冷涼な風が育む極上ワイン:サンタバーバラの魅力

コム兄とワイン

みんさんこんにちは。

先日カリフォルニアワイン協会さん主催の産地フォーカスセミナーに参加してまいりました。

コム兄がこのシリーズに参加させていただくのは

ウエスト・ソノマ・コースト、パソ・ロブレスに続いて今回が3回目。

今回もセミナーを振り返り、サンタバーバラの魅力をお伝え出来ればと思います。

今回の記事はカリフォルニアワイン協会さんがセミナー用に作成して下さった資料とコム兄がメモしたもので構成して紹介してまいります。

いつもは余計な事ばっかり書いているコム兄ブログですが今回はしっかりとセミナーの内容をふりかえり、

珍しく(?)読者の皆さんに有益な情報をお届けいたします。

早速行ってみましょう。

ちぇけら。

サンタバーバラってどこ?

ところでみなさんはサンタバーバラと聞いてすぐに場所がわかりますか?

コム兄はパッと地図が出てきませんでしたのでソムリエ教本を開いてみました。

カリフォルニアで有名なソノマやナパに比べて南側に位置する産地であることが見て取れます。

カリフォルニアワイン協会の扇谷さんは冒頭のあいさつの中でサンタバーバラについてこのように紹介してくださいました。

扇谷さん
扇谷さん

カリフォルニア南部の魅力的なエリア、サンタバーバラをご紹介できるのは、私たちにとって非常に嬉しいことです。

この地は、スペイン風の美しい街並みが色濃く残り、「アメリカのリビエラ」とも称される風光明媚な地域です。驚くべきことに、人口はわずか80,000人と限られていますが、ここからは世界的に名を誇るワインが数多く生み出されています。

本日このセミナーを通じて、皆さんにはサンタバーバラの魅力と、目の前のグラスに注がれたワインの真髄をじっくりと感じ取っていただければと思います。

ヨーロッパにもアメリカにも行ったことのないコム兄ですが、とても素晴らしい地域なんだろうことは想像する事ができました。

なお、今回のセミナーの通訳は山本香奈さんが担当されました(素晴らしい通訳ありがとうございました!)

サンタバーバラ概要

まず初めにサンタバーバラカウンティ全体の特徴についてサンタバーバラヴィントナーズの役員で、マージュラム・ワイン・カンパニーのオーナーでもあるダグラス・マージュラムさんが解説してくれました。

まず初めに、サンタバーバラの地形についてお話しします。サンタバーバラカウンティは、カリフォルニアの他の地域と違い、海岸山脈が横向き(東西)になっており、冷たい空気が海から陸に向かって流れる構造になっています。そのため、サンタバーバラはビーチに近い南向きの町ですので太平洋に面していますが日本の方向を向いているわけではなくメキシコの方角を向いています。サンタバーバラの町は南国のトロピカルなイメージで、セレブたちが住んでいますが町から車で30~40分の距離にある谷間にぶつかり、そこにサンタバーバラのワイン産地はあります。

この産地は海に向かっているため、世界的にも珍しい冷涼な気候を持っています。海の方から流れるてくる霧が入ってくるので太陽を遮られることで気温がさがり、ブドウの樹の生育期間が長くなり、糖度が上がりながらも酸も維持されるという特徴を持っています。

最近では、世界的に温暖化が進行していますが、実はこの地域は年々に寒くなっています。横向きの谷が海からの冷たい風を引き込む一方で東側には砂漠があり、そこは温暖化の影響で気温が上昇しています。

砂漠の温められた空気が上昇気流となって周りの空気を引き込むため冷たい空気がさらに流入し続け、ここ6年間最も寒い気温を更新しています。

この霧は収穫時期にも影響し、夏の暑さや熱波からブドウが保護され、しっかりと熟すことができます。

サンタバーバラカウンティ全体の面積は68万5000ヘクタール以上ですが、実際の栽培面積は4450ヘクタールに留まり、その中で75品種以上が栽培されています。主に栽培されているのは、シャルドネ、ピノ・ノワール、シラー、ソーヴィニョン・ブラン、カベルネ・ソーヴィニョンです。

7つのAVAについて

サンタバーバラカウンティのアペレーションには、7つのAVA(特定の栽培地域)が含まれています。

それぞれの特徴についてダグさんから紹介していただきました。

<サンタマリアヴァレーAVA>

1981年に設立されたカリフォルニアで2番目のAVAです。シャルドネとピノ・ノワールが特に有名で、Bien Nacido Vineyard(ビエンナシードヴィンヤード)で、オーボンクリマが最初にここの単一畑でワインを造ったことで有名になった。

