【最終回】奈良ワイン会 オーストリア編

コム兄とワイン

皆さんこんにちは。

今回の奈良ワイン会はオーストリアワインをテーマに開催されました。

そもそもオーストリアってどこにあるんでしたっけ?と思ったそこのあなた。

安心してください。

今回の記事を読むことでオーストリアワインの魅力に気が付き、

読み終わる頃には好きになっていることと思います。

言うて責任は取れませんが。

どんな会になったのでしょうか。

早速行ってみましょう。

ちぇけら。

ワイン文化のルーツ

前回は南フランス・プロヴァンス編。地理的にはかなり離れた地域ですが、準備をしているうちに面白い共通点に気づきました。

前回のプロヴァンス編では、マルセイユにギリシャ文化が伝わった紀元前600年頃の話をしました。「フランスワイン文化の始まり」と言われる出来事です。

一方、今回のテーマであるオーストリアも歴史を遡ると、紀元前600〜700年頃にケルト人によってワイン文化がもたらされたと言われています。

つまり、

南ヨーロッパのワイン文化の始まり → ギリシャ文化

北ヨーロッパのワイン文化の始まり → ケルト文化

偶然ですが、2月と3月のワイン会で「ヨーロッパワイン文化の南と北のスタート」を扱う形になりました。

こういう歴史の繋がりを感じられるのも、ワインの面白いところですね。


オーストリアワインの現状

まず知っておきたいのが、オーストリアワインはとても希少だということ。

世界全体のワイン生産量の中で、オーストリアは**わずか約1%**ほどしかありません。

しかもそのうち約8割が国内消費。

つまり輸出量は非常に少なく、日本ではなかなか出会えないワインでもあります。

そんなオーストリアワインの魅力を、今回は8種類のワインを通して体験していただこうと思います。

そして今回のスペシャルゲストは、オーストリアワインのインポーターであるヘレンベルガーホーフ株式会社の大田黒さん。

大田黒さんはドイツワインをテーマにした会でも登場頂きましたが、小気味のいいテンポと語り口調で大絶賛でございました。

今回も各ワインだけではなく産地や生産者のお話まで丁寧に説明をしていただきました。

Langmann / Schilcher Rosé Sekt

最初の一杯はロゼのスパークリング。

**シルヒャー(Schilcher)**というオーストリア特有のワインです。

実はこのワイン、ある意味で有名。

「世界で一番酸の高いロゼワイン」と言われることもあります。

通常、酸の高い白ワインの代表といえばリースリング。

リースリングの酸度はだいたい 6〜8 g/L ほど。

ところがこのシルヒャー、ロゼなのにそれと同じくらいの酸度があります。

昔はなんと 14 g/L もあったと言われているそうです。

使われるブドウは「ブラウアー・ヴィルトヴァッハー」という品種。

なんだかプロレスの必殺技みたいな名前ですね。

名前の意味は、ブラウアー=青い、ヴィルト=野生、ヴァッハー=小川。

直訳すると「青い野生の小川」

この品種は果皮が非常に厚く、普通に赤ワインを造るとガチガチにタンニンの強いワインになってしまうため、

文化的にロゼとして造られるようになったという背景があります。

コム兄はスティルのシルヒャーも飲んだことがありますが、

比較的酸っぱいワインが好きなので特に違和感はありませんでしたが

何の説明も受けずに一般的なロゼのイメージで飲んだらビックリするかもしれません。

それくらいには酸っぱいです。


