みなさんこんにちは。
気が付けばもう3月ですね。
師走からのスピード感半端なくねぇ?
なんて言うておりますけども。
どうも、コム兄です。
今回は真ん中シャンパーニュの会を紹介する記事の後半戦。
本編に相当するペアリング編でございます。
ちなみに趣旨や企画に至るまでの内容などを紹介した前回の記事“概要編”をご覧になっていない方は是非そちらも覗いてみて下さい。
今回の企画の変態性を感じていただけるのではないかと思っております。
前回の記事でも予告していた通り提供されたお料理、ペアリングされたワインを紹介し
その組み立ての思考、意図などにも迫っていこうと思います。
全ワインラヴァー必見の内容となっていますが(諸説あり)いつも通り無駄に長い記事ですので
何回かに分けてでも結構ですので最後までお付き合いくださいね。
この記事を読む事できっとホームパーティをする際のお料理やワイン選びに役に立つことと思います。(諸説あり)
なんやかんや言うてる間にいつも通り前置きが長くなってしまったので早速行ってみましょう。
皆さんご一緒に。
せーの、
ちぇけら。(そんなに浸透してねぇよ)
ちょっくら見回りに
この日コム兄は15時前に会場入りを目指して準備しておりました。
コム兄家の最寄駅から会場まで1時間40分。
なのでちょっと遅く起きても大丈夫。
が、コム兄には毎日のルーティーンがあります。
そう。見回り。
見回りサボって次の日に行って亡くなっていたら凄い後悔するじゃないですか。
罠をかけているからには責任もって見回るわけです。
こちらは朝8時頃の山の景色。

「今日も掛かっていなかったな」
と悔しいのか安心したのかよくわからない感情で帰ろうかと思ったんです。
でもなんか、やや離れた場所から確認して異常なし!と判断した罠の様子がどうやらおかしい。
近くに行って確認してみると小さいイノシシが掛かってるわけです。
とは言え今回この猪の事を書いていると本題に入れないので詳細は割愛しますが
猟師スイッチをオンにして格闘開始。
手短に処理を終わらせて帰宅。(イノシシは職場の冷蔵庫へ)
シャワーを浴びて山男臭を洗浄し(加齢臭は取れない)
普段セットしないから正解がわからない頭を撫で回し、それっぽくセットして出発したのでした。(ヒゲそり忘れた)
Preparetion while drinking
コム兄がまもなく鶴橋で乗り換えようかというタイミングでこんな画像が届きます。

会場準備をしつつ、始めちゃってますよーの図。
楽しそうでいいじゃない。
こんなの見せられたら早く合流したくてうずうずしちゃうのよね。
で、無事に乗り換えもスムーズにいって最寄り駅に到着。
会場までグーグル先生の導きによって進んでいきます。
まだ着いてないのにGoogle先生ったら「到着しました」とか適当なこと言っちゃってさ。
仕方なくふらふら徘徊しながら探しました。

ココかな?と思ってドアを開けようと思ったらカギが掛かってる。
おかしいなーと思ってDMで聞いてみたらここじゃない。
「今カギ開けますねー」
っていう反応を待っていたコム兄は動揺が止まりません。

でも画像を送っていただいたおかげで隣の建物であることが判明し、無事に到着したのでした。
この時Yukariさんと片山さんが心配して探しに出てくれていたようですがすれ違っちゃったみたいで。
ほんで戻ってきたらソファーでくつろぎながらワインを楽しむコム兄がいるもんだからビックリされたでしょうね。

てへぺろ。
お騒がせいたしました。(ちゃんと謝れ)
ほんでほろ酔い気分で現地調達予定だった食材を阪急オアシスさんに買い物に出かけたのでした。
ウェルカムドリンクとブラインド
開始時間が近づくにつれて参加者の皆さんが続々と到着されます。
今回ウェルカムドリンクに採用されましたのがミードのお湯割り。
Maxwell / Spiced Mead
ミードは蜂蜜と水を混ぜて造られた人類最古の酒ってやつです。
柔らかな甘さと計算された温度が絶妙な加減。