ここはローヌ系品種も育てられており、特異な個性があります。

サンタマリアヴァレーはこのAVAのなかで最も生育期間が長いAVAとなっています。

<サンタリタヒルズAVA>

チリのサンタリタと混同しないように名称が変更されました。珪藻土、石灰岩、砂質の土壌が広がり、素晴らしいシャルドネとピノ・ノワールが産出されます。

<バラードキャニオンAVA>

小さいながらユニークなAVAで、強風が特徴です。サンタリタヒルズとロスオリヴォスの中間に位置し、、風の影響で抑制的なエリアでシラーが主体の品種を植えています。

様々な土壌が存在していて、粘土ローム層、石灰岩もあって、とても水はけがよくてブドウにストレスが与えられるため凝縮感のあるワインに仕上がります。

<ハッピーキャニオンオブサンタバーバラAVA>

このAVAは最も内陸にあり、禁酒法時代には違法にアルコールが製造されていたことが由来です。カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、カベルネ・フランなどのボルドー系品種が育てられ、特にソーヴィニョンブランは素晴らしいものが出来ます。

鉄分が多い複雑な土壌を持っていて、蛇紋岩、花崗岩質土壌というように太古のものが存在しています。

<ロスオリボスディクトリクトAVA>

比較的大きなAVAで、様々なブドウが栽培されています。特にKrentz Brunner(クレットブランナー)のソーヴィニョン・ブランは高く評価されています。

テンプラニーリョ、サンジョヴェーゼから造られるものが最近評価されています。

<サンタイネズヴァレーAVA>

多様性に富んだAVAで、丘の斜面に多くの品種が植えられています。この地域全体をカバーする最大のAVAです。

<アリソスキャニオンAVA>

この中で最も新しく、最小のAVAです。サンタマリアより温暖で、サンタイネズよりも涼しい気候で、特にカベルネ・フランが素晴らしいワインを生み出します。

ダグさん
ダグさん

以上概要を説明しましたが、今日は素晴らしい方々がいらっしゃるので、ワインをテイスティングしながらお話ししていこうと思います。私も若いころにソムリエをしていた経験があり、実際にブルゴーニュを訪れた際に新たな気づきを得たことを思い出します。皆さんもぜひサンタバーバラに足を運んで、その魅力を体験してください。私たちはお迎えできることを楽しみにしています。

レッツテイスティング

ここからはこの日のテイスティングアイテムの紹介とワイナリーの紹介をそれぞれの生産者さんにして頂きました。

Longoria Wines

ロンゴリアワインオーナーのブルック・クリスチャンです。

創設者のリック・ロンゴリアは、40年にわたりこの地でクラシックなスタイルのワインを造り続けています。特に、フランスにルーツを持つピノ・ノワールとシャルドネ、そしてスペイン出身のリック(創設者)に影響を受けたスペイン系品種の栽培に注力しています。ロンゴリアは、サンタバーバラで最も多くのスペイン系品種を植えていることで知られています。

Sta Rita Hills Chardonnay 2023

私たちのシャルドネは、特に高評価を受けており、サンタリタヒルズで製造されたものが100点を獲得しました。25%の新樽で9か月熟成し、スペインの粘土を使用したスパニッシュ・クレイポットで寝かせています。この手法により、オークのニュアンスを抑えつつ複雑なキャラクターを引き出しています。香りはリンゴやカモミールティーを感じさせ、色調は淡めです。

コム兄メモ

このシャルドネ本当に美味しかった。

柑橘、リンゴの香りはもちろん、時間が経って温度が上がるにつれて

パイナップルの香りまであって本当に素晴らしかった。

樽によるボリュームと引き締まった酸味と余韻の長さ。

一通り5種類全てのワインのテイスティングをし終えて、もう一度飲んでみても霞むどころか際立っていた。

ブドウのポテンシャルが凄いんだろうな。

Fess Parker Winery

フェス・パーカーのブランドマネージャー、スペンサー・シャルです。当ワイナリーは1989年に私の祖父によって設立され、家族経営体制で運営されています。サンタバーバラヴィントナーズの組織内で11番目に立ち上げた比較的新しいワイナリーです。サンタリタヒルズやサンタマリアバレーでシャルドネとピノ・ノワールを生産しています。特に、1990年代後半に家族が植樹した「アシュリー」の名前を冠したピノ・ノワールは、サンタリタヒルズの冷涼な気候が見事に生かされています。

Pinot Noir “Ashley’s” 2023 / Sta Rita Hills

2023年の収穫は長い間にわたって涼しい天候が続き、10月中旬に収穫しました。オープンコンクリート発酵槽で20%全房発酵し、フランス産の樽で10か月熟成させています。赤系果実の風味が前面に出つつ、奥に土っぽさや旨味を隠し持ち、明るい酸味がバランスを取っています。サンタリタヒルズの個性的な特徴を反映したワインです。

