No.2 リースリングの女王の辛口リースリング最高峰
Georg Breuer / Rüdesheim Berg Schlossberg Riesling 2022

こちらのリューデスハイム ベルク・シュロスベルクは通常はすぐに完売してしまうほどの人気ワインとの事で
セミナーなんかに使ってる場合じゃねぇよ!!
っていうくらい貴重なワインなんだそう。
2022年ヴィンテージは これまでにないくらいグレートヴィンテージとなり
質・量ともに恵まれた収穫 できたお陰で例年より多め(とはいっても少ない)に入荷できたので
こうしてセミナー用としても確保できたとの事でした。
心して味わいたいと思います。
ワイナリーを率いるテレーザ・ブロイヤー
ゲオルグ・ブロイヤーは、ラインガウを代表する名門ワイナリーのひとつ。
現在このワイナリーを率いているのは テレーザ・ブロイヤー 氏。
テレーザ氏は、20歳の時に父を亡くし、若くしてワイナリーを継承。
現在 41歳 という若さながら、すでに 20年間 ワイナリーを牽引してきた リースリングの女王 とも言える存在。
コム兄とは同世代という事になりますが本当に尊敬いたします。
ちなみに86年生まれのコム兄はダルビッシュ世代でございます。(何のはなしやねん)
先代が築いたゲオルグ・ブロイヤーの名声
先代である父の功績は非常に大きかった。
ラインガウのリースリングを世界に示すべく、ワイン法の策定にも積極的に関与したと言います。
その影響力は VDP(ドイツ高級ワイン生産者協会) の中心メンバーとしても発揮され、
ドイツワインの品質向上に大きく貢献しました。
特筆すべきは、「ゴー・エミヨ(Gault & Millau)」 というワインマガジンにおいて、
ワイナリーの評価が わずかな期間で四つ房(最高評価に次ぐランク)へ昇格 したことです。
しかしながら、先代は若くしてこの世を去ってしまい突然テレーザ氏へワイナリーが受け継がれることとなりました。
テレーザさんの肩にのしかかる重圧がとんでもなかったという事は想像に容易い事ですね。
父の名声を超えたテレーザの躍進
ワイナリーを引き継いだテレーザ氏はプレッシャーを抱えながらも確かな実力を発揮し
ワイナリーの評価を 五つ房(最高ランク)へと昇格 させました。
見事重圧をはねのけ、「父を超えた」と称されるほどの評価を得たのでした。
名実ともに ドイツトップクラスのリースリングメーカー となり
現在では 各種テイスティングコンテストの審査員としても招かれる ほどの存在感を誇っています。
テレーザ氏が手がけるリースリングはその洗練された造りと力強さが共存するスタイルで
多くのワイン愛好家から高く評価されています。
ベルクシュロスベルク:ラインガウ屈指の名醸畑
ベルクシュロスベルクはラインガウの中でも特に優れたリースリングを生み出す畑のひとつです。
その特徴についても紹介していただきました。
圧倒的な斜度と地形

この畑は 最大斜度45度 という急勾配を誇りまるで「壁」のようにそびえ立っています。
ラインガウの地形を俯瞰するとライン川が南から流れてきて
この地域で大きく曲がることで南向きの斜面が形成されています。
通常ライン川沿いの産地では川が南から北へ流れるため
斜面の向きが 東向きまたは西向き になりがちです。
しかしラインガウは特殊な地形により 全面が南向き という、まさに 日照条件に恵まれた“超優良物件” なのです。
そのため、カール大帝がこの地を見初めたという逸話も残っています。
洗濯物もよく乾きそうですからカール大帝が目をつけるのも頷けますもんね(違)
ラインガウの斜面変化
ラインガウの特徴として、東から西に向かうにつれて斜面の勾配が急になる 傾向があります。

その最上級に位置するのが、赤丸で示したベルクシュロスベルク。
ちなみに、さらに北上するとミッテルラインが広がり
ラッツェンベルガーのワインが造られるエリアへと続いていくんですって。
ベルクシュロスベルクの眺望

ライン川から見ると、こんな感じ。
急斜面が広がり、ワイン造りに適した日照条件が整っている様子が一目で分かります。
畑の手前には線路が走っていてリアル世界の車窓からって感じ。
セミナーでは動画を見せていただきましたが見ている分には本当に美しい景観でしたが
実際に作業をするとなると地獄のような所なんだろうなと思いました。
本当に素晴らしいワインを届けて下さってありがとうございます。
今回のラインナップの中で、コム兄は一番好きでした。
爽やかで清涼感がありながらも力強く味わい。
紅茶のような香りも漂っていてとっても華やか。
酸の質も非常に緻密でしっかりとした張りがありながらも心地よい飲み口。
飲み干した後のグラスの香りもよくってたまりませんでした。
ふとすれ違った時にこんな香りする人がいたら好きになっちゃうかもしれません(ちょろいw)
ミニコラム② アートラベルが出来るまで~ゲオルグブロイヤーの場合~

このワインが特別な理由はその素晴らしい味わい以外にも、毎年デザインが変わるアートラベル であるという点も挙げられます。
実はこのアートラベルはムートン・ロートシルトのラベルに次ぐ歴史あるデザインシリーズなんですって。
2022年のラベルはオランダ出身のアーティストによる作品ですが、
デザインを手がけるアーティストの選定方法には
立候補するケースとオファーされるケース の両方があるそうです。
こちらに関しても興味深いお話をしてくださいましたので紹介したいと思います。
立候補なりオファーなりでアーティストが決まると、
リューデスハイムにあるブロイヤーさんのおじさんが経営する
「リューデスハイマー・シュロス」 という可愛らしいホテルに一定の期間滞在するんだそう。

そこで以下の体験を通じて、ラベルデザインのインスピレーションを得るのです。
- ワイナリーを訪問し、畑を実際に体感
- 過去のヴィンテージを試飲し、ワインの特徴を理解
- ワイナリーの哲学を学び、そのエッセンスをデザインに落とし込む
こうしたプロセスを経て、ラベルのデザインが出来上がっていくんだそう。
こういったお話を聞くとそのホテルにも泊まってみたくなりますよね。
ラベルデザインの報酬
下世話な話ですが、やっぱり気になるのはギャランティ。
”どこまで本当かは分かりませんけど”と前置きをしたうえで磯本さんはこのように教えてくださいました。
気になるアーティストへの報酬は
「自分がデザインしたワインの現物」
との事でした。
確かにこういうのってお金が目的というよりは名誉的な部分が大きいですもんね。
「さすがに1本という事はないと思いますけど。」
と少しベールに覆われた部分が残っているところがまたミステリアスで良いですね。
コム兄も鹿のイラストを沢山描いて練習して採用してもらえるように頑張りたいと思います。
(黙れ。お前が頑張らなきゃいけないことは他に沢山ある)
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