前回の記事ではコム兄が猟師を志した理由について紹介してみました。
こちら。
今回の記事では猟師免許を取得する際の圧倒的近道である初心者講習の受講までの道のりについて紹介していきたいと思います。
早速行ってみましょう。
ちぇけら。
狩猟免許試験の内容
狩猟試験には多くの資格試験同様、筆記試験と技能試験があります。
筆記試験では
狩猟に関する法令や鳥獣に関する知識、猟具に関する知識や狩猟の実施方法など
一般社団法人大日本猟友会が発行している「狩猟読本」と呼ばれる1.5cmにも及ぶ教本と、
それに対応している「狩猟免許試験例題集」から出題されます。
(これくらいの内容ならいけそうだなと思ってしまったのはきっとソムリエ教本で麻痺しているからだと思うw)
例えば狩猟が認められている期間とか、
狩猟鳥獣の種類とか、
一度に仕掛けてもいい罠の数とか、
一日あたりの捕獲数の上限なんかです。
奈良県での試験ではこの筆記試験と適性試験(視力検査)を合格できた人だけが次の試験に進むことが許されます。
無事に筆記をクリアすると今度は鳥獣判別という試験を受けることになります。
こちらも狩猟読本に掲載されているものからの出題になります。
具体的に何をするのかというと、試験会場のスクリーンに約5秒間鳥獣のイラストが表示され、
その5秒の間に獲ってもいいのか禁止されているのかを判断し、さらに、獲ってもいい鳥獣の場合には名前も記入する。
というもの。
かなりの瞬発力が求められます。
そしてかなりややこしい。
例えばイタチのオスは捕まえても大丈夫だけど、イタチのメスは捕まえてはいけないとか。
見分けるポイントはオスの方がメスより大きいという所。
そんなもん分かるかい!!
というような問題が数多く出ます。
最後の試験は免許の種類によって変わりますがコム兄が受験した罠猟であれば
認められている猟具と禁止されている猟具の見極め(ワイヤーの太さが規定に達しているか、より戻しという必要な装置がついているかなど)や、
実際に罠を架設する試験があります。
ソムリエの三次試験のように掛け声というか、言わなければいけないフレーズもあったりするので
これは経験者に聞くしかないんじゃないかという感じがいたします。
網や銃器も同様だと思いますが、コム兄は罠での受験でしたので他の試験については詳しくは分かりませんが、おおよそ以下の通りです。
狩猟読本を隅から隅まで丸暗記したとしても
罠の架設なんて使い方が分かってなかったらできる訳がありませんし、
鳥獣判別に関しても見分けるポイントを教えてもらわないとかなり難しいと思います。
初心者講習とは
そこで多くの人が利用するのが初心者講習です。
初心者講習では過去の試験を分析して、こんな問題が出るんじゃないかという問題に絞って解説してくださいます。
鳥獣の生息数などは野生の動物ですので増減があり、それに応じて捕ってもいい鳥獣から保護しなければいけないリストの対象に変わる場合があります。
今回であれば鳥類に分類されているゴイサギとバンが狩猟鳥獣のリスト(獲ってもいい方)から外れています。
そういった教本や例題集では更新されていないような所まで訂正して、リアルタイムの情報を知ることが出来ます。
読本が更新されていないのに試験問題は更新されてるんかい!!と思ったのは内緒にしておきますね。
最新の情報は試験を受けるにあたって必須条件になってきますが、独学ではかなり厳しいのではないかなぁと思います。
コム兄が初心者講習を受講したのは免許試験の前日というスケジュールで最新中の最新の情報で
しかも忘れる間もなく試験だったのでとても有効でした。
また鳥獣判別に関しても傾向と対策がしっかりと取られており、効率よく学ぶことが出来ました。
実際に5秒間で答える訓練も何度かさせていただいて、
雰囲気を掴むことが出来たのも大きかったように思います。
さらに技能試験の最大の関門である猟具の見極めや
罠の架設の仕方や手順などもベテランの猟師さん指導のもと会得することが出来ます。
罠の架設だけで40点もらえるわけですが、初心者講習を受けずに受験していたらかなり厳しいのだろうと思いました。
決して安い受講料ではありませんが確実に合格したい!という方にはかなりお勧めです。
コム兄も仕事をしながら、家に帰ると4人のお父さんという環境ですので試験勉強に割ける時間が限られていますが
初心者講習を受けて家で1時間くらいでしょうか?簡単に復習しただけで
イケる!!