ちなみにスティルはこちら↓↓



冷製プレート

最初の料理はこちら。

  • コム兄オリジナル リプタウアー
  • サーモンのタルタル
  • 経産牛のローストビーフ

何となくホイリゲをイメージしたような前菜の盛り合わせにしてみました。

シルヒャーの鋭い酸には野菜というよりはサーモンの脂やチーズなどの乳製品を相性が良いと思ってこのようなラインナップにしました。

リプタウアーは本来クリームチーズとバターを練り合わせて、

そこにパプリカやケッパー、ピクルスなどを混ぜ込んだディップのようなものだそう。

現地の食文化やレシピには敬意を払いつつ、

今回は序盤という事でバターの代わりに水切りしたヨーグルトを混ぜてサワー感をプラスしました。

サーモンのタルタルにはよりワインとのブリッジを期待して苺を加えてみました。

春ですしね。

ただ最近の苺に多いような濃厚な甘さの苺ではなく、

いい意味で酸味が立っていて野菜感のあるようなものを選びました。

経産牛のローストビーフはペアリングどうこうというよりは皆さんに食べていただきたいという思いだけで提供しました。

元々は経産牛のアップサイクルに関するお話を聞かせて頂いて、「一度試食してもらいたい」と託されたものでした。

この経産牛に出会えたのも奈良ワイン会のお陰ですから、皆さんに食べてもらいたかったんです。

皆さん喜んでくださって、牛さんも喜んでいると思います。

ありがとう。


オーストリアを代表する品種

続いて登場するのは、オーストリアワインを語る上で欠かせない品種、グリューナー・フェルトリーナーです。

おそらくワイン好きの方なら一度は名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
オーストリア国内でも栽培面積が最も多い品種で、まさに国を代表する白ブドウと言える存在です。

この品種の普及に大きく貢献したのが、レンツ・モーザーという人物。
彼が考案したハイカルチャー方式という栽培方法によって、グリューナーの生産効率は飛躍的に向上しました。

グリューナーは房が大きく、比較的収量が取れる品種。
そのため商業的にも成立しやすく、オーストリア国内で広く栽培されるようになったと言われています。

とはいえ、ただ量が取れるだけの品種ではありません。
このブドウの面白いところは、とにかくスタイルの幅が広いこと

同じグリューナーでも産地によってキャラクターが大きく変わるんです。

例えば、今回のワインはウィーンのスタイル
比較的軽やかで、食事に寄り添うタイプのワインが多い地域です。

一方で有名なのが、世界遺産にもなっているヴァッハウ渓谷
ここではリースリングと並んでグリューナーが名高く、しっかりとしたボリュームとパワーを持ちながら、綺麗な酸でバランスを取ったスタイルが特徴です。

さらにもう一つ興味深いのがブルゲンラント

グリューナーといえばヴァッハウのイメージを持つ方も多いですが、実はこの品種の起源はブルゲンラント州のザンクト・ゲオルゲン村だと言われています。

コム兄調べで大変恐縮なのですが、

具体的にどんな違いがあるのか紹介してみようと思います。

ヴァッハウでは片麻岩や花崗岩といった原生岩土壌と冷涼な気候の影響により、湧水のように澄んだ酸と硬質なミネラルが際立つスタイルになります。

一方でブルゲンラントは温暖なパンノニア気候の影響を受けるため、ブドウの熟度が上がりやすく、洋梨や白桃のようなふくよかな果実味が前に出るタイプのワインが多くなります。

