奈良ワイン会~オセアニアの偉大なワインたち編~

コム兄とワイン

こんにちはコム兄です。

今月も奈良ワイン会に参加させていただきましたので全力レポートしてまいりたいと思います。

なんと今回は日本初上陸というワインが登場するだけでなく、

その初上陸されたワイナリーのオーナー兼醸造家の方がいらしてくださいました。

しれっとメーカーズディナーを開催してしまうあたり、さすがでございます。

しかも今回の奈良ワイン会は冒頭30分のセミナー部分がyoutubeでライブ配信されていたようでございます。

醸造家自らが語るエピソードも交えて(記録している範囲で)紹介してまいります。

どんなお話が聞けたのか、どんなワインが飛び出したのか。

早速行ってみましょう!!!

ちぇけら。

メーカーズディナーの経緯

今回の経緯に関してはyoutubeでも紹介されておりますが、こちらでも簡単に紹介させていただこうと思います。

ちなみにyoutubeのリンクはこちら。

動画を見ていただきましたら一目瞭然ですが、

事の始まりはえいじさんがヴィレッジセラーズさんのプロ向けイベントで熟成されたオーストラリア・ニュージーランドのワインを試飲して感動したことから始まりました。

ピュアでいい人なえいじさんはワインのあまりの素晴らしさに感動し、

皆さん(奈良ワイン会の参加者)にもシェアしたい!

