安心院ワインのプリムールに行ったら衝撃だった!!

コム兄とワイン

先日6月3日に日本ワインの試飲会があるということで参加させていただきました。

コロナ前までは奈良での開催ということで定期的に参加させていただいていたイベントでしたが、コロナ禍にあって中断を余儀なくされていました。

今回奈良市は奈良女子大学のすぐ近くにお店を構えます、「ワインの王子様」という町家を改装されたオシャレなお店の秘密の裏庭にて開催されました。

外での開催ということで感染対策もばっちりでした。

今回は併せて安心院ワインさんの特別セミナーも開催されていましたので、そちらもしっかり受講させていただきました。

特に今回はセミナーの様子をコム兄目線で振り返っていきたいと思います。

では早速行ってみましょう!

ワインの王子様

ワインの王子様サイトより

まずは会場になったお店の紹介をさせていただこうと思います。

以下引用させていただきます

「ワインの王子様」という店名は、ワインにもっと親しみを持ってほしい。ワインを通じてもっとワクワクする体験をしてほしい。

そんな思いから店名を「ワインの王子様」と名付けました。

「ワインの王子様」にはワインを愛するスタッフがいつも店内におります。

こんな食事に合うワインをすすめて欲しい。こんな人にワインを贈りたいので選んでほしい。初めてワインを楽しむには、どんなワインを選べばいい?など、お客様と交わす会話とその時間を大切にしたいと考えています。

「ワインの王子様」にはワインとベルギービールをこよなく愛する王子と執事がいます。そんな王子と執事に会いに来て下さい。

お店のサイトより

いま、会いに行きます。

ということで行ってきました。

ワインの王子様サイトより

こちらのお店、ワンコイン試飲やワインの量り売りが出来るんです

(試飲は現在中止しています。お店にご確認下さい)

コム兄は公私ともに普段から良くお世話になっていて、

仕事で使うワインの相談や、

コロナ前にはよく試飲させてもらいに行っていました。

何を隠そうコム兄はソムリエ二次試験の間際には

ブラインドテイスティングをさせていただいたり

品種ごとの特徴を教えていただいたり、

試飲会に誘ってもらったりと

とてもお世話になりました。

(ありがとうございました!!)

試験に合格してからは残念ながらコロナの猛威のおかげで中々伺うこともできず,,,でしたが、今回久しぶりに訪れることができました。

試飲会@秘密の裏庭

この日は日本ワインの試飲会に合わせて特別セミナーが用意されていました。

安心院ワインさんによるセミナーであることは分かっていたけど

どんな内容なのかは分かっていなかったコム兄だがもちろんソッコーで申し込んだ。

この日はとても暑く、ショルダーバッグに炭酸水を忍ばせて家を出たわけだが

冷蔵庫との温度差と歩くうちに振ってしまっていた事もあって

駅に向かう途中に水分補給をしようと蓋をあけると勢いよく噴射してずぶ濡れになってしまった。

(何の話やねん)

何が言いたかったかと言うと、めっちゃ暑かったのである。

お店に着いて受付を済ませるとまだセミナー開始の時間まで余裕があったので

のども乾いていたことだし、ワインの王子様の秘密の裏庭にて

先行して始まっていた試飲会のほうに行って泡を頂くことにした。

まず初めに向かったのは丹波ワインさんのブース。

頂きましたのは ”丹波ワイン てぐみ 白”

こちらのワインは「とりあえずビール」に代わるワインを造ることができないか

という思いから造られたワイン。

濾過されていない事から少し濁っている外観である。

名前の「てぐみ」は最初のヴィンテージにタンクから柄杓を使って一本一本手作業で瓶詰めされたためこのネーミングになったのだそう。

デラウェアから作られるこのワインは甘やかな香りだが

甘すぎることなく、しかし辛すぎること無く、爽やかな酸味、ほのかな苦みも心地よい。

ガス圧もそれほど高くなかったように記憶しているが、暑い昼下がりに丁度よい飲み口だった。

酵母の香りと酸化防止剤不使用ということでやや酢酸の香りも見られたが、複雑みがあって良かった。

とまぁそれっぽいことを並べてみたが早い話が美味しいっていう事。

続いて”てぐみ ロゼ”も頂いた。

こちらはマスカット・ベーリーAや巨峰などのブドウから造られたもので、こちらも白同様の造りな訳だが、少し濃い目の色合いが鮮やかでキレイで、苺のような甘やかでキュートな香り。

美味しい。

続いては本日のセミナーでもお世話になる安心院葡萄酒工房さんの”安心院スパークリングワイン2019”を頂いた。

このワインはヴィンテージこそ違えど、以前にも味わったことがあった。

「ご無沙汰しております」

と心でつぶやきながらグラスに注いで頂いた。

率直な感想言っていいですか?