そして今回のウィーンは、その中間に位置するような“端正で清潔感のある”バランス型。

こうして細かく見ていくと同じグリューナー・フェルトリーナーでも、

産地によって驚くほど表情が変わることが分かります。

山菜が出始める今この季節、

オーストリアのグリューナー縛りでワインの勉強会をするのも面白いかもしれませんね。


Wieninger / Grüner Veltliner 2024

今回のグリューナーはウィーナー(ウィーンスタイル)。

青リンゴや洋梨に、グレープフルーツのジューシーさが重なる香り。

白い花の清らかさをまといながら、口に含むと果実の厚みがふわりと広がる。

スパイスは控えめで、代わりにミネラルと柔らかな苦味が余韻を整える感じ。

まさに 冷涼さと果実味のバランス型といったところでしょうか。

これまでコム兄が持っていたイメージはもう少し華奢で白い花のイメージだったので

ヴァッハウ寄りのグリューナーだったんだなと認識することが出来ました。

とても面白い。



Wieninger / Wiener Gemischter Satz DAC 2023

今回用意してくださったゲミシュターサッツがこちら。

コム兄はえいじさんのお陰で何度かゲミシュターサッツを飲ませていただいてそれ以来大好きになりました。

熟した香りもあるのにフレッシュな面もあるというとても複雑なワインです。

一見すると青リンゴや白い花、柑橘の香りがする大人しめのワイン。

ですが食べる料理によっても、中に含まれる食材によって

時にはレモンのような酸味、時には青さを伴ったハーブのような清涼感というように

様々な表情を覗かせてくれるこのワインは本当に素敵だと個人的に思っています。

ヴィーニンガーさんのゲミシュターサッツの上級キュヴェも味わったことがありますが、

まさに芸術の都、音楽の都ウィーンを体現したようなオーケストラのようなワインです。(あくまでもコム兄の個人的な感想です)


ゲミシュターサッツとは?