と思ったんだそう。

受講者としてはありがたい話です。

それで、オーストラリアとニュージーランドをテーマにワイン会をすることになっていることを伝えると、

「そのタイミングでオーストラリアから来日される生産者がいるから遊びに行ってもいいですか?」

という流れで今回のメーカーズディナーの会が実現したという事のようです。

たとえ感動していたとしてもシェアしようと思っていなかったら実現していなかったし、

そのタイミングで生産者が来日していなかったら実現しなかった。

本当に奇跡のメーカーズディナーに参加させていただきました。

えいじさん、ヴィレッジセラーズさん、Vino Voltaのガース・クリフさん本当にありがとうございます。

vino volta

まずは乾杯の前にガースさんからワイナリーについて紹介をしていただきました。

ワイナリーの名前である”vino volta”というのはイタリア語でワインタイムという意味だそうで

「古き良きワインをいい意味で新しいワインの楽しい時間を作ろう!」

という事でつけた名前だそうです。

パートナーのクリステン・マクガンさんと2019年に立ち上げた新しいワイナリーだそうですが

2人合わせてワイン業界歴40年という経験がおありで、

オーストラリアだけではなく、アメリカやイタリアなどヨーロッパの各地で経験を積まれたそうです。

その経験を活かして西オーストラリアに位置するスワンバレーのワインをより良くしようという事でvino voltaを始められた

と言います。

シュナンとグルナッシュのポテンシャル

Vino Voltaを立ち上げる前は、オーストラリアの中でも大きなワイナリー(ホートン社)で醸造家として務めていたガース・クリフさん。

その当時スワンバレーで収穫されたブドウからは比較的シンプルで安いワインを沢山作っており、

他の西オーストラリアの産地から獲れるブドウからはプレミアムワインが造られていたと言います。

ところがガースさんはスワンヴァレーでとれるシュナン・ブランやグルナッシュの素晴らしさに気が付き、

これらの品種をもっと引き立たせることが出来ないかという想いが募っていったと言います。

2018年頃にはワイナリーの名前こそまだ決まっていなかったけど自分たちのワインを醸造し始め、

2019年には自分たちの方向性が大体見えてきたという事で”vino volta”という名前を考えたんだそう。

それと時を同じくして、当時務めていたワイナリーがスワンヴァレーから移転することとなり、

それを機にガースさんはホートン社を退職してvino voltaを本格的に始めることとなります。

先ほどvino voltaというのはイタリア語でワインタイムという意味だと紹介しましたが、

voltaにはスペイン語で「復活」という意味もあるそうで、

本来スワンヴァレーが持つクオリティーのワインを復活させる

という目的も含まれているそうです。

”楽しい時間を”という社名の裏にはブドウのポテンシャルを信じるガースさんの強い意志とこの地で育つブドウへの愛が秘められていたんですね。

めっちゃカッコいい。

1番、2番のワインで乾杯

ガースさんがワイナリーの説明をしてくださっている間に両手にボトルをもってサクサクとワインを注いで回るえいじさん。

そうそう、この日のえいじさんですが髭をたくわえてダンディーな印象に変わっておりました。

それぞれのワインの詳しい説明に入る前にガースさんのカウントダウンに合わせてチアーズと言って乾杯させていただきました。

続いて1番2番のワインについて紹介頂きました。

いづれもペットナットで、1番(左)はシュナンブラン、2番(右)はグルナッシュから造られています。

ペットナットというのは、タンクの中で発酵し始めた果汁を発酵が完了してしまう前にボトリングするもので、常に酸化から守られている状態にあるためso2を添加する必要がありません。

そういう意味で、この作り方が果実をそのままワインにして届けるというのに一番ふさわしい醸造の方法なのではないかと考えています。

ブドウをそのままワインにという考え方のとおり、とっても自然で果実味がたっぷり。

ワイナリーからの挨拶代わりの一杯って感じでしょうか。

スワンヴァレーって?

こちらはオーストラリアの地図なんですけど、ワイン産地は東海岸の南部に集中していて、それとは別に西オーストラリアの方にもワイン産地があることがわかります。

スワンヴァレーは西オーストラリアに位置していて、赤い丸で示しているエリアになります。

実はオーストラリアで2番目に古いワイン産地なんだそう。

ふむふむ。

「スワンヴァレーがある西海岸と東海岸とでは気候や風土以外にもブドウの伝来に違いがある」

のだと言います。

伝来にも違いがあるとか面白いですね。

ほんでほんで?

1800年代にハンターヴァレー(東側のエリア)が産地として確立された当時、ブドウは主にフランスから持ち込まれました。

そのブドウを陸伝いに西オーストラリアまで持っていく手段はその当時ありませんでしたから、海をわたって伝えられました。

なるほど!

海といっても東海岸からもたらされたのではなく反対側の大西洋側からもたらされ、つまり南アフリカからきています。シュナンブラン、ヴェルデホ、セミヨンとパロミノなどが持ち込まれました。

同じ国なのにブドウ伝来のルーツ自体に違いがあったんですね。

面白い!!

南アフリカから来た品種を農家の方々が育てていくんですが、その当時はある品種を求めてワインを造るというよりは、育てやすいものを育てていました。

シュナンブランや、グルナッシュも当時からあるブドウで、今もスワンヴァレーに沢山あります。

なのでこの産地の気候に適しているという事は間違いなく、その後需要が高くて持ち込まれたシャルドネなどとは違う意味で存在しているという事も分かってもらえたらと思います。

この説明からもシュナン・ブランやグルナッシュに対する愛情が伝わってきますね。

1920年代に恐らくイタリアとかクロアチアからの移民の方達がグルナッシュを持ち込んで植えられたと考えられており、ぶどうの樹齢は60年から65年になります。

その樹齢で灌漑なしで元気に育つというのもグルナッシュのユニークな所です。

いまガースさんがフォーカスしているのはシュナン・ブランやグルナッシュの栽培に加えて、

比較的温かい産地なので今後どのような品種がここで育っていくかという研究もされているそうです。

3番のワイン

こちらのワインはFunky&Fearless Chunin Blancというワインなんですが、

ローム土壌の樹齢30年のオーガニック認証を得た畑のブドウを購入して造っております。

そのブドウを全房を圧搾して大きな古いフレンチオークで発酵させ、バトナージュをしながら9か月間熟成させて造るワインです。

果実感がありながらもオークを使う事で複雑さや旨味などの特徴を出そうとしています。

ライムやリンゴの特徴に加え旨味や塩味も感じていただけるかなと思いす。

4番のワイン

次のワインはDifferent Skinsというスキンコンタクトされたワインですが、フロンティニャックとゲヴュルツトラミネールから造られています。

フロンティニャックは「マスカット・プティ・グラン」とも呼ばれて元々この地域では酒精強化に用いられてきました。

どちらの品種とも冷涼産地で知られる品種なんですけど、品種としてはこの産地でもしっかり育ってくれます。

ただし、酸がやや低い分だけスキンコンタクトしてオレンジワインにする事でタンニンが抽出され、さらにうまみが増すので酸味が低いという事が気にならないようになります

ですって。

楽しみで仕方ありませんね!!!!

