるよね。

こっちもおるんかーい

つって。

しかも罠のかかりが甘くて蹄の先端にかろうじてかかっている感じで。

もう少し大きい個体だったらヤバかったかもしれない。

幸い若いメスで小さい個体だったので手早く処理。

両足をくくって肩にかけて運搬しました。

イメージはこんな感じ。

でさ、イノシシのポイントまで戻るじゃん。

あたりまえだけどさ、あたりまえなんだけどさ、

やっぱりいるのよ。

ほんで全然元気なの。

隙あらばやっつけてやろうと突進してくるわけ。

一応石とか投げて運よく当たって気絶しないかな?とか思って投げてみるわけ。

当たんないよね。

もともとコントロールいいわけでもないんだけど動揺してるからイップスみたいになっちゃったりして。

という事で万策尽きたので(へぼすぎる)大人しく支部長に連絡してきてもらう事にしました。

一発必中

支部長が応援に来てくれるまでに3時間くらい時間があったので

そのすきに若い雌鹿の処理をしておきました。

小さい個体でしたが毛並みが美しくて本当にきれいな鹿さんでした。

約束の時間になって支部長を現場に案内するわけなんです。

普段会話している時は普通の70代のおじいさんって感じで温厚な雰囲気の支部長なんですが

やっぱり銃を携行する時の顔は引き締まっていて、全然違って見えました。

現場に着いて状況を確認すると

「よっしゃ」

と言って弾を込め、獲物に近づいていく姿はとてもカッコよく、勇ましく思えました。

コム兄も小石を投げて遊んでる場合じゃないなと反省した次第であります。(今更かよw)

こちらが瞬間の動画。

静かな山に銃声が響き渡った瞬間の鳥肌は忘れませんね。

ただ闇雲に仕留めることだけを考えて撃つのではなく、

「少しでも肉が取れるようにと一瞬横を向いた瞬間に耳を貫通させるように撃った」

と命の絶えたイノシシを運びながら下山している時に教えてくれました。

弾が命中した後にはすぐさま血抜きに移行。

そこまで大きくないと思っていたけど、近づいてみるとソコソコ大きくてビックリ。

40キロを超えるメスのイノシシでした。

イノシシは繁殖力が強い(一度に8匹くらい出産)のもあって、

支部長に

よくやった!

と褒めていただきました。

(僕は小石を投げていただけなので仕留めたのはあなたです)と思いながらも

ありがとうございますと応えておきましたw

こちらが内臓を出し終わった後の写真。

手袋との比較で何となくのサイズ感が伝わるかなと思います。

あと、しっかり弾が耳を貫通しているのも分かりますね。

解体から精肉まで~Burning 毛 with Fire~

捕獲した後は水で汚れを洗い流して冷蔵庫で冷やして、毛の処理や解体などの作業は翌日に行いました。

鹿と比べてもずんぐりむっくりしているのが良くお分かりいただけるんじゃないでしょうか。

イノシシの毛の処理に関しては地域によってさまざまなやり方があるようです。

鹿と同じ様に皮を剥く方法や、お湯をかける湯剥き、バーナーで毛を焼いてしまう方法など。

去年捕獲した際には支部長に教えてもらった通りに皮ごと剥く方法でやってみたのですが

小さい個体でも2時間くらいかかりましてね。

やってられるかーっ

て事で今回はバーナーで焼いてみることにしました。

毛を焼いている間に火が入って焼き豚になってもらっては困るので内臓に氷を詰めて対策しました。

毛を焼くと一回り小さくなったような気もしますよね。

で、これがまた中々大変なの。

毛が脂分を含んでいるのか凄い煙が出るんです。

「焼き豚になっちゃわないように」

って必死だったから厨房が煙で充満してるのに気が付かなくて危うく火災報知器がなるところでしたw

良い子の皆さんは毛を焼く場合は外で作業することをお勧めいたします。(そんなことする人そもそもいない)

全体が焼き切れたのがこちら。

なんだかんだ2時間くらいかかっちゃいましたw

毛の処理だけでですからね。

でも丁寧に焼いては冷やしてを繰り返したこともあって

肉にダメージを与えることなく処理できたんじゃないかと思います。

その後は本業もあるので大まかに分割して冷蔵庫でお休み頂きました。

精肉作業と肉の様子

前日に大まかな解体が終わっていたので、各部位ごとに分割して骨を抜いていく作業。

骨抜きが終わったあとの様子がこちら。

こちらはバラのあたり。

肉の大きさや脂の層は市販の豚肉のそれに比べるとどうしても見劣りしてしまいますが、

なんといっても肉の色がとっても濃い。

牛肉化と見まがう程の赤い色をしています。

この状態になるまで信じられないくらいの時間や手間がかかったこともあって愛着もひとしお。

スーパーに並んでいるお肉や魚にも改めて敬意を覚えました。

胆汁の加工

支部長に仕留めてもらって内臓を摘出している時に胆汁についてのうんちくを聞いていましたので

ニーズがあるかはさて置き、

いっちょ乾燥させて猟師の秘薬を作ってみっかって事で挑戦してみました。

こちらが乾燥させるために吊るし始めましたの図。

そしてこちらが干上がりましたの図。

そしてこちらが自ら人体実験した時の図。

めちゃくちゃ苦いって聞いてたのでビビってオブラートに包んで服用しました。

適量がどの程度なのかは不明ですが、適当に飲んだ割には効き目があったように思います(個人差はあるかと思います)

いないとは思いますがどうしても猟師の秘薬に興味がある方はコム兄に連絡してみて下さいね。

最後に

コム兄の狩猟Season2の記念すべき一頭目のイノシシとの奮闘の記録を紹介してまいりましたが

いかがでしたでしょうか。

「いかがも何もお前は小石投げて遊んでただけじゃねぇか!」

って声が聞こえてきそうですw

次回以降頑張るから笑って許してください。

このように葛藤しながら試行錯誤しながら出来得る限り丁寧に処理をしています。

料理したものを食べていただくと皆さん一様に驚きをもって

「美味しい!全然臭くない!」

と喜んでくださいます。

その声を聞かせていただくと本当にやっててよかったなって思いますし、

イノシシも鹿も喜んでくれていると信じます。

これからも歩みは遅いかもしれませんが少しずつ精進してまいりますので応援していただけると嬉しいです。

月イチで開催しているコム兄キッチンでも提供しておりますので、近くまでお立ち寄りの際は是非覗いてくださると嬉しいです。

次回のコム兄キッチンは6月28日です。

ディナー営業は予約制となっておりますが

お昼の営業はランチメニューになりますが予約不要ですので気軽にお越しくださいね。

皆さんのお越しを心よりお待ちしております。

反響が多ければSeason2の続編も書いていこうと思っております。

という事で今回はここまで。

ではまたっっ!!

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