オーストリアワインを語る上で欠かせないのがゲミシュターサッツというスタイルです。

これは混植混醸のワイン。

つまり

  • 1つの畑に複数の品種が植えられている
  • それを一緒に収穫
  • 同じタンクで発酵

するワインです。

霜害のリスクヘッジ

ボルドーに代表されるような異なる品種のワインをブレンドするというのは他の産地でもよく見かけます。

でも一緒に植えて、尚且つ同時期に収穫して、同じタンクで発酵というスタイルは珍しいですよね。

どういった発想から生まれたものだったのでしょうか。

今でこそゲミシュターサッツは評価されていますが、もともとは農家のリスクヘッジとして生まれた文化でした。

例えば春の霜害。

品種によって芽が出るタイミング、成長のスピードが違うため、

ある品種がダメでも別の品種は無事、ということが起きる。

そうやって安定的にワインを造ってきたんです。

寒いオーストリアという国だからこそのリスクヘッジだったのですね。

先人の知恵が詰まった製法、それがゲミシュターサッツっだったんですね。


ゲミシュターサッツ復興の物語

続けてヴィーニンガーさんについてのお話も紹介してくださいました。

今回のワインを造るヴィーニンガーは、このスタイルを復活させた人物として有名です。

実は彼、最初はゲミシュターサッツを軽視していました。

カリフォルニアで学んできた彼は

「こんなのはお土産ワインだ」

と思っていたそうです。

しかしある時、ニュスベルクの畑を購入。

ところがそこは
完全な混植畑でした。

仕方なく

  • 葉の形で品種を見分け
  • ペンキで色分けして収穫

し、品種ごとに仕込もうとしました。

ただ、どうしても中途半端に残ってしまうブドウが出ます。

その残りをまとめて

ゲミシュターサッツとして仕込みました。

ところ…

それが一番美味しかった。

ここから彼はこのスタイルの研究を始め、品質を高め、

2013年
「ウィーナー・ゲミシュターサッツ」DAC

として法律に認められることになりました。

規定は

  • 3品種以上使用
  • 1品種は50%以下
  • 同時収穫

つまり

品種よりテロワールを表現するワイン

なんですね。

単一品種で畑の個性を表現したワインももちろん美味しいですが、

畑だけではなく文化も含めたテロワールを表現する混植混醸。

是非試してみて下さい。


Sattlerhof / Gamlitz Sauvignon Blanc 2023

ガムリッツ ソーヴィニヨンブラン

今回、僕がどうしても皆さんに飲んでほしかったワイン

オーストリアのソーヴィニヨンブランです。

オーストリアといえば

  • グリューナー
  • リースリング

のイメージが強いのでワインに詳しい方でも「ソーヴィニヨンブラン?」

と思う方も少なくないと思います。

でも実は、世界トップクラスの評価を受けている生産者がいるんです。

それがサットラーホーフというシュタイヤーマルク地方の生産者です。

この地域は

  • 森に囲まれた丘陵地帯
  • 見渡す限りの急斜面
  • 冷涼な気候

という環境。

畑は標高が高く、昼夜の寒暖差も大きい。

そのため、

  • 香りが非常にピュア
  • 酸が美しい
  • テロワールがはっきり出る

ソーヴィニヨンブランになります。

サットラーホーフは特定の品種にこだわる生産者ではなく、テロワールを表現することを最も大切にしています。

グレープフルーツのピュアな香りにエキス分の厚みと引き締まった酸が共存した素晴らしいワインでした。

過度に草っぽくないし、過度にトロピカルじゃないし。

えいじさんが飲んでほしかったっていうのも納得の味わい。

少し大きなグラスでゆっくり丁寧に飲みたいワインでしたね。

試飲がてら立ち飲みしてしまってごめんなさい。


Högl / J&G Riesling Federspiel 2022

続いてリースリング。

酸っぱいワイン好きのコム兄が大好きな品種です。

オーストリアのリースリングにはどんな特徴があるのでしょうか。

今回のリースリングの産地はヴァッハウ渓谷

ドナウ川沿いに広がる世界遺産のワイン産地です。

ヴァッハウではワインの熟度によって

  • シュタインフェーダー
  • フェーダーシュピール
  • スマラクト

という3つのカテゴリーがあります。

今回のワインはフェーダーシュピールというカテゴリー。

つまり比較的軽やかでミネラル感、エレガントさを持つスタイルになります。

ヴァッハウの土壌は

ローム(黄土)と片麻岩

が特徴。

それが

  • 繊細なミネラル
  • 透明感のある酸

につながります。

柑橘や白いお花のような、ザ・リースリングっていう香り(個人差あり)

