お待たせいたしました。
皆さんお待ちかねのコラボワイン会の最終章。
パート3 南アフリカワインvsスペインワイン編の紹介です。
ちなみにワイン会までの道のりを紹介したパート1、道程編
1部で提供された料理やワインを紹介したパート、2よだれを垂らして読め編
まだご覧になっていない方は是非チェックしてみて下さいね。
第1部の雰囲気から打って変わって
青野さんとえいじさんの(便宜上)対決形式で行われた第2部。
どんなワインが提供されたのでしょうか。
コム兄はどんなワインを飲んだのでしょうか。
早速いってみましょう。
ちぇけら。
ワインリスト
まずは第2部のシステムを簡単におさらいしておこうと思います。
この日青野さんとえいじさんにご用意いただきましたのは10種のワイン。
南アフリカ、スペインのワインがスパークリングワイン、オレンジワイン、白ワイン、赤ワイン、プレミアムワイン
というカテゴリーで並んでいます。
ご自身のキャパに合わせてそれぞれ50ml、100mlから選んでいただいてお好みのものを飲んでいただくというシステムでございました。
「私は泡が好きだから」
「一番高いやつをください」
「飲み比べがしてみたいでござる」
「無敵艦隊を誇るスペインのワインを下さい」
「南アフリカのワイン飲んだことないから挑戦してみようかしら」
「順番に全部ください」
こういったあらゆるニーズにお応えする素晴らしいシステム。
でもここまでは別に大して珍しくないかもしれません。
ただ飲んで美味いで終わらせないのが今回集結したメンバーなわけですよ。
飲み比べることで”違い”を感じることが出来、さらにお二人からの解説によって深めることが出来る。
文字通りワインを楽しむ贅沢な時間なのでした。
欲望まみれのコム兄はもちろんコンプリートセットをオーダー。
(主催側なんだから片付けとか何やかんやしなさい)
という事で口中も脳みそもBring Bringに刺激頂ける内容になっておりました。
SPARKLING WINE
といことでまずはスパークリングワインのカテゴリーで提供されておりました2種類のワインから紹介させていただければと思います。
Testalonga / El Bandito I Wish I Was a Ninja
まずは南アフリカのこちらから。
テスタロンガ / アイ・ウィッシュ・アイ・ワズ・ア・ニンジャ[コロンバール]
コム兄的第2部の幕開けをしてくれたのがこちらのワイン。
「こちらのワインは残糖が60g/ℓある段階で打栓して二次発酵、
10カ月後デゴルジュマンということで、甘やかな香りは感じるんですが、あくまでも辛口の仕上がりなのです」
と仰っていたように思います。
何というかレモネードっぽい感じといいますか、
辛口といえども程よい甘やかさと決めの細かな泡が疲れを癒してくれました。
ライムのような柑橘の香りもあるんだけど洋ナシとかリンゴのコンポートっぽさもあったり。
うっすら濁りもあって酵母感も感じられます。
甘さと爽やかさが美味い具合に溶け合っていて最高。
エチケットに描かれているのはオーナー醸造家が友人宅でBBQを楽しんでいるところで
「友だちと過ごすときの心弾む気分を、このワインを飲みながら感じて欲しい」
という思いが込められているんだそう。
ちなみにワインの名前にある”Ninja”は「担当の日本人と忍者の話で盛り上がって」
という事らしいです。
こんなにパリピで楽しそうなBBQをしてみたいので
コム兄やってもいいよーって方をゆる募しておきたいと思います。(誰が興味あんねんw)
Albet I Noya / Efecte Ancestral Natural Reserva Brut
対するはえいじさんチョイスのスペインのスパークリングです。
アルベット・イ・ノヤ / エフェクテ・アンセストラル・ナチュラル・レゼル・ブリュット[チャレッロ]
チャレッロといえばカヴァに使用される三大品種(チャレッロ、マカベオ、パレリャーダ)として知られていると思いますが
コム兄の中では”酸味担当”というイメージの品種。
ご一緒した方によると
「カヴァは他のスパークリングワインと比べて独特な風味というかクセを感じることが多いと思うんですが、
その風味を出しているのがチャレッロだと思う。」
と。
なるほど。
確かに独特の土っぽさというか他の地域のスパークリングワインには無い独特なニュアンス感じます。
誤解を恐れずに言ってしまうと
「混じりっけなしのクセ担当チャレッロ100%造られた、凝縮された飲むクセ。」
本当に誤解を与えて風評被害が出てしまうと良くないので念のため言っておきますが
クセとはいっても全然ネガティブじゃないんですよ。
えいじさんがたしか
「標高300mくらいでとれたブドウを使っている」
と言っていたような気がします。