前菜登場

「夏の食材から段々と秋の食材に変わってきましたので今回は梨をサラダ仕立てにしました。」

とシェフからの説明。

ひよこ豆、キュウリ、パプリカが一緒にドレッシングで和えてあって、

添えられたミントが何とも爽やか。

彩りもとってもキレイで美味そう!!!

左から順に並んだ図 個性豊かなワインが並んでテンション上がってしまします。

前菜が登場した時点でワインが4種類も注がれているので食べながら、飲みながら、メモしながらで大忙し。

会話もしながらで、ただでさえ器用なタイプではないコム兄の頭のなかはだいぶこんがらがっておりました。

以下の情報もごちゃまぜになっている可能性もありますが、話半分くらいのテンションで読んでいただけるといいかなと思います(ちゃんとしろ)

飲み比べたコム兄の印象

という事で順番にコム兄の印象も紹介していこうと思います。

1番のワイン

はシュナンブランから造られたペトナット。

リンゴや柑橘の香りがコム兄でも捉えられました。

後味にはしっかり目の苦みを覚えましたが、お料理と一緒に頂くと苦みが目立たず

むしろ後味をスッキリさせてくれて特にひよこ豆と相性いいんじゃないかなぁなんて思うなどしました。

サッパリ、スッキリ、美味しゅうございました。

2番のワイン

もペットナットでしたがこちらはグルナッシュからつくられたワイン。

黒ブドウから造られていることもあって色調はほんのりピンクというか何というかそんな感じの色(語彙)。

コム兄が注いでいただいたものは上澄みのクリアな部分でしたが、

お隣のテーブルのナオタカさんのグラスにはカルピスグレープみたいな酵母感満載の液体が注がれておりました。

一見すると同じワインとは思えないほどでしたが、ボトルの上部と下部で状態が違うというのもまたペットナットの特徴かもしてませんね。

(※後からナオタカさんが澱が多い部分もクリアな部分も飲んでみたけどあまり味が変わらず美味しかったと仰っていました。)

香りは同じ様にリンゴっぽい香りですがコンポートにしたような甘やかな香り。

後味に1番同様苦みは感じるものの、なんというか全体的にフワッと軽やかな印象。

こちらのワインとサラダを食べながら時折香るミントとの香りの相性は素晴らしかった。

美味しい。

まるで極上のモヒートでも味わっているかのような感覚でしたね。

(そんなにモヒート飲んだことないけどw)

3番のワイン

はとっても華やかな香りで、香りがなんというかイキイキ、ハツラツとしているように感じました。

なんというかパッションフルーツっぽさとか柑橘っぽさがあって、

「君ソーヴィニョンブラン君じゃないのかね?」

と思ってしまうくらい華やかな香り。

きりっとシャープな酸とほのかな塩味がお料理の梨の味わいをクッキリさせてくれていたように思います。

キュウリのクリスピーな食感と若干の青さみたいなのも良かったです。

4番のワイン

はいわゆるオレンジワイン。

ゲヴュルツ由来と思われる華やかで甘い香りがコム兄の心を奪いました。

薬臭くないというか、漢方臭くないというか本当にクリーンで安心できる香り。

何を隠そう、コム兄はオレンジワインデビューがとんでもなく苦手なものに当てってしまって若干トラウマになっています。

なのでオレンジワインと対峙すると

「君は大丈夫なタイプのオレンジくんなのかい?」

と心の中で問いかけてから味わっています。

※ちなみに苦手な味わいだったのは一番最初のものだけで、それ以後頂いているオレンジワインはとても美味しいワインばかりでした。

こちらのワインは華やかな香りとは裏腹にしっかりドライでテクスチャーを感じるような味わいでした。

これはオレンジ入門者にもお勧めなワインだなと思いました。

「酸が低いからタンニンで」というお話にあったように、

とてもキメの細かいタンニンが心地よくて、酸が足りないとは全く思いませんでした。

ワインってほんと面白いですね。

質問タイム

ここで同席していたドードーさんから質問があり、ガースさんにお答えいただきました。

Q1. 2種類のブドウをそれぞれ別々にスキンコンタクトをしている理由はなんですか?

確かに気になりますよね。

皆さんが生産者ならどう答えるでしょうか?