セオリーではスパークリングワインだと思いますが最強寒波が襲来していたこともあって
とても素晴らしい提案だったと思います。
採用に至った経緯も聞いてみました。

食前酒としてちょっと甘くてアルコール度数が低いものを用意したい。一瞬低アルコールワインも考えたが、「ワインをそのまま」ではなく何かで割ることも考えたら、いろいろなものが用意できるしコストダウンできる。
最初考えたのはリースリングの甘口を炭酸で割るもの。ただ2月後半とはいえ寒いことが予想されたので、何か暖かいものを用意したい。
前職のときに、冬の限定メニューとして提供していたミードのお湯割りを思いついた。ミードとして他に銘柄を知らなかったのもあるが、ジンジャーやクローヴの風味が身体をあたためてくれそうなので、これを採用とした。
前職の経験も生かしながらあくまでもゲストの喜びを考えてのチョイス。
さすがでございます。
そしてその後にはYukariさんが持ち込んでいたこちらのワインで
準備運動がてらブラインドテイスティングが行われていました。(全員じゃなかったかも)

先週コム兄のワイン会でブラインドで小公子出されたから私もコム兄にブラインドを仕掛けようと思って。
とYukariさん。
言っておきますけどコム兄なんかがブラインドテイスティングなんかできる訳ありません(偉そうに言う事じゃない)
コム兄は当てて欲しくてブラインドをしたんじゃなくて、先入観を取っ払いたかっただけなんですよYukariさん。
という事で銘柄はこちら。
Sepp Moser / Zweigelt 2015

淡い色調で香りもよくてタンニンもきめ細かくて。
本当に美味しかった。
当然コム兄にこんなの分かる訳ないんですが片山さんはほぼ正解っていう答えを出していて
本当に凄いと思いましたよ。
そうこうしているうちにパンを焦がしたりしながらもアミューズの準備も整って行ったのでした。
ペアリング①アミューズ
いよいよ会の始まり始まり。
それでは提供されましたワインとお料理の紹介をしていこうと思います。
と、その前にまずは提供されるワインのセオリーを片山さんの資料でおさらい。

ゴクっと勢いよく飲めるような、軽快でかつ単体でのバランス感が良いもの。その一口から会の雰囲気が明るくなり、会話が弾む用な雰囲気のものが望ましい。炭酸の刺激があると胃袋が活性化されるのでなお良い。
シャンパーニュなどのスパークリングワインが定番。
料理 食前のお楽しみ
アミューズの担当はコム兄でした。
用意したのは
- 苺と甘エビとのカナッペ
- 生ハムチーズとドライトマトのサブレ
- 蕪とアサリのポタージュ


まずこちらは蕪とアサリのポタージュ。
柔らかくて瑞々しい蕪と旨味をたっぷり含んだアサリでポタージュに仕立てました。
作り方はいたってシンプル。それぞれに火入れをしてミキサーへGo。
温まってホッコリしてもらいたいという意図で温製にしました。


手前右側が生ハムチーズとドライトマトのサブレ。
ドライトマト、バジル、パセリを刻んで塩気のあるサブレにしてその上にクリームチーズと生ハムをトッピングしました。
ドライトマトの酸味が全体を引き締めハーブが余韻に香るイメージで作りました。


最後が苺と甘エビのカナッペ。
刻んで水気を絞った玉葱、シードルビネガー、オリーブオイルでマリネした甘エビと苺を和えてかるくトーストしたパンに乗せてカナッペとしました。
ここで苺と合わせたのは旬を意識したのとワインの味わいとブリッジさせたかったから。
なので”あまおう”や”古都華(奈良の苺)”のように甘ーいものと言うよりは、むしろ酸っぱそうなものをあえて選びました。
とまぁ、説明をするとしたらこんな感じになるんだと思いますが
実はこんなつもりじゃなかったんですよね。(爆)
本当はドライトマトのサブレの上に甘エビと苺のやつを乗せるはずだったんです。
でも分量間違えて焼き上がりが小さくなってしまって海老と苺がちょっとしか載せられない。
それで仕方なくバゲットに乗せることにしたんですが
そうするとせっかく作ったサブレが要らなくなっちゃう。
どうしようかなーなんて考えながら会場近くの阪急オアシスさんで買い物してる時に
生ハムとチーズをのせることを思いついて急遽こういう仕立てにしたわけです。
別に言わなくてもいい事だったんですけど、こういったライブ感というかその場で臨機応変にというのも楽しいですよねというお話。(そもそもちゃんとしろ)
ワイン メルローロゼ
そんなお料理に片山さんが選んだワインがこちら。
Calalenta Rosato / Farnese