コム兄メモ

良く熟した赤い果実の香りが甘やかでとっても華やかな印象。

青空を思わせるとても澄んでいて日差しを感じる香り。

香りのボリューム感からは一転してドライな味わいで引き締まった酸味がエレガントに着地してくれる。

余韻も長く、タンニンは恐ろしいほどにきめが細かい。

紅茶というよりはココアって感じかな?(伝わるかなw)

ほどけたタンニンってこういう事を言うのかな。

Presqu’ile

プレスキルのグローバル担当、トニー・チャンです。当ワイナリーは、マーキンファミリーによって創設され、サンタバーバラの中で最も北のサンタマリアバレーAVAに位置しています。家族経営で、父マディソンと息子マットが戦略的な業務を担い、母スザンヌがデザインを担当しています。4世代にわたって所有していた保養所が2005年のハリケーンカトリーナによって壊滅的な被害を受けましたがそれがきっかけでワイナリーを立ち上げました。私たちは、シャルドネ、ピノ・ノワール、シラー、ソーヴィニョン・ブランなどの冷涼な気候に適した品種に加えて、少量のガメイ、アリゴテ、ネッビオーロも生産しています。

Pinot Noir Estate 2022 / Santa Maria Valley

ワインメイキングでは、素晴らしい産地の個性を引き出すために、できるだけ人的介入を避けたハンズオフスタイルを採用しています。私たちのワイナリーは、2014年にサステナブル認証を受け、2022年には完全有機栽培の認証も取得しました。

本日ご試飲いただくのは2022年のプレスキルヴィンヤード・ピノノワールです。収穫は早めに行い、フレッシュ感を大切に仕上げています。軽やかなシルト土壌が果実のエレガンスを引き出しており、全て除梗し、天然酵母で発酵させフランス産の樽で12か月熟成されています。色調からも軽やかさを感じ取れる一方で、しっかりとした果実味とフレッシュな酸味、フローラルなニュアンスやサンタバーバラスパイスのような微かな塩気を感じる味わいをお楽しみいただけます。サンタバーバラの多様性を体感していただけると思います。

コム兄メモ

香りは控えめ、全体のボリュームも控えめな印象。

これはトニーさんやっちゃったな。と正直思いました。

でもセミナー後の試飲会の会場で再度頂いてみると全然別ものかってくらい違った。

フレッシュな赤い果実、お花、そしてほんのりお化粧したような樽のニュアンス。

サンタバーバラスパイスに関してはつかみ取ることが出来ませんでしたが、こちらも本当にタンニンが細かかった。

Margerum Wine Company

私のワイン人生は非常に興味深いものでした。高校や大学時代にはレストランビジネスに身を置いていましたが、特に料理やサービスに情熱を傾けていました。私が高校3年生の時に両親が交換留学生を迎えたんです。その交換留学生が女性だったものですから一気に恋に落ちまして、そこから毎年のよう彼女に会いににフランスに行きました。その後サンタバーバラ大学で経済学を学び、卒業しました。

1981年には地域初のワインバーを開き、グラスでワインを提供するスタイルを確立しました。当初はサンタバーバラにわずか2つのワイナリーしかなかった中で、自分のレストランが10年後にワインスペクテーターのグランドアワードを受賞するのは驚くべきことでした。1986年にはジム・クレンデネン(オーボンクリマ創設者)氏と共にヴィタ・ノヴァというワイナリーを設立し、1998年にマージュラムを立ち上げました。

南フランスからワインメーカーを招致して以来、南ローヌのスタイルのワインも手がける様になりました。

M5 Red / Santa Barbara County 2023

本日ご試飲いただく「M5」は、5つの異なるブドウ品種をブレンドしたワインです。このスタイルは、各品種の個性を活かしつつ、より複雑な味わいを引き出します。M5はグルナッシュを主体に、ムールヴェードル、クノワーズ、サンソー、シラーがブレンドされています。このワインは軽やかな色合いですが、口に含むとしっかりとした果実味とエレガンスが広がります。フレッシュでバランスの取れた味わいをお楽しみいただければ幸いです。ワインメイキングは伝統的な造り方をしていてパンチングダウンをして発酵をさせ、その後古樽で寝かせています。澱引きはしていません。澱と一緒に寝かせることで澱との接触が増え、発酵によって二酸化炭素が発生します。その二酸化炭素があるお陰で酸化から守ってくれますので酸化防止剤であるSo2の添加量が少なくて済むんです。