コム兄は引き出したい成分が出てくるタイミングが違ったりするから分けてるんじゃないかなぁ?

なんて予想を立てていました。

A. ゲビュルツとフロンティニャックは別々の産地のもので成熟スピードも違うため

結果的に別々でスキンコンタクトしている。

という事でした。

面白いですねぇ。

確かに収穫のタイミングにズレがあれば、仮に一緒にスキンコンタクトをしたいと思っていも

難しいものがあるんだと思います。

ふむふむ。面白い。

一つ疑問が解決すると、次々と疑問がわいてくるのがワインラヴァーってもんです。

続けてこんな問いを投げかけてみました。

Q2. もし同じタイミングで収穫できたと仮定した場合はどうですか?

あくまでも仮定の話にはなってしまいますが造り手さんの考え方を知る上でも

この質問は聞いておかなければいけませんよね。

どんな答えが返ってくるのでしょうか。

A. きっと分けずに一緒にスキンコンタクトするんじゃないかな。

との事でした。

面白いですねぇ。

さらにこんな事も仰っていました。

混植すると(フェロモンの関係で)収穫のタイミングが近くなる傾向があって面白いと思っています。

混植混醸で成功している事例が世界中であるから挑戦してみたいけど、

一大プロジェクトになるから日本でもっとワインを売らなければいけないねw

フェロモンが関与して収穫時期が近くなるとかめっちゃおもろいやん!!!

ヤヴァ。

エンと竹村?宴もたけなわ?

宴もたけなわですがという、会も中盤に差し掛かったところでのえいじさんからの掛け声に

会場全体からツッコミが炸裂し一体感が高まったところで

次のワインに進みますという事なのでグラスを空けて、備えます。

参加者の心をつかむテクニックがいつもながら鮮やかなえいじさんです。

温かい前菜

お次のワインが準備できる間に登場した料理がこちら。

国産アナゴのフリット。

「上から奈良の伝統野菜である大和真菜(やまとまな)をパウダー状にして振りかけてあります。

添えられたソースは赤パプリカとシェリーヴィネガー(違ったらごめんなさい)を合わせたピューレ。」

とシェフから紹介いただきました。

めっちゃうまそう。

そして注がれました5番のワインの外観がこちら。

6番のワインの外観がこちら。

ともに白ワインでありながらとても対照的な色調のワインたち。

それにしても6番すんげぇ色してます(語彙)。

料理とワインが揃ったところでえいじさんがワインの説明をしてくださいました。

5番のワイン

Semillon / Moss Wood 2006

こちらのワインはvino voltaさんのワインではありませんが、ヴィレッジセラーズさんが取り扱われているワイン。

セミヨン種からつくられた2006年のワインで、ヴィレッジセラーズさんの倉庫で熟成されて、今年リリースされたものだそう。

セミヨンは実はあまり注目されるような品種ではないんですけど、熟成することでめちゃくちゃ化ける品種なんです。

皆さんご存じボルドーのソーテルヌでもセミヨンは中心的な品種ですけれども、ソーテルヌなどの地域ではセミヨンの事をソーテルヌのキングと呼ぶんです。

ボディとリッチな味わいが骨格になっていて、そこにソーヴィニョンブランとか、ミュスカデルを加えてアロマティックさを出すっていう感じなんですよね。

セミヨンに一番求められているのがこの熟成能力で、熟成することで蜂蜜だったり藁っぽさだったりの複雑さプラス、もともと持っている柑橘のアロマが相まって複雑で面白いワインになります。

そう言えばセミヨン単体のワインを飲んだことあったっけ?なコム兄。

ソーテルヌのキングと奈良の平民の対決はいかに。

コム兄の印象

2006年とはおよそ思えない位イキイキとしてフレッシュで力強いワインでした。

2006年といえばコム兄が二十歳の頃で、大阪のステーキ屋さんに住み込みながら専門学校に通っていた時期であります。(誰が興味あんねんw)