その影響もあってか熟したニュアンスも有りつつもとてもフレッシュな酸味があるという素晴らしい味わい。
エチケットに描かれているのは受粉に多大な影響を与えてくれる蝶々へのリスペクトからだそう。
どちらのスパークリングもとっても美味しかった(薄いコメントすな)
ORANGE WINE
いまやすっかり定着したと言ってもいい”オレンジワイン”。
とはいえ、品種や作り手の考え次第ではとんでもないバリエーションがあるのがオレンジワイン。(他もそうですがw)
どんなオレンジワインが登場したのでしょうか。
Craven / Pinot Gris
クラヴァン/ピノ・グリ
こちらは南アフリカで造られるオレンジワイン。
青野さんは参加されているゲストの理解度に応じて
オレンジワインとは?
という基本情報のところから、味わいやお店での使い方など
説明を使い分けてらっしゃたように思います。
明るい赤銅色って感じの外観だったように思います。
濃い色調とは裏腹にとても軽やかで(いい意味で)個性が強すぎず、
野イチゴとかピンクグレープフルーツのようなの香りから土っぽいニュアンス。
ノドを通った後の余韻とタンニン由来のほのかなグリップ感。
席を立ってあっち行ったりこっち行ったりしながらで落ち着いて飲めなかったのがとても残念でしたが
美味しいワインでした。
Jimenez Landi / Vino Naranja 2022
ヒメネス・ランディ/ビノ・ナランハ[ガルナッチャ/マルバール]
こちらはスペインのオレンジワイン。
先ほどのオレンジワインよりもコム兄的にはオレンジワイン感を強く感じたワインでした。
というのも決してネガティブな意味ではなくて。
コム兄がオレンジワインの特徴というか共通して捉えられている要素が”生姜の香り”とか”オレンジピールのニュアンス”くらいしかないというのが問題なのかもしれません。
マドリッド市から北に行ったところにある山脈の高い標高で、かつ高樹齢のブドウから造られているワインだったように思います。
気候に関しても仰っていたように思いますが、残念ながら覚えていません。
でもきっとスペインの中央部なので大陸性の気候なんじゃないかと推測しますが、どうなんでしょうか。(自分で調べろ)
先ほどのワイン(クラヴァンさんのオレンジ)に比べると色調が薄かったですが、
これは50%使われているグルナッシュは果汁だけを使っているからなんでしょうね。(違ったらごめんなさい)
アルコール度数もしっかりしていて飲みごたえがあってとても美味しかったです。
こちらのワインに50%も使われていますがヒメネス・ランディさんのガルナッチャが「スペイン最高峰」という噂を聞きましたので今度挑戦してみたいと思います。
WHITE WINE
Alheit Vineyard / Cartology 2020
アルヘイト・ヴィンヤード/カルトロジー[シュナン・ブラン主体]
こちらは南アフリカで造られた白ワイン。
引き締まった柑橘からふくよかなパイナップルのような香りまであって、なんとも芳醇な香り。
飲んでみてると香り通りの凝縮した果実感と豊かな余韻と、湧き上がってくるかのような酸味とほのかな塩味。
「クレッシェンド・アシッディティですね。」
なんてドヤ顔で言っちゃったりして(爆)
それもこれもえいじさんがロワールの会で仰っていたシュナンブランの酸の特徴を転用しただけなんですが
追いかけてくるような、伸びあがってくるような酸味の事をこういう風に表現するそうです。
ちなみにその時の会の様子はこちら。
ここぞというときに使えて嬉しかったです。
もう一回言わせてください。
クレッシェンド・アシッディティ(うるさい)
「言われなかったら良いシャブリと思うかも」
という声も聞こえてくるくらいにとてもきれいなワインで、本当にコム兄好みのワインでした。
重なるハーモニーが美しいんだけど重厚過ぎないと言いますか。
管楽器で奏でられる軽快な感じといいますか。
音楽をやったこともないし、聞きに行ったこともあまりないのであくまでもコム兄の脳内のイメージでしかありませんが。。。
Barco del Corneta / Parajes Del Infierno Las Envidias 2016
バルコ・デル・コルネタ/ラス・エンヴィディアス[パロミノ]
南アフリカの白ワインが正統派だったのでユニークなワインをと言って提供されましたのがこちらのワイン。
使用されているパロミノ種といえばコム兄の脳みそではシェリーを造る品種くらいにしか認識されておりません。
聞くところによるとパロミノは香り、酸味、糖度が控えめな品種なのだそうで、
酒精強化されるシェリーに適しているのだと言います。
やっぱりね。あってんじゃん。
じゃあなんでそんな”没個性”のパロミノからスティルワインを造ったのか。
詳しい事は忘れてしまいましたが(おい!!!)
