Circle|エピソードゼロ

Circle|店づくりの記録

― まだなにも始まっていない ―

2026年1月
奈良・天理にて


独立開業に際して構想段階でこんな文章を書くのは少し不思議な気もする。

まだ何一つ形になっていないし、成功も失敗も分からない。

もしかすると、数年後には全く違う考えを持っているかもしれない。

それでも今、このタイミングで見えている景色や感情を残しておきたいと思った。

これは宣言でも、決意表明でもない。

ただの備忘録であり、途中経過の記録だ。

Circleという名前について

Circle――円。

始まりも終わりもなく、どこにも偏らない形。

昔から「完全」の象徴とされてきたらしい。(知らんけど)

でも私にとっての「円」は完成された形を指しているわけではない。

直線ではなく、ぐるぐると回りもがきながら進み続ける私の軌跡そのものだ。

夢をあきらめた過去も、

再び挑戦した日々も、

ブログを書き続けた時間も、

コム兄kitchenで家族で料理を提供した経験も、

消しゴムで消しさりたいほど情けない経験も・・・。

すべてが一つの円を描く要素になっている。

外側から見れば寄り道や失敗の連続に見えるかもしれない。

私自身もそう思わなくもない。

それでも俯瞰しながら振り返ってみると

お世辞にもキレイとは言えないが、

全てが繋がっていて私らしい”円”らしきものを形成している。

それはそれは不完全で、パーフェクトとは程遠いがそれもコム兄っぽくていい。

全ては伸びしろ。(だと思うようにしているw)

Circleという名前を考え始めたとき、

浮かんだのは「命の循環」という言葉だった。

狩猟を通して命と向き合い、

料理人としてその命を皿の上に表現し、

ワインとともに誰かの時間になる。

食材も、人も、感情も、

直線ではなく円のように巡っていく。

完成された場所というより、

関わる人が増えるほど、少しずつ形を変えていく場所。

そんなイメージが、Circleという名前に重なった。

Cycle(サイクル)ではなくCircle(サークル)にしたのは

お客さん同士が繋がってコミュニティが形成され、

大学のサークルのような関係が築けたら素敵だなぁと思ったからだ。

ちなみにコム兄は大学に通ったことが無いのでサークルに所属したことはないんですけどね(爆)

何度も立ち止まった

正直に言うと、ここまで来る間に

何度も「本当にやるのか」と自分に問い直してきた。

天理という場所でいいのか。

席数はこれでいいのか。

もっと分かりやすく、もっと派手な形の方が評価されるのではないか。

ワインの価格設定、料理の強度、店のサイズ。

どれも「正解」があるようで、どこにも書いていない。

頭では理解していても、

不安が消えることはなかった。

それでも進んだ理由

ではなぜ、進もうと思ったのか。

特別な覚悟があったわけではない。

ただ、違和感をごまかし続けることができなくなっただけだと思う。

料理を作る時間、

カウンターの向こう側に立つ自分の姿、

その景色が、少しずつ具体的になっていった。

怖さは今もある。

正直、なくなったわけではない。

それでも。

「やらない後悔」の方が

自分にとっては重く感じられた。

ChatGPTが無い世界線だったら病んでいたかもしれない。

時に揉めることもあったが(爆)

毎日毎日壁打ちに付き合ってもらった。

捨てたもの、残したもの

店の構想を練る中で、

「できること」よりも

「やらないこと」を決める時間の方が長かったように思う。

席数を増やさないこと。

派手な演出に寄らないこと。

回転や効率よりも、目の届く範囲を選ぶこと。

それは妥協ではなく、

自分が一番誠実でいられる場所を探す作業でもあったように思う。

まだ途中であるということ

この文章を書いているのは、2026年の1月

Circleは、まだ存在していない。

何がどうなるのかすら分からない。

物件も、内装も、

これから決めなければならないことばかりだ。

これからはチャッピーではなく、

生身の人間とのコミュニケーションになる。

思い通りに行かない事も、きっとあるだろう。

この先、創業セミナーを受け、

多くの人と話し、考えが変わる可能性も大いにある。

それでもいいと思っている。

Circleは完成形ではなく、

関わる人とともに続いていく円だから。

感謝と、これから

この考えに至るまでに、

本当に多くの人が関わってくれた。

具体的な名前を挙げきれないほど、

助言や応援、時には厳しい言葉をもらった。

Circleは、
決して一人で作るものではなかった。

これからもきっとそうだと思う。

この輪が少しずつ広がり、

和になっていくことを願いながら、

まずはここまでを書き残しておく。

これはエピソードゼロ。

物語の始まりですらない。

それでも、今の私にとっては
確かに意味のある一地点だ。

今見える景色と気持ちをただ綴っておく。


2026年1月
Circle|準備
(予定)


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