知らずに出されたらまず2006とは思わない自信があります。

焼けたゴム感とややぺトロールっぽい感じもしましたが、違うかも・・・。

まるで日本刀で切りつけるかのごとく切れ味鋭い酸が

アナゴの脂と衣の油をスパっと切ってくれるのでベタつくこともなくサッパリと食べられて

こちらのお料理にピッタリのワインでございました。

それにしてもすごいフレッシュ感。

これが2006だとは信じられないという話をしていましたら、

ヴィレッジセラーズさんがおっしゃるには

「若いヴィンテージと飲み比べていただけるとお分かりいただけると思います。若いうちは本当にレモン水みたいに酸っぱいので。」

との事でした。

この酸味があるからこそ熟成するし、それゆえのソーテルヌのキングなのですね。

いやぁ、御見それしました。

僕もあのころから少しは成長できたのだろうか・・・

6番のワイン

こちらはニュージーランドからお越しのワインです。

早速えいじさんの紹介に移ります。

ペガサス・ベイというワイナリーはニュージーランドの南島にある、クライストチャーチという大きな街から車で北へ1時間ほど行ったところにあるワイパラヴァレーというエリアにあります。

こちらのワイナリーはノースカンタベリーでトップのワイナリーさんです。

元々学者さん(だったかな?)で当時ドイツやブルゴーニュなどで凄く好みのワインに出会って、

俺もニュージーランドでやりたい!クールクライメットでワイン造りたいなーっ

といって10年くらい畑を探し続けて、やっと見つけたのがこの土地。

こちらがそのあたりの地図ですが、色が濃いところが山。

南島の真ん中には大きい山が走っていて、西からの風を遮ってくれるので雨があまり降らないんです。

だからニュージーランドの東側は乾燥した産地になっているんですけれども、

その西からの雨風を防いでくれるアルプスに加えて海側にも山がポコッとあります。

この2つの山に囲まていることによって雨が降らずに乾燥した産地になっています。

つまりそれがどのように影響を及ぼすかという点ですが、夏から秋にかけて雨が降らないので長い成熟期間が期待できます。

一般的な辛口のリースリングも造れるし、ちょっと甘口もできるし、ニュージーランドではかなり珍しいですけど、貴腐ワインも造れるしっていう環境なんです。

こちらのエイジドリリースというワインは名前の通り10年熟成してからリリースされていされていて、残糖が20g/lあるという事で少し甘みがあるタイプになります。

今回こちらのワインを選んだ理由がアナゴのフリットに合わせたかったからなんですよね。

アナゴって結構脂と甘みがあるんですよね。

これとリースリングがもつ酸とを合わせて熟成感と甘みで楽しんでいただきたいと思ったんです

コム兄の印象

乾燥しているのに貴腐がつくというと不思議な感じがしますが、

秋になって昼夜の寒暖差で霧が発生したりして付く年があったり、つかない年があったり。

だから貴腐ワインは毎年造れるというわけではなくて、条件が揃って貴腐が付いた年にだけ造られる

という事を遠くのテーブルを回ってるときに仰っていたように思います。(盗み聞きがえぐい)

これも雨が少なくて収穫時期を遅らせることが出来るからこそなんでしょうね。

ドイツや他の冷涼産地のリースリングに比べると酸は穏やかかなーって感じがしましたけど、これも残糖がある分このように感じるのかもしれませんね。

蜂蜜とかの凝縮感が凄い。

残糖分があって甘やかだけどベタベタしていなくて

熟熟のアプリコット感があってとっても”まろ~”っとしていました。

自然の恩恵を受けたワイン。

美味いぜー!!!!!

このお料理を食べているときに「このワインとだったらソース付けずにそのままが美味しいかも」っていう話しをしていたように思います。

そこから派生してオーロラソースつけるつけない問題?とか、唐揚げレモン戦争とか、ヤングコーンはそういう品種なんでしょ?とか、そんなワインに関係ないような話もしていたように思います。