・・・・・

以前飲んだのが多分5年以上前だと思いますけど

・・・・・

「こんな美味かったっけ!!!?」

と思うぐらいの衝撃。

当時も美味いと思った記憶があるけど、こんなに本格派だったかなと驚きました。

コム兄も少しはワインの味が分かるようになってきたってことかな。(調子乗んなw)

きめの細かい泡で、切れのある酸味がたまらない。

めっちゃ暑かった事や外での催しということで若干提供温度がぬるかったかなと思ったが、それでも美味しかった。ベストコンデションだったらどんなに素晴らしかっただろう。

と、泡を三種類試飲させて頂いたところでセミナーの時間が迫ってきたので

セミナーが行われるワインの王子様店内へと向かった。

安心院プリムール~2022~

この日のセミナーは安心院葡萄酒工房さんのある大分県とオンラインでつないでのセミナーということのようだった。

本当に便利な時代になったものですね。

 下町のナポレオン

セミナーということでまずは会社の概要から始まったわけだが、安心院ワインは三和酒類という酒類メーカーの洋酒部門で造られるワインの事だそう。

そういえば聞いたことあるかもーと思っていたら、下町のナポレオンこと「いいちこ」を造っている会社と同じなんですってね奥さん。

コム兄の頭の中ではセミナーの音声に加えてBGMにビリーバンバンさんのエモい歌声が響いていました。

「またきみーにー恋してる♪」言うてね

セミナーに戻りましょう。

「いいちこ」があまりにも有名ですが、実は安心院ワインのほうが歴史が深いんだとか。

やっと時代が追いついてきたって感じでしょうか。

「今まーでよーりもふーかく♪」言うて

(しつこい)

 テロワール

テロワールについても解説頂きましたので簡単にではありますが紹介させてもらいます。

安心院ワインさんは大分県北部に位置し、平均気温は15度年間降水量は1660mlの地中海式気候赤・黄色の粘土質の土壌を有しているのだとか。

さらに地元産ブドウを100%使用することにこだわりを持ち、中でも下毛(しもげ)矢津(やず)大見尾(おおみお)等の自社圃場では様々な品種にチャレンジし、スピリッツ、リキュール、ブランデーなどにも挑戦しているとのこと。

いいちこにおんぶに抱っこではなく、いつまでも品質を追い求めている姿勢。

好きです。

2021年の栽培環境

さて、今回のメインテーマである2021年がどんな年だったのかを解説していただきました。

まず降水量からいってみましょう。

コム兄のイメージでは台風直撃とか線状降水帯とかが発生していた記憶があるので、

めちゃくちゃ雨の影響が強かったんじゃないかと想像しました。

6,7月はむしろ過去10年平均と比較しても少なく(空梅雨)、

8月は例年の2倍以上(ほぼ三倍弱)で、

9月以降はほとんど降っていないという年のようでした。

続いて日照量。

6,7月は空梅雨だったことから例年よりも日照が多く

8月は雨が多かったことから日照が少なかった。

降水量や日照量を分析した総評としては、

8月めっちゃ降って心配やったけど、しかしながらそのおかげで

暑い時期にも関わらず酸が残りやすい環境になりさらに9月以降に安定したことから

どの品種も押しなべて良いヴィンテージになったのではないかとのことでした。

 いよいよ試飲

アルバリーニョシャルドネ、ピノタージュ、ノートン、ビジュノワール、小公子の計6種をテイスティングさせていただいたわけだが

こんな感じで番号のみラベリングされていた。

アルバリーニョ以外はボトリングされておらず、まだ熟成中で製品になっていないものを特別に試飲させてもらう事ができた。

なんかソムリエみたいですよね。

以下簡単なテクニカルな情報とコム兄の覚えている範囲で個人的な感想を。

落書きは気にしないでください

①アルバリーニョ

こちらは唯一製品化されているワイン。

過去1番のブリックスと酸を適度に保持したブドウから造ることが出来た。

2種類の酵母(テルペン系とチオール系)を使用し、それぞれ果汁を分けて発酵させたうえでブレンドするという手間のかけよう。

品質へのあくなき探求心のなせる業だろう。

本当に若々しくてアロマティックで、お花や柑橘のような香りとしっかりと筋の通った酸がキレイ。独特な塩っぽさと苦みが引き締めてくれて、本当においしかった。

これ日本のワインなの?

②シャルドネ

こちらは安心院さんでシャルドネから造られる3アイテムのベースとなるものをテイスティングさせていただいた。

2021年は完全に黄熟しつつ酸も残った状態で収穫し、自社畑以外にも契約畑から収穫されたブドウも用いられる。

新樽100%で樽発酵、熟成を行いブレンドされているとのこと。

今回試飲させていただいたものは樽熟成を終えてステンレスタンクで貯蔵されている状態のものだ。

パッションフルーツやパイン、桃や白い花、シナモン、バニラなどの香り。

柑橘のような酸味と樽由来の程よい苦み、まだまだ熟成中ということで

バランスこそバラバラな印象だが、それぞれの要素は素晴らしいものを感じた。

熟成したらとんでもないものになりそうな大物の予感がした。

これ本当に日本のワインなの?