こちらも高い標高の樹齢100年くらいの古木で、丁寧に選果をして造っているという事だったように思います。
高い標高と高樹齢。
凝縮した果実味と綺麗な酸味が保持されそうなイメージが付きますね。
でもそれだけではなく、こちらのワインがユニークなのはフロールの下で12か月(だったかな)熟成させるという事。
(きっとそれ由来の)ナッティーさや酸化したリンゴのような
なんというかジュラっぽさというかシェリーっぽいニュアンスを感じられたと思います。
塩味を感じたのはこちらのワインだったかな?
もはやメモも取っていないのでごちゃごちゃになっていますが
いずれにしても美味しいワインでした。
あちらのお客様から
今回参加されたとあるトミーさんからワインの差し入れがありまして、
せっかくですので参加された皆さんにもという事で
「あちらのお客様からです」
と言いながら提供させていただきました。
「ドメーヌじゃないんですけど・・・」
と申し訳なさそうにされておりましたが、なにを仰る!って感じですよね。
ルロワ女史のお眼鏡にかなったワインでワインラヴァーなら一度は憧れるってなもんですよ。
コム兄の采配ミスで冷やし過ぎていたのでコンディションが整うまで時間がかかってしまいましたが
とっても素晴らしいワインでした。
じっくりじっくり、じっくり時間をかけて有難くいただきました。
こういったワインを皆さんとシェアして幸せを分かち合ったり、
感じられた要素をシェアしながら「分かる分かるー!」って言いながら飲むワインって本当に美味しいですよね。
多幸感を共有している感じがして嬉しくなっちゃいます。
トミーさん本当にありがとうございました。
そして、改めてお子さんの誕生おめでとうございます。
RED WINE
Testalonga / Baby Bandito Follow your dreams
テスタロンガ/ベビー・バンディート・フォロー・ユア・ドリームス[カリニャン]
テスタロンガさんは泡に引き続き本日2本目の登場。
マグナムという事でとっても楽しみにしていたのですが、残念ながらブショネでございました。
期待していただけにとっても残念ですがこればっかりは仕方ありません。
「ブショネの教材としてもし興味ある方がいらしたら」
という事で皆さんでブショネに関して理解を深めるいい機会?になりました。
万全な状態のものを必ずやリベンジしたいと思います。
Dit Celler / Selenita Nit 2020
ディット・セリェール/セレニータ・ニット[ガルナッチャ/サムソ]
気を取り直しまして満月のエチケットが印象的なこちらのワイン。
ビオディナミと関係しているんでしょうか。
ガルナッチャとサムソのブレンドという事で南仏のイメージかと思いきや
確かにジャミーな果実の濃厚さあるものの、丸みがある酸味や緻密なタンニンがバランスよくってとてもしなやかな印象。
うめぇ!!