このワインの味わいについてCOCOSさんの商品ページから引用して紹介します。
まるでプロヴァンスのロゼワインを思わせる淡く美しいピンク色。イチゴやピンクグレープフルーツ、バラの花のようなアロマが広がります。フレッシュな味わいが魅力的なロゼで、明るい時間にワインだけで楽しんでもよし、普段の晩酌で楽しんでよしのワインです。
商品ページはこちら
COCOSさん商品ページより引用
このワインを選んだ理由を聞くと「ザックリですが」といいながらもこう答えてくれました。

探したのは高日照地域でフルーツ感がありながらも、キレのいい酸味と軽い口当たりを備えたロゼ。その中で南アフリカからロングリッジのエミリーも考えた。ただ20人と大規模なワイン会でいろいろな人が来るので、一般消費者の心をつかむのが上手なファンティーニの味づくりにかけた形。このワインはわざわざガラス栓で酸素を絶ったボトリングをしている。それもフレッシュ感のある果実味につながっているだろう。
生産者の味わいの傾向まで掴み、提供される側の心理まで想像してチョイスするあたりはさすがはプロですよね。
ペアリング②前菜
続きましては前菜。
こちらもまずはセオリーの確認からしてみましょう。

前菜は一皿に数種類の料理が並び、野菜・魚・肉が少しずつ使われている。単一の料理に合わせるのではなく、幅広い料理とほどよく相性のいいものが望ましい。
よく用いられるのはライトな白ワイン。
料理 マイカのモンブラン

貝類って案外赤ワインと合うと思っていて、イカタコは貝の別進化形態みたいなものだと思えば自然と赤と合わせる構想ができます。
貝の中でもホタテやタイラギのように淡白なものは赤は難しいですが、例えばサザエやアワビ、牡蠣なんかは赤と合わせられます。肝のコクや旨味なんかも一役買ってくれていますね。
ふむふむ。勉強になります。


今回の料理は3つのパーツから成っていて、まずペースト状の白いものは、イカの身、柚子のピューレ(果汁を絞って細く刻んだものを茹でこぼして苦味を抜き、絞った果汁を戻して煮て冷やしたもの)、オリーブオイル、ホワイトバルサミコ、少しの塩を混ぜ合わせてあります。
短い文章ですがとても手間がかかっていることが想像できます。


次にトップにあるのは、イカの身を5mm角にカットしたもの、そして中に仕込んであるのが、ゲソ、イカの肝、にんにく、玉ねぎをソテーし、粗く潰したものです。
この中に仕込んである肝の和え物が文字通りペアリングの”肝”になっているように思いました。

トップにブラックレモン(柑橘を真っ黒になるまで乾燥させて粉状にしたスパイス)を散らし、細かいパウダー状の塩をあしらってモンブランを演出、ローズマリーを飾りにあしらいました。
全体を通して柑橘の香りが爽やかでそれでいてしっかりとコクがあって。
塩にもこだわっていて、そのさじ加減がまた抜群。
それぞれのパーツが料理としても成立するおいしさで、それを立体的にかつワインとの構成も考えて組み立てられているのはさすがの一言。
奇抜な構成のようでとても理にかなったペアリング体験でした。

ワイン メンシア
そして今回選ばれたワインがこちら。
Adegas Guimaro / Camino Real 2021

「まるでピノ・ノワール」というのは使い古された煽り文句ですが、3000円程度のこの価格でならやはり魅力的です。
ブラインドテイスティングならスペインのメンシアとはとても思えません。タスマニアのような冷涼産地でピノ・ノワールに全房発酵を使えば、こんな香りがでそう。そう感じました。味わいも少し共通点があり、酸味の伸び方は少し違うものの、軽やかな口当たりのスムースさは「まるでピノ!」。渋味が少ない点でピノ・ノワールが好きな方には全力でおすすめできます。
きっと「手頃で濃厚なワインが見つかる」というスペインワインのイメージは大きく変わるでしょう。商品ページはこちら
cocosさん商品ページより引用

