たとえ進展がなくても、
書き続けようと思って始めたこのシリーズ。
とはいえ、
何も起きない週というのは案外少ない。
エピソード3を公開してから、
まだそれほど時間は経っていないが、
この数日はやけに長く感じられた。
選択肢が揃い始めた日
エピソード3を公開してから、
まだそれほど時間は経っていない。
それでも、この数日は
気持ちの振れ幅が大きく、
やけに長く感じられた。
内見の余韻が残るまま、文章を書いた
少し時間を巻き戻す。
工務店と元カレー屋の内見をした週末、
その感情を整理するようにエピソード3を書き上げ、数日後に公開した。
物件を見て、
前に進んでいる実感はある。
でも決めきれない。
そんな、
自分でも少し歯がゆい状態を
そのまま言葉にした回だったと思う。
公開直後に届いた、元喫茶店の条件
エピソード3を公開して間もなく、
商工会の方から一本の電話があった。
元喫茶店に関する、
改めての条件説明だった。
聞けば聞くほど、
条件が揃いすぎている。
店舗のある1階に加えて
2階・3階を住居として使える。
しかも、つい最近まで人が住んでいた。
テーブルや椅子などの什器は
そのまま使っていい。
それらすべてを含めた賃料が、
正直、信じられないほど安い。
店舗の家賃だけでなく、
家族の住居費まで含めた固定費が一気に下がる。
将来の返済や、
いずれ店を閉じることになったときの備えまで考えても、
なお余裕が残る条件だった。
電話を切ったあと、
興奮を抑えきれずに鼻の穴が膨れ上がっていたと思う。
話しがうますぎる。
でも商工会の方からの提案だし悪い事はないんじゃないか。
そして同時に、
「これは簡単に切ってはいけない物件だ」
とも思った。
たとえ話が流れるとしても、
見ないまま捨てるには、
あまりにも惜しい物件だった。
翌週|現実を突きつけられる日曜日
その翌週の日曜日。
創業スクールの4日目だった。
内容は、
財務・税務、そして法務。
どれも、
店を続けていくうえで避けて通れない、
現実的な話ばかりだった。
この日は衆議院選挙の投開票日でもあり、
天理でも雪が吹きすさぶ、底冷えのする一日だった。
スクールが終わったあと、
元喫茶店について何か進展がないか聞いてみたが、
特に新しい話はなかった。
結局、
こちらから動けることは何もない。
待つしかない状況は変わらなかった。
なんて日だ
完全に余談だが、スクールが終わってから子供を伴って買い物に出かけた。
駐車場に車を止めて、買い物に向かおうか車を降りた。
瞬間後方で「コツン」と音がした。
嫌な予感がして振り向いてみると
後部座席から降りようとした子供が隣の車にドアバンしてしまったのである。
その後相手さんや保険屋さんとのやり取りでメンタルが削られていく。
なんて日だ。
そんな中でも相手方にもうちの子供にも怪我がなかったのは不幸中の幸いだったと思う。
夜に届いた見積もり
帰宅すると、
工務店から内見後の見積書が届いていた。
金額は、
想定していたよりも抑えられていた。
これなら元カレー屋でやるのも現実的なラインかもなな。
そう思えた。
元喫茶店がどれだけ魅力的でも、
話が流れてしまえば意味がない。
そのときに、
元カレー屋で確実に開業できる状態を
作っておかなければならない。
元喫茶店は捨てられない。
でも、元カレー屋も止められない。
並行して進めるしかない。
そう、あらためて腹を括った。
テレビでは、
冬のオリンピックの話題や、
選挙の出口調査の様子が淡々と流れていた。
第三者の視点が入った内見
その翌日の月曜日。
今回は、カコムのオーナーである今谷さんに立ち会ってもらい、
改めて元カレー屋を内見した。
これまで今谷さんとは、
奈良ワイン会やコム兄ワイン会開催時のイベントスペースのオーナーとして関わってきた。
でもこの日は違った。
60件以上の飲食店立ち上げに関わってきた、
空間を見るプロの目だった。
※今谷さんに関する詳しい情報はこちらから→HOME | カタチ研究所
見積書を見せたとき、
今谷さんの第一声はこうだった。
「坪100万超えてるんだね。
決して安いわけではないと思うよ。」
見積もりをもらう前の改装費の概算はChatGPTと相談して算出したもので
僕自身は、
「悪くない条件なんだろうな」
くらいに受け止めていた。
でもその一言で、
この見積もりを”何となく”ではなく、
客観的にかつ現実的な数字として捉えることができた。
そこからは、
カウンターの高さ
変えたほうがいい部分
活かせる素材
具体的な提案が次々と出てきた。
キッチンを見て、
「使い勝手、良さそうだね」
と言われたとき、
この人にはもう完成後の風景が見えているんだな
と感じた。
元喫茶店の話を、正直にする
今谷さんには、元喫茶店の話もした。
彼はコム兄ブログを読んでくれていて、
これまでの経緯も知っている。
もし元喫茶店が本格的に動けば、
その空間についても
アドバイスをもらう事になるだろうと思う。
だから、
隠す理由はなかった。
同じ流れで、
不動産屋さんにも
「もう一軒、検討している物件がある」
ということを正直に伝えた。
伝えるべきか、伝えぬべきかかなり迷った。
でもなんか隠しているのも気持ちが悪いので正直に話すことにした。
困惑している様子はあったが、
「伝えてくれてありがとうございます」
という言葉をもらえた。
無条件でキープするつもりはなく、
賃料相当分は支払う用意があることも伝えた。
誰かに無理を強いる形ではなく、
できるだけ穏やかな着地点を探したいと思ったからだ。
まだ、決断の手前
内見後、今谷さんから
「固定費の差は、思っている以上に大きいから、
ちゃんと比較して考えたほうがいい」
そして、
「元喫茶店のほうも、よければ内見しますよ」
という言葉をかけてもらった。
最後に
結論は、まだ出ていない。
でも、
選択肢が揃い、
それぞれを冷静に見られる位置には
ようやく立てた気がしている。
知らんけど。
どっちが正解かなんて分からない。
そんな不安な中でも比較的穏やかでいられるのは
今谷さん、不動産屋さん、工務店さん、商工会の担当の方、創業スクールの参加者の皆さん。
関わってくださる皆さんがいい方ばかりだからだと思う。
本当に有難い事だ。
I’m a lucky man.(黙れ)
元喫茶店も魅力的だし、元カレー屋も確実性がある。
どっちにも“良さ”があって、まだ決断はつかないまま。
ここまで読んでくれたあなたに聞きたい。
条件が揃った物件と、確実に開業できる物件――
あなたなら、どっちを優先するだろうか?
何れの選択をするにしても人との縁を大切にしながら、
なるべく後悔が少ないように一歩ずつ進んでいきたい。
そんな当たり前の事を改めて感じた一日だった。
エピソード5に続く。


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