みなさんの中にはスクリューキャップといえば全く酸素を透過しないと思っている方もいるかもしれませんが、私が使っているのは酸素を透過性のあるスクリューキャップなんです(ここ10年で開発されたらしい)。なのでこのキャップでもコルクのような働きもしてくれますから20年しっかりと熟成させることが出来るんです。

コム兄メモ

正直言われなければローヌ系の品種だとは気が付かないんじゃないかと思います。(個人の感想です。)

確かに直前に試飲したピノに比べると色調は濃い目ですが。

5種類(6種類)ブレンドされていることもあってかとても複雑で、

そこはかとなく梅を感じるような酸味。

フレッシュなんだけど未熟で青い印象は無くて。

やや温度が低い印象でしたが時間経過とともに色んな顔が見られるのも面白かった。

Star Lane Vineyard

こんにちは、スターレーン・ヴィンヤードのタイラー・トーマスです。私は、スターレーンとディアバーグファミリーのワインメーカーを担当しています。

スターレーン・ヴィンヤードは、世界クラスの素晴らしいカベルネを生産しているワイナリーです。こちらの写真は、夏の午前9時に撮影したものです。ハッピーキャニオンという地域は海から遠く、霧が訪れるかどうかギリギリの位置にあるため、早くから日差しを受け、日照時間が長いのが特徴です。そのため、他の地域よりも気温が高く育成に適しています。

ディアバーグファミリーは、1970年代からミズーリ州でワイナリーを運営しており、25年間その地でワインメイキングを行ってきました。しかし、さらなる高品質のワールドクラスのカベルネを求めて、1995年に現在の地を見つけ、1998年にブドウを植樹しました。私たちは4キロメートルにわたって畑を所有しており、標高差が200メートルもある中に、5つのボルドー系品種を栽培しています。特にカベルネ・ソーヴィニョンが主体ですが、ソーヴィニョン・ブランやシュナン・ブランも少量植えています。

私がこの会社に入社したのは2013年ですが、オーナーのディアバーグに「今後30年の計画は?」と尋ねたところ、「30年なんて考えていない。250年のプランを持っている。カリフォルニアで素晴らしいカベルネ・ソーヴィニョンを作り続けることが目標で、将来は子や孫たちに引き渡したい」と答えました。私はセカンドジェネレーションのマイケルおよびアンと共に、ブドウ栽培からワインメイキングまで10世代先を見越した仕事をしています。

Cabernet Sauvignon “Astral” 2013 / Happy Canyon of Santa Barbra

ワインのスタイルは、ボルドーの伝統的なクラシックなものを目指しています。温かい地域に位置していますが、ナパやソノマに比べると涼しさが感じられ、一般的なカリフォルニアのカベルネよりもフレッシュさを楽しんでいただけると思います。

今日ご試飲いただくのは、私が入社して初めて作った2013年のヴィンテージです。このワインは、日本市場向けに10年から12年熟成させるプログラムのものの中から持ってきたものです。高品質で複雑な熟成を経験したカベルネを通じて、ワールドクラスのカベルネを作る意味を感じていただければ幸いです。

このワインは、選りすぐりの3つの区画のカベルネから作られており、すべて自根で植えられています。そのうちの一つは標高が高い区画です。天然酵母を用いてゆっくりと発酵させ、口当たりを滑らかにするために慎重に抽出しています。フランス産の樽(65%が新樽)で2年間熟成後にボトリングしています。このように、シンプルでありながら高品質を追求した製法でワインを造っています。

コム兄メモ

このカベルネがまた本当に美味しかった。

いや、君は本当にワールドクラスだと思うよ。僕は。

よく熟していて何とも深い香り。

色んな要素が絡み合って何とも言えない凝縮感と複雑さをかもしている。

ボテッとしていなくて程よく引き締まっていて本当にスマートな印象。

食べ物は何もいらない。必要なのは時間だけって感じのワイン。

大きなグラスでゆっくり味わったらもう最高だろうな。

最後に

いかがでしたでしょうか。

サンタバーバラの魅力伝わりましたでしょうか。

温暖化の影響で年々涼しく(寒く)なってきているというのが驚きでしたし

そのおかげでとても熟して引き締まったワインが造られているんだなというのが良く分かりました。

セミナー後の試飲会では日本未輸入のワインも含めて沢山の素晴らしいワインを試飲させていただました。

総じて良く熟していて、エレガントで、極めてタンニンが細かい素晴らしいワインが造られているなという印象でした。

コム兄もこれを機にこれまで以上にサンタバーバラに注目していきたいなと思いました。

という事で今回はここまで。

ではまたっっ。

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