青野さんが「メンシアとイカがいい感じ」だと言っていて全然想像がつかないからこそこ挑戦してみました。
選考の段階でちょうど試飲する機会があったために決めたもの。
私の中ではコースの前菜って3品くらいがちょっとずつ一皿にならぶイメージだったので、1:1ではなくいくつかの料理に幅広くあうものとして、ブレンドの赤ワインを探す。候補としてソーコル・ブロッサーのエヴォリューション・レッドなども考えたが、この「カミーノ・レアル」のピノ・ノワールっぽい香りが面白かったので採用。開けたてはもっとボディ感があるので、提供の5時間前抜栓。
実は提供する側も半信半疑だったこのワインの提案。
案の定参加者の皆さんの驚きも相当のものだったと思います。
後日再現ペアリングをされている方もチラホラ見られました。
ペアリング③魚料理
続きましては魚料理。
まずはセオリーのおさらいを。

前菜と違って火を通して油をつかって調理することの多い魚料理。それにあわせて適度にボリューム感があありつつ、次の赤ワインに勝りはしない強さ。
しっかりとした白ワインが選ばれることが多いカテゴリー。
料理 鰤の温かいテリーヌ


シャンパーニュに愛媛の魚を合わせるなら、今の季節何がいいだろうと考えたとき、寒鰤がいいだろうと思い付きました。
ワインと料理を合わせるときに考えることはいろいろありますが、『シンプルなワインはシンプルな料理と、複雑なワインは複雑な料理と合わせる』というのがその一つ。
例えばロワールのミュスカデと味の構成が複雑で重めの料理だと、ワインが消えてしまいます。
料理とワインの格を合わせるという事でしょうか。
季節感や地元食材を楽しんでもらいたいという出発点。
好きです。

今回はシャンパーニュ、酸味しっかり、コクも深みもたっぷり、香りの要素も多く、余韻も長い、そいつに対抗する魚料理。
イメージは、鰤で作るパテドカンパーニュでした。
にんにく、玉ねぎをみじん切りにしてソテーし、小さめの角切りにした鰤を、半量はフードプロセッサーにかけ、半量はそのまま卵、塩、数種類のハーブと合わせます。
型に詰め、中心には鰤の塊を棒状に入れ、オーブンで湯煎焼きにします。提供前にカットしてオーブンで焼いて鰤の脂と風味が感じられるようにし、フェンネルの塊茎をスライスしたものを添え、香りのアクセントにキャトルエピス(4種のスパイスを混合したもの)をふりかけたら完成。
ハーブは、フェンネルの葉、オレガノ、ドライセージ、フェンネルシードを粗く挽いたものが入ってます。
季節感×地元食材×スパイス
という青野さんを凝縮したようなお料理でしたね。
フェンネルの断面が「パールのネックレスみたい」って仰っている方がいて、
素敵な例えをする方だなーと感心しておりました。(どこに感心してんねん)

ワイン シャンパーニュ
合わせましたのはこちらのシャンパーニュ。
Lanson / Black Creation

今回のテーマに相応しくコースの真ん中での登場。
待ってたぜ!!という方も多かったはず。
まずは味わいについて。
ベースワインの醸造を主にステンレスタンクで行うことと、マロラクティック発酵を実施しないことです。シャープでピュアな果実味が現れ、高い熟成ポテンシャルを持ちます。細身でシャープな味わいは、料理と合わせてこそ活きるもの。週末にちょっと贅沢な料理をつくって楽しむおうちディナーを彩ってくれるでしょう。新鮮なライムやオレンジ、青リンゴなどの爽やかなアロマに、ほのかにトーストのニュアンス。高くシャープな酸味は、気分をリフレッシュしてくれそう。非常に透明感のある洗練された味わいです。
商品ページはこちら
cocosさん商品ページより引用

最初に決まったのがこのワイン。モトックスさんの試飲会にてこれを飲んで、「ランソンって料理ありきの味だよね」と感じたのが、このテーマを思いついたスタート。「白を魚料理に、ロゼを肉料理に」という案も思い浮かんだものの、予算の関係で断念。ロゼは味わいにボリューム感がしっかりあって、単体で飲むのもおすすめ。
今回はこのランソン・ブラック・クリエイションの同キュヴェのブテイユ(通常サイズのボトル)とマグナム(2倍の1.5ℓサイズ)の飲み比べもして頂きました。

実はマグナムの方は魚料理とお肉料理にも合わせていただこうという作戦でしたが
コム兄が料理提供にもたついたのと皆さん比較テイスティングが捗っていて
肉料理が提供された時にはシャンパーニュが残っていないという事態も発生していたとかいないとか。
やっぱりマグナムは美味しいかった(語彙)