ドイツで言うところのファルツのスタイルに似ているという表現も。

そろそろオーストリアの深堀したくなってきた人も多いんじゃないでしょうか。

もしやる時はコム兄にも声をかけて下さると嬉しいです。


料理 温製プレート

今回の2皿目の料理は一般的に酸味の強いソーヴィニョンブランとリースリングに合わせて揚げ物の盛り合わせにしてみました。

  • 山菜の天ぷら(筍・タラの芽)
  • バックヘンデル

バックヘンデルはウィーン名物のフライドチキン。なんですって。

普通の粉で作っても面白くないので

デュラムセモリナというパスタを作る粉にスパイスやハーブを混ぜて衣にしました。

ハーブを混ぜ込んだのはソーヴィニョンブランのハーブ感と合わせる狙いだったのですが、

今回のソーヴィニョンブランがいい意味であまり青臭くなかったので少し狙いとは外れてしまいました。

が、タラの芽が上手い事拾ってくれたんじゃないかなと思っております。

筍は時期的にフレッシュの筍がまだ手に入らなかったので水煮になったものをつかいました。

そのままだと水煮臭いので、洗うというか臭みを抜くために出汁で炊いておきました。

こちらの天ぷらはリースリングとあっていたというコメントを頂きました。

水煮であったことや、出汁で炊いたことによって独特のアク由来のエグみというかホロ苦みは抑えられていたように思いますが

それでも山でつくられたワインと山の恵みの筍。

そういった相性もあるのかもしれませんね。

フレッシュの筍が出回り始めたらもう一度試してみたいもんですな。


Moric / Hausmarke Rot Solera

ここで少しトラブル。

本来はツヴァイゲルトを提供予定だったのですが、

間違ってブラウフレンキッシュを持ってきてしまったことが発覚。

そこで急遽ブラウフレンキッシュ飲み比べに変更されました。

その飲み比べの前に提供されたのがこのワイン。

このワインはソレラシステムで熟成された赤ワインです。

ソレラはスペインのシェリーで有名な熟成方法。

樽を積み重ねて古いワインと新しいワインをブレンドすることで

毎年均一な品質を作るという方法です。

このワインは2020年をベースに2021、2019、2018、2017、2016、2014、2012

などをブレンドしています。

なのでノンヴィンテージです。

品種はツヴァイゲルト、メルロー、ピノノワール、ブラウフレンキッシュが使われています。

熟度も様々なラズベリーやブラックチェリーなどの赤黒両方の果実の香りがあったように思います。

フレッシュ感と熟成感が共存した複雑な味わいで、重さというよりは全体的に透明感がある印象でした。

しなやかな酸味と細かなタンニンが心地よくて、ソレラシステムによって均一化されているんだけど中身はとても複雑でした。

これも食中酒として活躍してくれそうですが、すでに終売ということで、かなり貴重な一本でした。

デシカさんの在庫も今回ので最後だったようですが

この記事を執筆現在で取り扱いのあるリンクを貼り付けておきますので興味のある方は是非。



Heinrich / Zweigelt 2019 →Blaufränkisch 2019

ハインリッヒはブルゲンラントの人気生産者。

実は最初は2ヘクタールしか畑を持っていませんでした。

それが今では100ヘクタールの畑を所有しています

きっかけはあるワインとの出会いでした。

かつて彼はボルドーやスーパータスカンのようなスタイルのを造っていました。

ニーズとしてもそういった重たいワインが好まれているような時代でした。

そこへ出会ったのがモリッツのワイン。

同じ地域からこんなにエレガントなワインが生まれるのかと衝撃を受けます。

そこで彼は石灰岩の畑を買い始めました。

石灰岩の土壌は瘦せていて収量が少なくなってしまうので、人気がなく安値で取引されていました。

しかしそこから生まれるのは繊細でミネラル感のあるワイン。

彼はスタイルを大きく変え、一時は多くの顧客を失いながらも、今では世界的に評価される生産者になりました。

このワインは500Lの大樽で5年熟成。

しかも機械収穫なし。

この価格帯ではかなり驚異的な造りです。

ハインリッヒさんは自然派な造り手さんですが、元々クラシックな造りをされていたそう。

そのため、どちらにも寄り過ぎないちょうど真ん中をいくような生産者さんと仰っていたように思います。

確かに言われてみれば「あぁ確かに」と思うけど、言われなければ自然派とは思わないくらいに綺麗な造りでした。

違うキュヴェで恐縮ですが貼り付けてきます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Heinrich Lehitaberg Blaufränkisch 2019
価格:8,990円(税込、送料別) (2026/3/12時点)


今回飲めなかったツヴァイゲルトも気になるところですね。

デシカさんでも購入できると思いますので気になる方はお問い合わせしてみて下さいね。

ワインショップデシカ


Moric / Blaufränkisch Burgenland 2022

オーストリア編のトリを飾りますのはモリッツのブラウフレンキッシュ。

ハインリッヒさんが影響を受けたと先ほど紹介されましたが、どんなワインなのでしょうか。

ハインリッヒとの違いは土壌。

ハインリッヒが石灰岩土壌なのに対して

モリッツは火山性土壌になります。

火山性土壌のワインはスモーキーで少しくぐもったニュアンスが現れることがあります。

これには科学的な根拠もしっかりあります。

同じ品種でも土壌でここまで変わるのか

というのがよく分かる飲み比べでした。

コム兄はスモーキーさは掴めませんでしたが、確かに少しくぐもったような

陰を感じさせるようなニュアンスというか。

それでいて引っ掛かりが全くなくて。

コム兄の持つブラウフレンキッシュのイメージは

どちらかというともう少し田舎臭いというか土っぽさだったりタンニンが少し粗いっていう印象でしたが、

今回飲ませていただいた2つの生産者さんのブラウフレンキッシュはどちらもそれに当てはまらず

とても洗練されている印象を受けました。

いやぁ、美味しかった。


モリッツについて

「モリッツ」というのは人の名前かと思いきや、ロ-ラント・ヴェリッヒが設立したワイナリーの名前。

ブルゲンラントの伝統品種であるブラウフレンキッシュの潜在力を世界に示した造り手として知られています。

ワイン生産者の家系に生まれた彼は家族が営むワイナリーを離れ、自分自身の理想のワインを造るためにモリッツを設立したと言います。

彼が追い求めるワインとは一体どんなワインなのでしょか。

モリッツの哲学は「テロワールの純度を守ること」。
自然酵母による発酵、過度な抽出を避けた穏やかな醸造、古樽中心の熟成など、ワインに余計な要素を加えず、土地の個性をそのまま表現することを重視しています。
そのスタイルはしばしば“ブルゴーニュ的”と評され、エレガンスと緊張感を併せ持つ味わいが特徴です。