うん。楽しい。

メインディッシュ

今日は挑戦的な感じでハンバーガーにさせてもらいました。

海外ではホットドッグなんかとワインを合わせるなんて言うことも聞いたので

うちのお店で出してるハンバーガーをメインとしてご用意いたしました。

牛肉と鴨肉と豚の背脂と香草を混ぜたオリジナルのパティで、

バンズはお気に入りのパン屋さんに特注で作ってもらっている、麻炭を混ぜ込んだパンです。

ソースはいつものと変えておりましてアンチョビとバターと白ワインで仕上げています。」

見たら分かる”これ絶対美味いやつ”感。

”いつもの”を食べたことはありませんが、聞いただけでも美味いし

”いつもの”ハンバーガーも食べたくなりました。

7番のワイン

今日の赤ワインは2種類でした。

一つはニュージーランドの一番南側のセントラルオタゴという地域でフェルトン・ロードという生産者さんが造るワインですね。

セントラル・オタゴは赤い丸で示された場所で、見ていただいた通り内陸に位置しています。

この条件がブドウにどんな影響を及ぼすのか、えいじさんの説明を早速紹介していきましょう。

先ほどのペガサスベイの時にもお伝えした通り、ニュージーランドの真ん中には山が走っていて、

東側にワイナリーが多いんですがフェルトン・ロードは島のど真ん中にあるんですね。

ニュージーランドは島国で海に囲まれていますので基本的に海の影響を受ける海洋性気候なんですが、ここだけ大陸性気候なんです

なので全然違う気候の中で育ちます。

凄く寒くて、でも夏は暑くて乾燥していてっていうエクストリームな場所なんです。

この環境にあってさらに標高も高くて紫外線も強いので、果皮も分厚くなってしっかり熟して、風味もしっかりしたものになります。

寒いから酸味も残ってというブドウが穫れます。

この産地のピノノワールと他の産地のピノノワールを比べることができるのならば、より風味が強くて力のあるピノノワールになります。

それでいて熟成ができるんです。

こちらのワインはフェルトン・ロードのなかでも本当に貴重なブロック3という区画があるんですが、その中でもこのワイナリーで初期から植わっている単一畑からできたワインです。

輸入元の方でもなかなか飲めないという貴重なワインです。

こちらのワイナリーは2012年からフレッシュスタイルになってるなって個人的に思うんですけど、こちらは2014年で本当にキレイで力強さもあってめちゃくちゃバランスが取れていると思います。

セントラルオタゴとフェルトン・ロードについてyoutubeで解説しておりますので、そちらもチェックしてみて下さいね

コム兄の印象

とってもエレガントなんだけど、同時に強さも感じられました。

これはやはりえいじさんの説明にもあった通りエクストリームな気候がもたらした味わいなんでしょうね。

ピノ好き野郎のコム兄は語彙が吹っ飛んでしまうやつです。(大体吹っ飛んでるだろw)

強い系エレガントって感じ(は?)

なんか香りの持続力が半端なかったですね。

次から次へと妖艶な香りが漂い、飲み込むのがもったいないほどの味わい。

飲み込んだ後のため息から漏れる余韻が素晴らしくて、またもう一口と欲してしまう感じ。

もう合わせる食べ物なんて必要ないんですよ。

強いて言えばため息が極上のおつまみって感じです。

オッサンのため息すら極上のフレーヴァーに変えてしまう魅惑の液体でございました。

8番目のワイン

もう一つの赤ワインはVino voltaさんのワイン。

すごくいいワインの後で否応なしにハードルが上がってしまいますが、どんなワインなんでしょうか。

ガースさんに紹介していただきました。

こちらのブドウは普通オーストラリアで造られるグルナッシュよりも若干早めに収穫しておりまして、その分ピノ・ノワールやボージョレのガメイようなスタイルで醸造しています。

約20%のブドウを全房発酵するんですが、その20%のブドウをタンクの下に入れて、上から破砕したブドウを乗せます。

5,6日経つと天然酵母によって発酵が始まるのですが発酵初めの10日間位は1日に2回ハンドクランチングをして、その後はそのまま置いて2週間くらいマセレーションさせます。

初めのハンドクランチングによって果実味が引き出され、マセレーションによってタンニンが出てきます。

なので果実味もありますがストラクチャーのしっかりした赤ワインになっていて、食事と一緒に楽しんでいただけるかなと思います。

ちなみにこちらのブドウは樹齢60年くらいの畑から獲ってきたものです。

グルナッシュというのは温暖産地のピノノワールだって言われることがあるんですが、冷涼産地の比べてみて面白いと思っているのが、ミディアムボディだったり、または色だったりが結構似ているなという所です。

ただやはり比べてみて違うのはタンニンじゃないかと思います。

長いマセラシオンの期間からくるタンニンや深みなどがワインに出てきているので、どちらかというとピノノワールというよりはネッビオーロやバロローロみたいな感じが出ているかなーと個人的には思っています。