ペアリング④肉料理
こちらもまずはセオリーのおさらい。

メインディッシュの肉料理をしっかり受け止めるボリューム感。加えてこの当たりになると飲むペースがダウンすることも多いため、料理が先に無くなってワインだけで楽しむことも想定される。
セオリーはしっかりとした赤ワイン。
料理 イノシシ
お肉料理はコム兄が担当いたしました。
イノシシのハーブロースト クルミの白いソース

もちろんコム兄が仕留めて解体したイノシシ。
この個体は50キロを超えるメスの脂の蓄え方が凄かったイノシシさん。

そのイノシシにタイム、セージ、ニンニク、オリーブオイルで作ったペーストを塗って
香りをつけてローストしたもの。

焼くのに手こずってしまって提供が遅くなってしまってすみません。


今回は白ワインに合わせてという事でしたのでソースも白いソースにしてみました。
白く仕上げたいというのもそうなんですが”出来るだけタンニンを除去したい”、”口あたりを滑らかにしたい”という思いからクルミの薄皮を剥くという狂気じみた作業をしてみました。
200gのクルミの薄皮を剥くのにかかった時間はたっぷり2時間。

参加者の皆さんには濃厚なコム兄の2時間を味わっていただきました。(なんか違う)
全体的に野菜が少ないなと感じていて直前に購入して申し訳程度に添えたベビーリーフがなんとも健気で良かったと思います(は?)
ワイン 樽シュナン
ワインは先ほどのランソンを少し残して頂いてお肉料理にも合わせていただきました。
その後にこちらのワインも提供し味わいや感じ方の違いを楽しんでいただこうという提案でした。
Stellenrust / Barrel Fermented Chenin Blanc

味わいについても紹介します。
ヴァニラや香ばしいオークの香りに続いて、アプリコットやパイナップル、ナッツなどのフルーツ香が豊かにあふれだしてきます。口当たりはなめらかリッチでクリーミー。濃厚なフルボディのシュナン・ブランです。これほどリッチなシュナン・ブランはなかなかないでしょう。
商品ページはこちら
COCOSさん商品ページより引用

「ランソンのあとに飲んでも印象が薄くならない、インパクトのある白ワインを」ということで考えた。カリフォルニアなどにいくらでも樽シャルドネはあるが、リッチな味わいでこの価格だと酸が低めになってしまうしありきたり。一ひねりを加えるために、樽香はあるがシャルドネではないものを。ステレンラストはシュナン・ブランをかなり遅く摘むので、樽に負けないフルーツ感があるからチョイスした。
ワインラヴァーの喜ぶ姿を思い描いて一ひねりも二ひねりもしてのチョイス。
さすがっす!!

ペアリング⑤パスタ料理
お肉のあとにパスタが出てくるという時点で変化球気味ではあるんですけど
紹介の前にセオリーを確認してみましょう。

主食に米を持ってくるなら、なかなかワインのペアリングが難しいことも多い。その分ワイン以外のお酒も提供されることの多い、独自性をアピールしやすいポジション。
今回はそもそも独自性が渋滞気味な気もしますが気になるペアリングはどうだったのでしょうか。
料理 濃厚ペンネ
続くペンネもコム兄が担当しました。
その名も
鹿のコンソメとクルミの濃厚ソース〜鬼かけパルメザン〜

ネーミングセンスの乏しさについては自覚しておりますのでほっといて欲しいのですが、こちらのソースにも先ほどのクルミのソースを転用しております。
そこに鹿のコンソメの澄んだ旨味と複雑味、さらにパルメザンチーズの奥深さをプラス。なかなか濃厚なソースになったかなと思います。
トップにはアミューズで使う予定で忘れていた葉っぱをちょろり。
葉っぱとか忘れちゃうよねー(わすれちゃうよねーじゃねぇよ)
ソースがややシャバってしまいましたが美味しくできたんじゃないかと思います。

ワイン
ワインは肉料理に引き続きステレンラストのシュナンブランを合わせていただきました。

上記のシュナン・ブランにあわせるために、パスタの順番を変更。結果的にシュナン・ブランは、イノシシのソースにもパスタにもあっていたと思う。
ワインや料理の流れを考えてパスタの順番まで変えてしまう姿はまさにファンタジスタ。
ワイン会マスターの称号を授けようと思います(どの立場で言ってんだよ)