③ピノタージュ

ピノタージュといえば南アフリカ原産の品種。

ちなみにピノタージュという品種はピノ・ノワールとサンソーという品種をかけ合わせた黒ブドウで、スパイシーさやスモーキーさ、コーヒーのような香りを持つものなどスタイルによって異なる。ピノ・ノワールに比べるとややタンニンが豊富な印象。

苺やラズベリーの香りを引き出す酵母を使用し、コールドソークやマセラシオンカルボニックを実施しているそう。古樽を使用することで果実の風味を損なわないように熟成をしているそう。

紫を帯びたラズベリーレッドの色調に、赤い果実の香り、フレッシュなスタイルのピノタージュの印象。タンニンがまだ荒っぽいが熟れてきたら化けるんだろうなというような印象。(語彙)チャーミングでありながら可憐な印象。

将来楽しみです。

④ノートン

こちらの品種コム兄は不勉強で存じ上げない新種でしたが、日本でも増えてきているよう。

原産国はアメリカのバージニア州。寒い産地で耐寒性多雨多湿にも強いという何とも日本に向いていそうな品種のよう。

ジャスミンやラベンダーなどの植物の香りが特徴の品種だそう。

酸の保持力が強く病気に強いため、木の上で熟すまで待てるというのが強みとのことだ。

酸が強いためMLFを行いまろやかな酸にしている。

フレッシュな赤いフルーツやラベンダーなどのボタニカルな香り、鉛筆や牛蒡のような土っぽい香りも。味わいはごめんなさい覚えていません。。。

⑤ビジュノワール

この品種は山梨で開発された品種で甲州三尺とメルロ、マルベックをかけ合わせた品種で、2006年に品種登録された新しい品種だ。

酸味は穏やかでタンニンがやや多く、色調が濃くなりやすいというのが特徴。

実は2021が2度目の収穫ということでこれからの品種ということだが、ブリックスは21を越えている。

まずこのワインは色調の濃さに驚かされた。

日本のワインとは思えないほど濃い色調でタンニンもしっかりしている。

酸が穏やかなのでどの程度熟成に耐えうるのか分からないが楽しみなワインだ。

こちらはもともと酸が穏やかなこともあり、MLFは実施されなかった。

今飲んでも充分おいしい仕上がりに感じられたが、今年の12月ごろにボトリングを予定しているということで、リリースはまだ先という事なので楽しみに待っていたいと思う。

⑥小公子

この品種は日本中のヤマブドウを交配させた品種で、ピノ・ノワール同様皮が薄いので栽培が難しい品種だそう。

小粒で真っ黒な色調のブドウで、酸・糖度共に高いのが特徴の品種で、東北などの寒い産地ではさらに酸度が高くなる傾向がある。

このワインも色調の濃さ、野性味あふれる香りや味わい。美味しい。

良く熟したブドウを収穫できたことから特徴的な酸も保持しつつ

熟した黒系果実の香りとボリューム感ある味わいになっている。

きめの細かいタンニンとしっかりとした酸があるため熟成に向くタイプなのではないかと思うが、

あえてこの野性味あふれる状態でジビエに合わせるのも良いのではないかと感じた。

とはいえ熟成された状態のものを飲むのが楽しみなワインだった。

今回の学び

今回試飲させていただいて白ワインに関して総じてスケールの大きさ、品質の高さに驚かされたが、

赤では特にビジュノワールと小公子に驚いた。

この二種は日本で交配された品種ということもあってか、色調、凝縮感が素晴らしかった。

適した環境で造られるという事の重要性を再認識した。

あと同じヴィンテージ、同じワイナリーでも降水量や日照量の影響は品種ごとに異なるという事。

熟すスピードも違えば、もともとの個性も違う。

夏の時期に日照が少ないとネガティブなイメージを勝手に持っていたが、重要なのは酸を保持しながら糖度を蓄えていけるかという事。

昨今クールクライメットや標高の高い産地が注目されているのは、ただの流行りではなくちゃんと理由があって今後温暖化の影響もあってますます重要になっていくのだなと思った。

あと、至極当たり前な話だけどやっぱりワインはブドウの出来に左右されるってこと。

技術が進歩して使われる道具や醸造技術は進化して大きく失敗するヴィンテージは少なくなっていくんだろうけど

結局のところ良いブドウが出来なければどうしようもない。

ボトルには沢山の想いも詰まっているということを再認識させてもらいました。

最後に

今回は安心院ワインさんのプリムールについて紹介させていただきました。

実は安心院プリムール2022の様子をyoutubeで見ることができます。

早よ言えよって?

だってだって動画見たら僕の記事要りませんやん・・・

とは言っても僕の情報だけでは信用にかけるという方は見てみてくださいね

安心院のエノログさんによる造りの解説とプロによるテイスティングコメントも見ることができます。

試飲会の方の様子はぼちぼち更新させていただければと思っていますので、また覗きに来てくださいね!!

ではまた!!

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