先ほど紹介したヒメネス・ランディのオレンジワインにもグルナッシュが使われていましたが
こちらはより地中海からの影響がある地域とおっしゃっていたように思います。
スペインの地名と地図があやふやになっていたコム兄は地図とにらめっこしながら
「へぇー」とか「なるほど」を連発していたように思います。
分かったふりじゃ情けないのでシッカリと学び直したいと思います。
PREMIUM RED WINE
泡、オレンジ、白、赤と一通り網羅されていましたがこれで終わらないのが今日のスペシャルコラボワイン会。
プレミアムなワインも味わっていただきました。
Stark Conde / Oude Nektar 2019
スターク・コンデ/オゥデ・ネクター[カベルネ・ソーヴィニヨン]
こちらはスタークコンデが手掛けるフラッグシップワイン。
なんか細かいことは分かんないけど美味い。
黒い果実が凝縮していて、スパイシーで、甘やかで。
樽のニュアンスも心地よくて。
鉛筆の芯みたいな香りもあるんだけど全然嫌じゃなくて。
果実味と酸のバランスがもうなんか幸せで、
もうコム兄の言葉なんかはいらない美味さです。
デカンタージュして頂いて正解でしたね。
超エレガントでセクシーな素晴らしいワインでした。
そうそう、こちらのワイナリーの奥様が日本人らしくてその事でも有名になったワイナリーなんだそうです。
(・・・・知らなかった)
Castro Ventosa / Valtuille Villegas 2015
カストロ・ベントーサ/バルトゥイエ・ビリェガス[メンシア]
えいじさんの説明を受ける前に
「これ実家のワインなんだって」
と酔っ払いによる断片的な情報によって、
「え?」ってなっていたワイン。
詳しく聞いてみると天才醸造家ラウル・ペレスさんが実家のワイナリーに戻って造ったワインなんだそう。
それを聞くと「実家のワイン」もあながち間違っちゃいない。
こちらのワインがまた美味くて。
メンシアって言われなかったら「美味しいピノだね」って思いながら飲んでたと思います。
もはやピノにピノらしさを求めなくてもこういった味わいのワインって他にもあるんだなと思わせてくれるような
素晴らしいワインでした。
先ほどのスタークコンデが黒系果実だとしたらこちらは赤系果実って感じ。
南アフリカ VS スペインという風に対決形式にしたので
どっちが好きですか?なんて聞いたりもしていたわけなんですが、
このレベルのワインになってくると勝ち負けとかどうでもいいのよね。
美味しいワインがあって、それをただ仲間と楽しく飲む。
それでいいじゃんって思えるようなスケールの大きいワインのように感じました。
ソムリエがこんなこと言っていたら怒られるかもしれませんが、
批評家なわけじゃないし楽しんだもん勝ちでしょ、ワインは。
頻繁には飲めないと思いますけど、ラウル・ペレスさんの名前だけはえ覚えておきたいと思います。
今回まとめてみて改めて思いましたが、えいじさんは「標高高い、高樹齢なブドウから作られるワイン」をテーマに選定されていたように思いますね。
濃くて安いイメージのスペインだけど、それだけじゃないぜ!
スペインの新潮流を味わいやがれ!
といったメッセージを勝手に受け取らせていただきました!(違ったらごめんなさい)
最後に
三部作としてお届けしてまいりましたスペシャルコラボワイン会、
いかがでしたでしょうか。
とても楽しくて、学びがあって、新たな縁が広がって。
心が折れそうなときもあったけどやってよかったなって心から思える会になりました。
それもこれもコラボしていただいた青野さん、えいじさん、ななさん。
急遽協力していただき場所を貸してくださった縁さん。
そして、数ある時間の使い方の中からコム兄ワイン会に時間を割いてくださったゲストの皆様。
本当にありがとうございました。
この環境というか状況が当たり前ではないことにしっかり感謝して、僕のできることに邁進していこうと思います。
至らぬ点もあったかもしれません。
それでも少しでも喜んでくださるようにみんなで頑張りました。
またイベントを開催する際には参加してくださると本当に嬉しいです。
最後にコラボメンバーの楽しさが伝わる写真でお別れしようと思います。
ではまたっっっ!
コメント