ペアリング⑥デザート
最後のペアリングの前にこちらもセオリーをしっかり復習しておきましょう。

赤ワインに負けないインパクトがあり、酔っぱらった舌でもハッキリ味を感じられるもの。お酒の許容量は人それぞれであるため、望む人だけ飲むという場合が多い。ゆえに保存性が高いお酒が望ましい。
セオリーはデザートワインorスピリッツ。
料理 2種類のカカオフロマージュとはれひめのコンフィチュール


デザートは最初にチョコっぽいものを出すと決めてたので、それに合わせてワインを決めてもらいました。
生チョコのような重さだと食事の最後はしんどいので、口当たりの軽いものを。
そしてチョコとオレンジピールの相性がいいのはみなさんご存知だと思いますが、ここにみかん系品種のはれひめをコンフィチュール(※かっこよく言ってるけどジャムです!)にしたものを添えました。
煮る際にマール・ダルザスとバニラを入れて風味をリッチに。最後の一皿を甘美に締めくくります。
ここで裏話を一つ。
青野さんは事前準備のために早めに会場入りしてこのデザートをカットして冷蔵庫に入れていたのですが
まさかの冷凍室に入れてしまっていたことが提供直前に判明。
カチンコチンの状態で発見されました。
慣れない場所で料理をするとアクシデントは付きものなんですがこれには参りましたね。
レンジで数秒ずつ温めて提供させていただいたので溶けてソースみたいになっているものもありましたが
それはそれで結果的には良かったんじゃないかなと思います。
ワイン 甘濃カベルネ
デザート用にチョイスされたワインがこちら。
Meiomi / Cabernet sauvignon NV

いろいろなベリーを煮詰めたジャムやヴァニラ、シナモン、チョコレートなどの甘い香りが漂います。口に含んで感じるのも、「果実味」というより甘さ。酸味も渋味もほぼ皆無で、チョコレートソースのようにまったり滑らかな口当たりです。
フランスワイン好きにはおすすめしません。きわめて好き嫌いの分かれる味わいです。
おすすめするのは赤ワイン自体が苦手で甘いものは嫌いでない方。いくつか赤ワインを飲んでみたけどあまり美味しいと感じられなかった方にこそ、ひょっとすると「こんなの飲んだことない!飲みやすい!」と感じてもらえるかも?例えがむしろ分かりづらいかもしれませんが、ドイツ産の甘口ドルンフェルダーの風味によく似ています。
商品ページはこちら
COCOSさん商品ページより引用

当初このポジションは、「セオリーを崩す」という意味から甘口の泡でしめようかと思っていた。キャンベル・アーリーかマスカット・ベーリーAのロゼ・スパークリングで。ただデザートにチョコレートを使う案も出たので、「普通なら肉料理に合わせるカベルネ・ソーヴィニヨンを、デザートに持ってくるのも面白いのでは?」と変更。全然カベルネの味がしない、ドルンフェルダーみたいなメイオミをチョイス。
片山さんは「正直自分が好きなタイプではないけど」と仰っていましたが、
自分の好みとワインのもつ役割を分けて考えて提案されているのはさすがプロです。
俯瞰するというか客観的に喜ばれるものを提案するのって実は難しかったりしますもんね。

食後のお飲み物
今回の飲み物の中で一番物議をかもしそうなのものの登場です。
その前にセオリーを押さえておきましょう。

これまでのお酒で体の水分はむしろ失われている。その水分補給とともに暖かい飲み物で気持ちをリセットし、「さあ帰宅しよう」という雰囲気をつくるもの。
一般的にはコーヒーや紅茶が提供されることが多い。
あがり~酒飲みたちの梅昆布茶~
そして”あがり”のベースになったワインはこちら。
ココファームワイナリー / 風のルージュ

まずはベースとなったワイン単体の味わいをチェック。
北海道産のツヴァイゲルトを使用。オーストリアでメジャーなこの品種は、甘酸っぱいような風味と爽やかな酸味が特徴で、北海道を代表するブドウの一つです。
《公式テイスティングノート》
色合いは濃いガーネット。香りはブルーベリー、プラムなどの果実に黒胡椒の様なスパイス、カカオの様なオークのニュアンスも感じられる。口当たりはフレッシュな果実味や軽快な酸味を感じた後、スパイシーで柔らかいタンニンの余韻が続いていく。商品ページはこちら
COCOSさん商品ページより引用