彼が追求したブラウフレンキッシュはそれまでの濃いだけの地場品種から

ブルゴーニュに並ぶエレガントで偉大な赤ワインとまで評されるまでになりました。

その結果世界中の星付きレストランでオンリストされ、

「オーストリアにこんな赤があったのか!!!」

という価値観を一変させる存在となったのです。

かっこよすぎるやろ。

コム兄もたとえいばらの道になろうとも、信念をもって突き進んでいこうと思います。


メイン料理

今回のメインディッシュに選んだのは牛ほほ肉の赤ワイン煮。

伝統的なグーラッシュ(パプリカや玉葱と一緒に煮込んだ料理)や

ツヴィーベルローストブラーテン(牛肉のローストに玉葱のソースをかけたような料理)ではなく、

あえてこの料理にしました。

もちろんローカルフードの方が土着品種との相性という意味では最強でしょう。

でも今回のワインは典型的というよりはモダンな造り。

なので作り手の個性を浮かび上がらせたい。という意図のもと、この料理にさせてもらいました。

適当に作っているようで、意外とちゃんと考えてるっていうのがバレちゃいましたね。

そうそう、レシピは前回のイノシシの煮込みとほぼ一緒です。

詳しく知りたい方はこちらから。

仕上げにバターでコクと香りをプラスしようかと思ったんですが、

ゼラチン質がとんでもなく溶け出していて、バターを入れたら重たくなりすぎてしまう。

どうしようかなと思ってコム兄が加えたのがみかんの花の蜜から作られた蜂蜜。

どことなく柑橘の香りというかお花の香りがして美味しいんです。

コクの中にも爽やかさと重たくない甘やかさがプラスされて美味しく仕上がったんじゃないかと思います。

付け合せ1号はザワークラウト。

刻んで、塩とキャラウェイを振りかけて、もみもみして真空パック。

真空パック初日
真空パックから3日目。少し発行してパックが膨らんで知るのが伝わるかな・・・

深みというよりは春キャベツの甘みとほのかな酸味が欲しかったのであえて浅漬けに。

それをさらに炒めて火を入れて甘みを引き出しました。

それから温かいポテトサラダを添えました。

ポテトサラダには牛肉を煮込んだ時の出汁やワインビネガー、刻んだ玉葱など加えて味を調えました。

芋のピューレでもいいんだけど、少し酸味があった方が重たく感じないっていうか。

これはコム兄の完全な好みの話なので、口に合わなかった方はごめんなさい。


最後に

いかがでしたでしょうか。

皆さんもオーストリアワインのファンになったのではないでしょうか。

寒いイメージから酸っぱくて薄い水のようなワインを造ってるんでしょ?

と思いきや、果実味豊かで芳醇な白ワインや偉大な赤ワイン。

世界のワイン地図は生産者の努力と技術の進歩によって日に日に塗り替えられています。

確かに飲んだことが無ければオーストリアのブラウフレンキッシュに6千円、7千円を出すのには勇気がいるかもしれない。

でもその価格に見合った、いやきっとそれ以上の体験を提供してくれるでしょう。

そう思えたのも一重に素晴らしいワインを選んでくださったえいじさん。

そして丁寧に説明をしてくださった大田黒さんあってのことだと思います。

奈良ワイン会VOL.2は今回を持ちまして終了となりますが、

きっとパワーアップして帰ってきてくれることと思います。

その時にはもう一度一参加者として楽しめればいいなと思います。

奈良ワイン会に参加してくださった皆様、本当にありがとうございました。

そして、今後とも仲良くしてくださると嬉しいです。

という事でひとまず 完。

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