ピノノワールとは少し違うけど、ミディアムボディでタンニンのあるワインを楽しんでいただければと思います。

コム兄の印象

こちらのグルナッシュ本当に美味しかったんです。

何が凄いって、それこそ偉大なワインとして知られるフェルトン・ロードのブロック3と同じタイミングで味わって遜色がなかったという所。

この事だけでもいかにクオリティの高いワインなのかがお分かりいただけると思います。

素晴らしいワイン。

エレガントなグルナッシュ美味いなぁ・・・。

ブロック3と比べてしまうと可哀そうですが、やや香りの持続力という点で弱さが見られましたが、

本当に美味しいワインでした。

えいじさん紹介してくださってありがとうございました!!!

左 フェルトン・ロード 右ヴィノ・ヴォルタ

9番目のワイン

トリを飾りますのは先ほども紹介したペガサスベイのリースリングです。

こちらはレイトピック(遅摘み)で先ほどよりももう少し甘いやつを最後の締めにご用意させていただきました。

との事。

コム兄は6番のエイジドリリースのワインも少し残しておりましたので、それと比較して楽しませていただきました。

左が9番 右が6番

先ほど残糖感がある6番だけを飲んだ際には酸が穏やかかな?と思った節もあるんですが、

より甘口の9番のワインと比較することで、

いやいやめっちゃ酸が立ってるやん!!

という事に気が付き、改めてコム兄の味覚がポンコツであることも確認できました。

ベタッと感じないのはやはりしっかりとした酸の支えがあっての事なんですね。

あと面白いなぁと思ったのは6番と9番はヴィンテージや熟成期間なんかが全然違うんですけど香りを比べてみるととても似ているなぁと感じました。

同じ造り手の同じ品種なんだから当然じゃない?と思うかもしれませんが、

収穫のタイミングや熟成期間が違うのに、ましてや9番の方は30~50%が貴腐菌の着いたブドウを使っているという事で違ったニュアンスの香りが現れてきそうなのに、なんだか不思議だなぁと思いました。(違うニュアンスを嗅ぎ分けられていなかった可能性大w)

甘くてとろみのある液体を飲み込んで、あまりの美味さにため息が漏れちゃうわけなんですが、そのため息の余韻が最高のおつまみになってまた飲みたくなるという、これまた無限装置が完成してしまします。

で、気が付けばグラスが空に。

美味いワインはため息が美味い。

そして空っぽになったグラスからもすんげぇいい香りがします。

今日も奈良ワイン会は幸せでございました。

最後に

いかがでしたでしょうか。

いつも新たな扉を開けてくれて、そしてしっかりと学びがあり、満足感と多幸感をもたらしてくれる素敵なワイン会。

世界各地にまだまだ知らない素晴らしいワインがあるんだろうなと改めて思いました。

本当にいつもありがとうございます。

次回はどんなワインの世界が待っているのでしょうか。

皆様も期待して待っていてくださいね。

ちなみに奈良ワイン会のラインナップとは別に参加者の田口さんからこちらのワインも飲ませていただくことが出来ました。

フェルトンロードのブロック3と同じヴィンテージの2014。

エリアはニュージーランドのワイパラヴァレー。

この日のラインナップにあったペガサスベイというワイナリーがあるところですね。

ブラックエステートというワイナリーが造ったピノ・ノワールで、

ヴィンヤード(畑)違いの2種を飲み比べさせていただきました。

比較的色調は鮮やかで明るい印象でした。

散々飲んでからの飲み比べでしたので畑の違い何ていうものは感じ取れませんでしたが(シラフでも感じ取れない可能性w)

ピノ好きなコム兄はこのキレイな酸味がたまらなく好きなんですよね。

(詳しいコメントはメモも残っていなかったのでごめんなさい)

こんな感じで会のラインナップ以外にも素敵なワインを味わうことが出来て

とても幸せなコム兄なのでした。

なんか最近コム兄のブログが専門用語が多くなってきて読みにくいなぁと感じているあなた。

本当にごめんなさい。

もう少し初心に帰って、誰でも楽しく読めて学べる記事を書いていきたいと思いますので

今後ともよろしくお願いします。

という事で次回も楽しみにしてくれよなっ!!!

ではまたっっ!!!

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