っていう手ごたえをつかむことが出来ましたので
猟師を目指そうかな?
と考えている方はぜひ検討してみて下さいね。
狩猟試験と初心者講習を受けるための費用
さきほど初心者講習に関して「決して安い受講料ではありません」というように言いました。
※感じ方には個人差はあります。
ここからは受講料や申請手続きに必要な書類や具体的にどのくらいの費用がかかるのか紹介していこうと思います。
①狩猟免許申請書
これは都道府県の猟友会及び各支部において交付される申請用紙です。
コム兄は県の農林水産関係のHPからデータを持ってきてプリントアウトしました。
②医師の診断書
医師の診断書を書いていただくのに必要な費用に関して
分からな過ぎて怖かったのでネットで調べてみますと2,000円~10,000円となっており
しかも2週間くらいかかるみたいなことが書かれておりかなりビビっておりましたが
コム兄が受診いたしました病院はとても良心的で初診料と文書料合わせて3,060円で、しかも即日交付して頂きました。
ありがとうございました。
③写真
これは履歴書や試験を受ける際には必須のあれです。
かなり久しぶりに撮影しましたし、残った写真どうしようかな?ってなるあれです。
ここに写真を晒そうかと思いましたが、誰得感が半端なかったのでやめておきますね。
コム兄は駅とかスーパーのトイレの近くにあるような証明写真ボックスみたいなやつを利用しましたので800円くらいでしたか。(覚えとけ)
自分で写真を撮ってそれをいいサイズにカットしてという風にしたらもっとコストカットできそうですし
残りいつ使うねんっていう写真が残らなくて済みそうですね。
④住民票
申請以前3か月の間に発酵、じゃなくて発行されたもので、本人のみ、本籍地なしバージョンで大丈夫です。
※あくまでもコム兄が受験した時の情報ですので、最新の情報をご確認ください。
おい、誰が発酵してんねん。(ツッコミのタイミングがおかしい)
⑤受講&試験費用
初心者講習の講習料が12,000円で試験の手数料が5,200円。
合わせて17,200円。
初心者講習の料金には狩猟読本や例題集の料金も含まれていますとの事でした。
この初心者講習の料金なんかも各支部によって多少違うかもしれませんのでお住まいの都道府県からの情報を確認するようにしてくださいね。
これまで紹介しました①~⑤までの書類や費用を準備することでようやく初心者講習&試験を受けることが出来ます。
医師の診断書がいくらかかるかによって大きく変動しそうですが、コム兄の場合はトータル約21,000円くらいでしょうか。
いいシャンパーニュ買えたなぁ・・・
なんてすぐにワインで換算してしまうのは悪い癖ですね。
医師の診断書
皆さんは医師の診断書って書いてもらったことありますか?
コム兄は馴染みがありませんでしたので、今さらですがネットで調べてみました。
どうやら公的な福祉制度、支援制度を利用する際や会社を休職する際などで必要になるようです。
…分かったようで分かりませんね。
公的な証明として扱われる為会社や保険会社から提出を求められることもある。
との事でした。
ふむふむ。
病気ではなく精神状態について鑑定されるのが初体験のコム兄はどんな質問されるのか分からなかったので謎に緊張して診察室に入りました。
自覚していないだけで超猟奇的な性格だったらどうしようとか、
不適合ですなんて言われたらどうしようとかとか。
考え出したら不安が止まりません。
緊張していたのでどんなことを聞かれたのかすべてを覚えているわけではありませんが
いくつか覚えているものがあります。
皆さんも自分の胸に手を当てて答えてみて下さいね。
医「覚せい剤や大麻などの禁止薬物の使用はしていますか?」
コム兄「していません」
医「急に人を傷つけたくなるようなことはありますか?」
コム兄「ありません」
医「お酒は飲まれますか?」
コム兄「はい、毎日飲みます(正直w)」
医「お酒を飲んで記憶がなくなって暴れたというようなことはありませんか?」
コム兄「・・・きっと大丈夫だと思います。」
医「感情が高ぶった時など、自分の感情が抑えられなくなることはありますか?」
コム兄「(ワインのセール情報見ちゃって、ついぽちっちゃうこともあるけど)・・・大丈夫だと思います。」
医「お酒を飲まれるという事ですが、お酒が無いと不安になるという事はありますか?」
コム兄「(まぁ冷蔵庫に何某かのアルコールが1本も無かったら不安になるかもしれないけど)大丈夫だと思います」
医「お酒を飲んだ時など急に感情的になる事はありませんか?」
コム兄「(酔ってる時のことだし、、、客観的にはよくわからないけど)・・・多分大丈夫だと思います。」
医「急に虚無感を感じたり激しい後悔をすることはありますか?