フレンチやイタリアンのコースなら、食後に提供されるコーヒーや紅茶。それから寿司屋のあがり。食べ終わって一息ついたタイミングで、「そろそろ帰る準備をしますか」というムードをつくるべく、熱い飲み物を用意したかった。最初考えたのはジルヴァーナーの白出汁割りで、これは美味しいことわかってるから他にないかを考えた。同じようにワインにうま味を合わせるものとして昆布茶。「梅昆布茶」があるくらいだから梅の風味を足すイメージが良いだろうと、ラベル不良で買って帰ってきてた「風のルージュ」を試したらビンゴでした。
中盤から後半にかけてはもはや何を言っているのか分からないレベルである。
こちらが調合される様子。

衝撃映像にもほどがある。
我ながらシャッターチャンスを逃さずよく撮ったものだと思う。
恐らく後にも先にもワインに昆布茶を混入するのを目撃する機会は無いだろう。(諸説あり)
そして完成したものがこちら。

異様な光景だったが飲んでみるとなかなかどうして悪くない。
飲み物として成立している。
ワインのプロが幾重にも失敗を重ねて作った汗と涙の結晶である。
(ワインのチョイスと比率を間違えるととんでもないことになります)
縁もたけなわ
それにしても楽しい時間はあっという間に過ぎ去っていきます。
提供が終わって片付けを始めますがゲストの皆さんもお手伝いくださいました。
ありがとうございました。

片付けながらも爆笑している姿からも楽しかった会の雰囲気が伝わると思います。
食洗器が無かったので泣く泣く使い捨てのお皿を使いましたが
本当に片付けが早く終わってよかった。
紙皿万歳。
そして最後に皆さんでパシャリ。

この後新幹線で帰らなきゃいけないという参加者の方がいて大急ぎで撮りました。
ちょっと待て!コム兄の顔がデカすぎるんじゃないか?
というコメントは禁止でございます。
僕が大きいんじゃなくて皆さんが小さいんですよ。
頭がデカくて脚が短い。
って誰がブルゴーニュグラスやねん。
延長戦~酒がたりねぇ!そしてブラインド第2弾~
片付けの終わりが見えてきて落ち着きかけたのも束の間
「会場って何時まで使えますか?」
「二次会しませんか?」
これである。
隙あらば飲もうとする。
これだから酒飲みは好きだ。
酒飲み諸君。愛しているぞ。(急にどうした)
そしてコム兄達が撤収している間に買い出ししてくださったものがこちら。

心なしか輝いていてイキイキしているようにすら見える。
バタバタしていてあまりゆっくり飲めなかったし、参加者の皆さんともお話しできていなかったので本当に嬉しかったです。
ほんでワイン好きが集まるとたちまち始まるのがブラインドテイスティング。
しかも紙コップだからうまく香り取れないし、タンニンだけが頼りみたいなブラインド。
もうやめなさいってw(楽しかったです)

楽しすぎて「電車間に合わなくてもいいかなー」なんて一瞬よぎりましたが
皆さんが「早く帰った方がいいよ」と正気に戻してくださったお陰で無事に帰宅できました。
片付けもソコソコに帰ってしまってすみませんでした!!!
最後に

いかがでしたでしょうか。
これが変態が渋滞した真ん中シャンパーニュの会の全貌でございます。
実は遊び半分でやった企画ではなくて
随所にこだわりや配慮、優しさが散りばめられていたことがご理解いただけたのではないでしょうか。
いくつか反省点もありますがとても楽しく、学びも多い会になりました。
飲み方、飲む順番は工夫次第でいろんなアレンジ方法があるし
そういった事を考える事自体が料理やワインの味わい方の幅を広げてくれたり理解が深まる事に繋がるのかなと思ったり。
そして、セオリーというかクラシックの偉大さも再確認。
ワインは人をつなぎ、笑顔をもたらしてくれるという事も再認識した素晴らしい夜でした。

企画をしてくださった青野さん、片山さん、Yukariさん。
参加してくださった皆さん。
本当にありがとうございました。
最後におまけ。
寝ている間に野菜に喩えられていたDMでのやり取りを公開。

ボコボコしてて種が多くて苦いゴーヤに喩えられたのは
髪がパーマでぱやぱやしてて、子供が多くて、癖が強い
という解釈でよろしいでしょうか?(あってるw)
という事で今後はペコ兄として活動していこうと思いますのでよろしくお願いします(違)
という事で今回はここまで!
ではまたっっ!!
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