コム兄「(…虚無感?やばい二日酔いの時にはたまに…)いえ、ありません。」
こんなやり取りがあったように思います。
質問に答えていくたびに
大丈夫なのか俺!!!
酒飲み過ぎなのか俺!!!
という不安が募っていきます。
迷いなく答えられたのが禁止薬物についてと傷害に関してのみ。
精神状態はマシだとしても、アル中で却下される可能性がもしかしてあるんじゃないかという不安がよぎります。
ここで正常であることを診断してもらえなければ受験する事さえできません。
不安オブザイヤー。
とは言え、偽ることもできませんので正直答えました。
時間にして5分くらいでしょうか。
問答を繰り返した結果
一応、問題ないという事で診断書書かせていただきますね
というお言葉を無事に頂戴しなんとかクリアすることが出来ました。
ん?一応?ん?ん?
ベテラン猟師からの一言
なんとか医師の診断的には正常(?)であることが認められたわけですが、
初心者講習を受講した際に講師を務めてくださったベテランの猟師の方がこんなことを言っていました。
「最近、銃を使った犯罪が増えていますよね。
自衛隊での事件もありましたけど猟銃を使った殺人事件もあったりして
それでなくても一般人に銃を持たせたくないと思っている公安が、今まで以上にシビアになってきている」
との事でした。
ちなみに銃を使っての猟を希望する方は、狩猟免許とは別途公安での猟銃所持に関する試験?検査?にも合格しなければいけません。
「事前に通達された受付時間にわざと不在にして、受験者がイライラしないか見極めたりしています。
わざとイライラするような事をしたり、言ったりして怒らせるように誘導してきますけど
絶対に腹を立ててはいけませんよ。銃が持てないどころか試験さえ受けさせてもらえなくなりますから。門前払いです。」
というようなことも言っていました。
なるほどなるほど。
一見するとただの意地悪のようにも見えますが、公安として事件を未然に防ぐためにも必要な事なんだろうなとも思いました。
出願時から適性試験は始まっているという事ですね。
銃だけに限りませんが”命に係わる”という事の重大さを改めて自覚いたしました。
出願
話は少しそれてしまいましたが、これで必要な書類が無事に揃いましたので
奈良県の猟友会へ必要書類をもって出願?提出?しに行きました。
費用のお支払いも済んで、その時に狩猟読本と例題集を頂いて帰りました。
講習や試験のスケジュールや受験票については後日郵送でとの事だったように思います。
これで受験することが出来ます。
担当の方に
「合格率ってどの程度なんですか?」
とアホのような事を聞いてみたところ、
「初心者講習を受けられた方は大体合格されていますよ」
との事でした。
安堵するとともに、少数派にならないように頑張らなきゃなという緊張感も芽生えたのでした。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今回はザックリとした試験内容と受験するまでにかかる費用なんかを紹介してみました。
”猟師の試験なんて遠い世界で全く分からない”という状態から、
”なんとなく知ってるよ”という状態にランクアップしたんじゃないかと思います。(どんな得があんねんw)
次回は気が向いたら初心者講習の様子なんかを紹介できればと思います。
気が向かなかったら試験当日の事を紹介していこうかなと思います。
後継者不足が深刻な猟師の世界ですので少しでも興味を持ってくれる人が増えればいいなぁと思います。
という事で次回も楽しみにしてくれよな。
ではまたっっ!!!
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